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読書と映画

読んだ本、見た映画について感想を書いています。
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【アジア映画:歴史】 楊家将 -烈士七兄弟の伝説

【評価】★★★★☆

youkashou.jpg
2013年/中国
監督:ロニー・ユー
主演:ウー・ズン


史劇系の洋画もだいぶ見尽くした感があるようで、TSUTAYAで探しても未見の作品が見当たらないので、中国映画にも広げて観てみることに。

【ストーリー】
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10世紀後半、宋の時代の中国。
宋は隣国の遼の侵攻に苦しめられていたが、その宋王朝を楊家が支え、遼の何度もの侵攻を楊家の当主、楊業が軍を率いて撃退していた。
そのような状況下で、再度、遼が大軍を率いて宋の領土に侵攻してくる。
楊業は宋軍の先鋒として出陣するが、遼の伏兵に退路を断たれた上に、味方の軍が退却したために、孤立無援となり、少数の兵で孤城に逃げ込むはめに陥る。
その戦況を聞いた楊業の7兄弟は、皇帝の許しを得て、軍を率いて、楊業の救出に向かう。
遼軍の指揮官、耶律原は、かつて父親を楊業に討ち果たされており、その恨みを雪ぐため、楊業とその息子たちを殺すべく、罠を仕掛けていた。
楊業の7兄弟は、その罠にはまり、楊業と共に孤城で包囲されてしまうが、負傷した父親を守りながら、包囲を突破することとする。
しかし、多勢に無勢、7兄弟は、父親と兄弟たちを逃すため、次々と襲い来る遼軍を食い止めるため戦い、命を落としていく。
そして、負傷した父親も落命し、その死骸を家に運ぶため、父親の死骸を守りながら、兄弟たちは、自国の本領を目指す。
兄弟たちは次々と遼軍に討ち果たされ、残るは父親の死骸を背負う6男のみ。
6男に追いついた遼軍の将・耶律原との一騎打ちとなり、耶律原を返り討ちにし、父親の死骸を見事、連れ帰るのだった。
唯一、生き残った6男が楊家を継ぎ、その後の宋を支えていくのだった(完)。

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「楊家将」という小説が、「三国志」や「水滸伝」と並ぶ中国の歴史小説の代表作だという話は前々から聞いており、読みたいなぁと思いながらも、本格的に日本語に訳したものがないため、非常に気になっていました。
今回、その「楊家将」を映像化した作品ということで、とりあえずレンタルしました。
原作が壮大な話なようなので、映像化は難しいだろうと考えると、本映画も出来栄えはそれほど期待できまいと思いながら、一応、観てみるかというのが本音のところでした。

しかし、その期待を良い意味で裏切り、とても迫力ある映像で最初から最後まで楽しめました。
期待せずに観たものが、予想外の出来だったというのは、嬉しい限りです。

映画は、10世紀後半、遼に侵攻を受ける宋が舞台。
遼の大軍が進行してきたため、宋の名将・楊業が先陣となり防ぎに当たりますが、遼の伏兵の存在を見逃すといった楊業らしからぬミスを犯した上に、楊業に恨みを持つ同僚の武将が楊業の軍を残したまま撤退したことから、楊業は、少数の兵で孤城に立て籠もり、遼軍に包囲されるという絶体絶命の危機に陥ります。

それを受けて、楊業の息子7兄弟が、軍を率いて父・楊業の救出に向かうというのが、本作の展開。
7兄弟が楊業救出に向かうに当たり、道士が「七子行て、六子帰る」という予言がなされたことから、楊業救出に行けば、七兄弟のうち一人は戦死してしまうだろうと予想されるのでした。

この予言を受け取った楊業の妻は、長男を呼び、この予言を示した上で、弟たちを守るように依頼します。
長男も、「私が戦死しても弟たちを無事に生きて帰らせます」と誓うわけですが、よくよく考えてみると、お母さんの行動は、「誰か一人は戦死することになるようだから、その役割はあなたにお願い」的な感じで、結構、毒親っぽい気がする!
親に、「兄弟の一人がしななきゃいけないから、あなた死んでね」と言われたら、結構、凹みそうだなぁ(笑)。

さて、こんな不吉な予言を受けつつ、出陣する七兄弟。
遼軍の包囲を突破し、父・楊業の立て籠もる孤城に入ることに成功する七兄弟ですが、実は、これは遼軍の将・耶律原の罠。
わざと、城におびき寄せて楊業一族を滅ぼそうという計画なのでした。

