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読書と映画

読んだ本、見た映画について感想を書いています。
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【洋画:戦争】 ライフ・イズ・ビューティフル

【評価】★★★☆☆

life_is_beautiful.jpg
1997年/イタリア
監督:ロベルト・ベニーニ
主演:ロベルト・ベニーニ


何かの映画感想ブログを読んで、興味を惹かれた作品。
感動作品っぽいので、たまにはきれいな涙を流してみるのも悪くないかも。
といいつつ、感動の涙を流すことができるのでしょうか。

【ストーリー】
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ヨーロッパでナチスが台頭し始めた時代のイタリア。
ユダヤ系のグイドは、イタリアで妻と子と幸せに暮らしていたが、イタリアに駐留したナチスドイツによって、家族共々、強制収容所に送られてしまう。
小さな息子を不安にさせないため、グイドは、息子に対して、「ここはゲームをする場所だ。ここで行われる様々ことをクリアしていくと点数を貰え、1000点集めると本物の戦車がもらえる」と説明する。
過酷な収容所の日々にあっても、グイドは明るく息子にゲームだということを信じ込ませ、息子は父グイドの言葉を信じて楽しい日常生活だと思って過ごす。
やがて、ナチスドイツは敗北し、強制収容所からもドイツ軍が撤退を始めるが、撤退処理として、収容者を皆殺しにして撤退をしようとする。
グイドは、一晩隠れんぼを達成できれば、目標の1000点に到達すると息子に話し、息子をゴミ箱の中に隠れさせるのだった。
息子はドイツ軍が撤退するまで隠れ切ることができたが、グイドはドイツ兵に捕まり射殺されてしまう。
そのことを知らない息子は、ドイツ兵撤退で静かになったところで、ごみ箱から出てくるが、ちょうど、救出に来た連合軍の戦車と遭遇、戦車に乗せてもらい、収容所を出るのだった。
そして、本当に戦車に乗れたことで息子は、ゲームに勝ったんだと大喜びする。
更に、戦車に搭乗して移動中に、母親とも無事再会し、収容所だったという事実を知らぬまま、更に喜びを高めるのだった(完)。

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感動ドラマかなと思って見始めたのですが、予想を裏切り、最初の半分は喜劇タッチのラブコメ。
そして、後半はコメディータッチをベースとしたシリアスな展開。

前半と後半で、全く違ったテイストの話になる構成はびっくり。
前半は、主人公グイドが、妻と結ばれるまでのエピソードをコメディータッチに描く展開で、正直、この手の話が延々と続く映画だったら、DVDをレンタルしたのは失敗だったなぁと思いました。
感動ドラマを見たいと思っていたので、前半のラブコメ話は想定外。

ただ、前半のコメディー仕立てのストーリーは、品のあるユーモアで、伏線を活かした計算された喜劇が仕込まれていて、見ていてなるほどと感心しました。

一例をあげると、グイドが毎日通る路上では、いつも同じ光景が繰り返されています。
それは、職人風の男性が、出勤の際に、建物の窓を見上げて、「マリア、鍵!」と叫ぶのです。
すると、(おそらく職人の妻であるマリアが)カギを建物の窓から男性に向けて放り投げてくれます。

このエピソード自体は、ちょっと変わった夫婦の日常を描いたシーンで、ユーモラスな場面ではあるものの、さほど面白いかというと、それほどでもないシーン。
こういうエピソードが色々と盛り込まれているのですが、実はこれらのエピソードは、単発でのユーモラスなシーンではなく、後の展開の小道具(伏線)として活かされます。

この後、グイドは、妻となるべき女性とこの路上を歩くのですが、そこで、女性が、「私は、私の心の鍵を開いてくれる男性としか付き合うことはないわ」と話すのを聞いて、グイドは、「どこかにある、君の心の鍵を手に入れれば良いんだね。じゃあ、神様にそのカギをくれるようお願いしてみよう」と話します。

そして、「マリア~!(聖母マリアのこと)、鍵をください!」と大声で叫ぶと、勘違いした職人の妻がカギを上から放ってくれて、見事、グイドは鍵を手に入れ、女性はびっくりするという展開。

少し印象的なエピソードが、その後の展開の小道具や伏線になってユーモラスなシーンに仕立て上げられるという構成が、本作ではそこかしこに盛り込まれていて、なかなかやるなぁと思わされます。

まぁ、面白いというよりは、すごいという印象の方が強い展開ではあります。

前半はこんな感じの展開で進んで、グイドが妻と結ばれ、息子が生まれるという展開につながっていきますが、大変、軽い感じのストーリー展開になっています。

後半に入ると、突然、グイド一家はユダヤ人ということで、進駐してきたナチスに強制収容所に連行されるという、急に重たい展開。
グイドは、5歳の小さな息子を怖がらせないように、「実は、内緒でパパが仕組んだ旅行なんだ」とか、「ここでは、ゲームが行われるんだ。1000点取ったら、本物の戦車がもらえるよ」と、いつものユーモラスな弁舌で、息子を不安がらせないようにします。

