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読書と映画

読んだ本、見た映画について感想を書いています。
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【洋画:ミステリー】 ゾンビ・リミット

【評価】★★★☆☆

zombi_limit.jpg
2013年/スペイン・カナダ
監督:マヌエル・カルバージョ
主演:エミリー・ハンプシャー、クリス・ホールデン


最近、はまって見続けているゾンビ関係の映画を今回もレンタル。
定番のゾンビ映画とは少し趣が違う作品のようですが、その出来栄えは果たして。

【ストーリー】
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ゾンビウィルスの蔓延で甚大な被害を受けた人類だが、ゾンビウィルスを抑制し、ウィルス感染者のゾンビ化を抑える薬を開発する。
しかし、その薬は2日に1度摂取しなければならず、摂取を怠ると感染者はゾンビになって人を襲うようになる。
この薬でゾンビ発生を抑制できるようになり、感染者は「リターンド」と呼ばれ、薬を摂取しながら日常生活を送るものの、中には「リターンド」を恐れ排除しようとする動きもあるのだった。
ケイトは、「リターンド」を治療する病院に勤めている一方、ケイトの恋人は「リターンド」であった。
ある日、ウィルス抑制薬の生産が滞り、薬の供給が不足するという事態が発生する。
ケイトは、病院から違法に薬を横流ししてもらい、恋人の薬を確保していたが、その薬をやはり、リターンドである親友夫妻に全て盗まれてしまう。
薬の不足も深刻化し、薬を入手することが出来ない中、恋人の薬の効果が切れる時刻が刻一刻と迫ってくる。
薬の入手をあきらめたケイトと恋人は、恋人がゾンビになる最後の瞬間まで一緒に時間を過ごし、最後には、ケイトは、ゾンビに変貌した恋人を苦汁の決断で射殺する。
射殺の数時間後、政府は、ゾンビ抑制の画期的ワクチン開発に成功し、人々にワクチンを配り始めたことを知ったケイトは、運命の残酷さに愕然とするのだった。
その後、亡き恋人の子供を身ごもるケイト。
そして、ケイトたちを裏切った親友夫婦に復讐するため、夫婦の足取りを探るケイトがいるのだった(完)。

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ゾンビが映画の背景にありますが、ホラーではなくサスペンス色の強い作品。
ゾンビ化を抑制する薬(2日に1回接種が必要)が不足する事態に陥り、ゾンビウィルスに感染した人々の間で、薬の奪い合いが起きるというストーリー。

主人公ケイトの恋人もゾンビウィルスに感染しており、薬の摂取が欠かせない状態。
そんな中、薬の供給量不足が発生し、薬の入手が困難になる状況が発生します。
ケイトは、病院に勤めていたことから、闇ルートで薬を入手していたものの、やはりウィルスに感染していた親友夫妻に薬を盗まれ、病院にも薬がなくなったことから、窮地に陥るという展開。

不足する薬を巡って生じる、裏切りや人間不信などがテーマとなる作品。
その意味では、ウィルスがゾンビウィルスという設定ですが、別の病気でも話が通用するものではあります。

ただし、ゾンビウィルスが発症すると死ぬわけではなくゾンビに変貌する(ゾンビ=死者という定義であれば、形式的には死亡したことにはなりますが)ことになり、さらに、ゾンビは人を襲って次々とウィルスを感染させていく厄介な存在になります。
そのため、ゾンビに変貌したらその人(ゾンビ)は殺す必要があるという点がゾンビウィルスの残酷な点。

ケイトも恋人がゾンビに変貌してしまえば、自らの手で恋人を殺さなければならないという過酷な運命を背負うことになります。
そして、結局、ケイトは恋人のゾンビ変貌を止めることができず、自らの手で恋人を殺すこととなります。
しかし、その数時間後、新薬開発成功の発表が政府よりなされ、人々に新薬が供給されるという皮肉な結末。

あと少しゾンビ変貌を抑えられれば、それこそ薬1本あれば、恋人を助けることができたわけです。
スティーヴン・キングの原作を映画化した作品で「ミスト」という映画があり、後味の悪い終わり方で知る人ぞ知る作品ですが、この結末は、「ミスト」の皮肉な結末とも相通ずるものがありました。

また、この映画では、薬で発症を抑制するウィルス感染者に対する扱いも一つ、大きなテーマとなっています。
身近な人を感染者に持つ人々は、感染者が薬を使い続けなければ生きられないことに絶望しつつも、愛する者が生き続けられるように、なんとか努力をし続けます。

一方、感染者とは関係ない人々の中には、いつゾンビ化するか分からない感染者を危険視して、排除を声高に訴える人もいるわけです。

さて、この排除の意見は、感染者に対する偏見なのか、それとも、真っ当な意見なのか。

薬で抑えているとはいえ、いつゾンビ化する恐れがあるかもしれないと思うと、排除したいという考えも分からなくもないですが、他方、感染者やその家族にしてみれば、薬をきちんと投与し続ければ日常生活が送れるわけで、隔離されたり行動を制限されるというのは納得のいかないことであるわけです。

こういった問題に関して、今まで人類が選んできた選択肢は、紆余曲折はあるにせよ、多少のリスク(映画の場合はゾンビ化というリスク)を受け入れながら、リスクが最小限になるような仕組みを作って、色々な人が生きていくことができる社会を作っていくというものだったのだろうと思います。

本作は極端な状況ではありますが、現実を見ても、圧倒的多数から見ると異質な存在-障害者だったり、外国人だったりを社会に組み込む努力を人類が続けてきたことを考えると、ゾンビウィルス感染者と共存する社会というのは、人類が望むべき理想的な社会なのかもしれないなぁと感じるのでした。

ゾンビ映画でありながら、社会や人間のあり方を考えさせる映画でした。

しかし、こういった思いテーマが背景にあることもあって、映画自体はテンポが遅く、展開に退屈さがあった点は残念でした。
これで、エンターテイメント性も十分加味した作品になると、すごい傑作のゾンビ映画になったのではないでしょうか。


【その他のレビューブログ】
ゾンビ映画ではないが、良質のサスペンスであるという評価が多いようです。

悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。
http://ryonryon.hatenablog.com/entry/2014/10/27/200011

映画でもどうどす?
http://ameblo.jp/makomako-63/entry-12041426097.html

ホラーSHOX[呪]
http://curse.jp/spoiler/1272.html

blog珍品堂
http://chinpindo.blog.eonet.jp/default/2014/10/post-1e17.html

いやいやえん
http://m615.jugem.jp/?eid=3522

アマゾン カスタマーレビュー
http://www.amazon.co.jp/product-reviews/B00PAG0KZY/ref=cm_cr_dp_see_all_summary?ie=UTF8&showViewpoints=1&sortBy=byRankDescending

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[ 2015/11/12 09:10 ] 超常現象系 | TrackBack(0) | Comment(0)
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