うーむ、楊業は名将で、息子たちもそれぞれ優れているはずですが、ここまでの展開、遼軍の将・耶律原の方が10枚くらい上手な感じ。
戦略・戦術の才は、耶律原の方が上のようです。

この後は、負傷している父親を庇いながら、七兄弟が遼軍の包囲を突破し、自領まで戻るという展開。
この包囲突破で、楊業と七兄弟以外の兵は全滅。
・・・武将としては、どーなのよ!?と思わざる得ない指揮のまずさぶりではありますが、この映画は、七兄弟の大軍突破での無双っぷりを隅から隅まで堪能するという趣旨なので、武将としての能力は置いておくのが正解。

包囲をなんとか脱出した七兄弟ですが、背後に迫ってくる遼軍を食い止めるため、1名、2名と遼軍に立ち向かいます。

立ち向かう七兄弟は、なかなかの無双っぷりを示すものの、やはり多勢に無勢、次々と討ち果たされてしまう展開。

「七子行て、六子帰る」という予言に反して、戦死者の列に続々と連なる七兄弟。
・・・むむむ、どういうことだ?
もしかしたら、六子帰るというのは、土に還るとかあの世に帰るということだったのか!?

てっきり、七兄弟の中で死んでしまうのは一人だけと思っていただけに、この意表を突く展開にはびっくり。
こういう意外性が面白かったりもします。

また、七兄弟、そこそこ無双ではあるのですが、人間離れしていない無双ぶりなのも、良かったところ。
あまりに人間離れした無双ぶりだと、「それは、チープ設定過ぎるだろう」と興ざめしてしまうところですが、興ざめしない無双っぷりなのが、バランスが良くて良かったです。

このDVDの新作予告に中国ドラマ「項羽と劉邦」があったので、ついつい、七兄弟がやられてしまう度に、これが項羽だったら、遼軍を一掃してしまうかもしれないなぁ、なんて、余計なことを考えてしまうところもありましたが。

そんなこんなで、七兄弟がそれぞれ得意の武器で戦いながら散っていく様を眺めるという、なかなか変わった映画ではあります。
用いる武器は、それぞれに素敵でしたが、ぴか一は、弓矢を武器にしていた三男でしょうか。

三男の使う弓矢の精度の高さと威力に恐れをなす遼軍の兵は、三男が弓を構えるたびに、おそれて盾を上に向けて伏せ、その間に三男は逃げる距離を稼ぐというシーンがあり、なんだか、「だるまさんが転んだ」をしているようで、緊迫したシーンのはずなのに、なかなかユーモラスな感じでした。

この三男の見せ場は、敵の弓の達人との弓矢での一騎打ち。
西部劇のガンマン同士の対決っぽくって、とても素敵でした。

武器を違えて、戦いのシーンにメリハリを付けるという演出、すごく良かったですね。

そして、次々と倒されている七兄弟の中で、唯一生き残ったのが、戦場経験がなく、七兄弟の中では一番柔弱な印象の六男。
遼軍の将・耶律原に追いつかれ、一騎打ちをするのが六男の見せ場となります。

耶律原は、討ち取った七兄弟が持っていた武器を六男の前に投げ捨て、「どうだ、この武器を見ろ。他の兄弟は全て討ち取ったぞ」と挑発しますが、六男は、その武器を交互に手に取りながら、強敵・耶律原に立ち向かい、見事、耶律原を打ち取るというのがクライマックス。

討ち取られた兄弟たちの武器を使いながら戦うというシーンが、健気でぐっとくるところでした。
予言「七子行き、六子帰る」というのは、「六人が土に還る」ということだったのか、はたまた、「六男だけが帰る」という意味だったのかはよく分かりませんが、道士もこんな分かりにくい予言をするとは、なかなかひどい!

本作は、道士のわかりにくい予言で観ている人が裏をかかれる意外さと、七兄弟のバランスの良い無双っぷりを楽しむ映画といったところでしょうか。
難点をあげるとすると、七人もいるため、主人公が誰なのかよく分からないという点。
話の展開からすると、六男が主人公になるのでしょうか・・・?


【その他のレビューブログ】
「『ここはオレに任せて先に行け!ヽ(`Д´)ノ』展開が大好物」というコメントもありましたが、そういった展開が好きな人にはピタッとはまる作品でしょう。

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[ 2015/10/13 00:10 ] 東洋史 | TrackBack(0) | Comment(0)
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