軽い感じの性格のグイドが、全身全霊を持って、息子が少しでも不安にならないようにしようとする様子は、心揺さぶるものがありました。
小さな子供が出てくる話って、どうも涙腺を刺激されます。
子供を出汁に使うとは、ちょっとずるいぞ(笑)。

後半は、収容所内の描写で、収容所に連行された子供たちがガス室で殺されたりと、シリアスな展開も多いのですが、そういった描写が直接ないのと、基本、コメディータッチな描き方がされているので、泣く話なのか笑う話なのか、非常に複雑ではあります。

グイドの話す嘘を信じて、収容所を楽しい場所だと信じるグイドの息子。
収容所の悲惨さとグイドの息子の信じる世界のギャップの大きさに切ないものを感じますが、親であれば特に幼い自分の子供に対して、つらい思いをさせたくないという気持ちがよく分かり、うるうるきてしまうところです。

グイドと息子の関係は、こんな感じで、幼い子供を大切に思う気持ちで感動ドラマに近い展開ですが、一方で、不思議なエピソードもあります。

グイドは収容所に送られる前、ホテルのウェーターとして働き、そこで、ドイツの医者と親しくなっていましたが、収容所に送られると、その医者が軍医としています。
軍医の方でもグイドに気付き、「重要な話がある」と内密でグイドに話しかけてきます。

そして、その話の内容と言うのが、「知人から手紙でナゾナゾを送られてきたのだが、どうしても答えが分からない。君の知恵を貸してほしい」というもの。
・・・重要な話って、それか!?

確かに、グイドと医者は、ホテルのレストランで、ナゾナゾを出し合って楽しんでいたわけで、ある種の伏線になっていましたが、収容所での重要な話が、まさかのナゾナゾについて。

おもわず、ズコーッとずっこけたのでした。
これは、シュールなギャグで笑うべき場面なのか!?
と、所々、笑わせようとするつもりなのだろうかと悩まされる場面が織り込まれ、こんなシリアスなテーマなのに笑うべきなのかどうか悩んだのでした。
言ってみれば、お葬式でお坊さんがオナラをこいたのを見て、笑うべきかどうか悩む葬式参列者の気分でした。

この医者とグイドのやり取りも、グイドにとって深刻な状況(強制収容所に収監されているという状況)も、立場の違う医者からすると、どんなに親しい間柄でも他人事でしかないということを象徴した場面なのかもしれません。

グイドは、息子に、「ここではゲームが行われていて、先に1000点取った人は、本物の戦車を貰える」と話をしています。
そして、ナチスが戦争に敗れ、ナチスが収容者を一掃して撤退を始めようとした時に、息子が殺されないよう、グイドは「今回のゲームは隠れんぼだ。朝まで無事隠れていられれば、点数がもらえ、それで1000点に達するよ」と話し、息子をゴミ箱の中に隠します。

しかし、当のグイドはナチスに捕まり、まさかの射殺。
この展開は衝撃でした。
基本コンセプトがコメディータッチで展開してきただけに、一応はハッピーエンドなのだろうと思っていたのですが、グイドが唐突に射殺されてしまうわけですから。
この流れだったら、グイドは生き残って欲しかったぞ・・・。

そうして、夜が明け、ゴミ箱から息子が出てくると、ナチスはすでに撤退し、連合軍が救出のため乗り込んできているのでした。
一人で佇んでいる幼い子供を見つけた、連合軍の兵士は、グイドの息子を抱き上げ戦車に乗せてくれるのでした。
ラストにも、「1000点獲得したら本物の戦車が手に入る」という伏線もきちんと回収されていて、かなり計算されたシナリオだと感心しました。

そして、「戦車が手に入った」と大喜びするグイドの息子の姿は、父・グイドが殺されたという悲しい事実を知らずに、作られた世界の中を生きているようで、とても切ない一方、何か痛烈なブラックジョークのような印象もあり、泣いてよいやら苦笑いすべきやら、なんだか、とても複雑な感情を引き起こす結末でした。

シリアスなテーマをコメディー仕立てで作った作品は、笑うとなんだか不謹慎な気がして、なんだか、ちょっと気が引けるのでした。


【その他のレビューブログ】
「この映画はハッピーエンドととらえる向きが多いようですが、私はそう思いません。ジョズエの視点から見ればハッピーエンドなのかもしれませんが、グイドの視点から見ればなんて悲しい物語なんでしょうか。」というコメントがありましたが、グイド(主人公)の視点から見たらハッピーエンド(息子を助けることができたから)、息子や妻の視点から見るとアンハッピーエンドとなるのかなと思います。

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[ 2015/12/11 00:12 ] 第二次大戦 | TrackBack(0) | Comment(0)
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