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読書と映画

読んだ本、見た映画について感想を書いています。
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【洋画:ホラー】 11:46

【評価】★★★★☆

11_46.jpg
2006年/カナダ
監督:モーリス・デヴェロー
主演:イロナ・エルキン


以前、『映画道』というブログ(http://yuna7315.blog.fc2.com/blog-entry-38.html)に紹介されていて、見たいなぁと思っていた作品。地元のTSUTAYAには置いていなかったのですが、少し離れた他のTSUTAYAで発見したので、早速レンタルしました。

【ストーリー】
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主人公が地下鉄に乗っていると、突然、電車が緊急停車してしまう。
そして、電車に乗っている多くの乗客のポケベルが一斉に鳴り出し、ポケベルのメッセージを確認した乗客がナイフを手に主人公たちに襲いかかってくるのだった。
ポケベルを持っている乗客は、ある宗教団体の信者で、ポケベルのメッセージは、世界が終末を迎えるので、人々を神の元に送り届けよという指令だったのだ。
主人公は、襲いくる信者から逃れながら、暗い地下鉄の線路を進み、地上への出口を探すのだった。
そして途中に寄った地下鉄職員の待機所にあるテレビを見ると、地上でも信者が人々を救うと称して殺戮を繰り広げ、混乱の渦となっている様子が映し出されているのだった。
宗教団体の教祖は、最後の審判の時までに神の元に行けず地上に残った人々は悪霊や悪魔に捕えられて地獄に落ちると訴え、それを信じる信者は、信者でない人々を救おうと殺戮を繰り返すのだった。
主人公は、それでも、なんとか地下からの脱出を試みようとするが、ついに信者たちに追い詰められてしまう。
絶体絶命の状況となるが、突如、信者たちのポケベルにメッセージが入る。
そして、そのメッセージを見た信者は、主人公を放置して次々と自殺してしまう。
ポケベルのメッセージは、最後の審判の時が迫ったので、信者も急いで神の元へ行くようにとの指令だったのだ。
暗闇に一人残される主人公。そして、暗闇の中から、死者や異形の者たちが沸き起こり、取り残された主人公に襲いかかってくるのだった(完)。

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とりたてて、ここがすごいという映画ではありませんでしたが、全体的によくまとまっていて、なかなかの佳作でした。
映画は、教祖の終末予言を信じた信者たちが、暗い地下鉄のトンネルを舞台に襲いくるというパニック・ムービー系の作品。

終末予言とか最後の審判というのを本気で信じる人たちが、社会を混乱に陥れるほど大勢存在するというのは、普通に考えるとリアリティーが薄いと思ってしまいますが、現実に目を向けると、少しさかのぼれば、オウム真理教のテロしかり、現在では、イスラム国の猛威が世界中に吹き荒れているわけですから、この映画のような事態というのも、あながち起こり得ない話ではないと思うと、そら寒いものがあります。

映画は、地下鉄の電車内で教祖のメッセージを受け取った信者たちが、突如、信者ではない人々を殺すために襲いかかってくるわけですが、その行為が神の御心に叶うものであると、一分の疑いもなく善意での行動であると信じ切っているところが、なかなかの恐怖です。
そして、主人公たちの方へ、賛美歌を歌いながら十字架のナイフを掲げつつ、ヒタヒタと迫ってくる様子は、念仏を唱えながら押し寄せてくる一向一揆にも通じるところがあり、かなり不気味です。

そんな信者の中で、教祖の教えは半信半疑で信じつつも、信者たちの暴動に便乗して人を殺すことを楽しんだり、女性を殺す前に犯そうとするといったクズ男も登場します。
純粋な宗教心ではなく、自分の欲望を満たすことに宗教を利用したり便乗したりする人間というのも、リアリティのある話だと思いました。

歴史を振り返れば、キリスト教の聖地奪還の十字軍も、商業的な理由や現地での略奪を目的として参加する人々も多かったわけですし、大なり小なり、この映画に出てくるクズ男のような人間が、混乱に拍車をかけているなんてことは多い気がします。

狂信的な宗教心というのも怖いですが、一般の人々の、混乱に乗じて利益を得ようとする欲望が集まった時は、更に恐ろしいのかもしれません。
映画は、信者たちの暴動により、世界中が混乱の渦へと巻き込まれていき、果たして、結末をどうやって持っていくのだろうか、感じとしては、バイオハザードのように世界の崩壊を描く形になるのかな・・・と興味深く見ていましたが、信者たちの集団自殺による決着というのは、予想外でとても見事だと思いました。

確かに終末思想を信じるのであれば、信者自身、神の元-死を選ぶというのは論理的な展開です。
映画に出てきたクズ男は、教えに対して半信半疑だったため、自殺はしないものの、結局、他の人に殺されてしまいます。
便乗型の人間は、死後の世界よりも現世、世俗に対して執着があるので、自殺なんかはしないのでしょう。
純粋な人間は死に、不純な人間は生き残るのが世の習い。
本来であれば、そういう人間こそ、死んだ方が世のためなのかもしれませんが。世の中は皮肉で、そんなにうまくはいかないようです。

ラストは、信者たちも自殺し、地下鉄のトンネルの暗闇で一人生き残った主人公。ほっとしたのもつかの間、教祖の予言は正しく、最後の審判の時を過ぎて地上に生き残った人々に、死霊や悪魔が襲ってくるというところで終わります。
うーん、最後は教祖の予言は正しかったという終わり方は、蛇足に過ぎるなぁという印象。
その点は、残念でした。

ちなみに、「11:46」のタイトルは、最初にポケベルが鳴ったのが11時46分なので、そのようなタイトルとなっていますが、これは邦題だけのタイトルで、原題は、「End of Line」、終着点というものです。


【その他のレビューブログ】
「それまで普通だった人が「善意」で殺しに来る展開がひたすら続く。暗い地下鉄内で人々が笑顔で歌を歌いながらナイフを持って迫ってくる場面の怖さと言ったら!」というコメントがありましたが、この狂気の沙汰が本当に恐怖!

映画道
http://yuna7315.blog.fc2.com/blog-entry-38.html

恐怖映画学校
http://kakipyi.fc2web.com/6th/1146.html

ホラーSHOX [呪]
http://curse.jp/horror-movie/20081118231041.html

ホラーと共に36年
http://ameblo.jp/gurosuki/entry-10693683579.html

B級映画中毒。
http://4774100.blog.fc2.com/blog-entry-23.html

アマゾン カスタマーレビュー
http://www.amazon.co.jp/product-reviews/B001KVY7KW/ref=cm_cr_dp_see_all_summary?ie=UTF8&showViewpoints=1&sortBy=byRankDescending

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とてもわかりにくいですが、主人公は生き残っています。

マフィンが鍵です。
[ 2017/02/28 04:40 ] [ 編集 ]
確か、映画冒頭、主人公が貰って食べたマフィンに幻覚剤が入っていて・・・みたいな伏線ですよね。

映画を見た時は、冒頭の伏線が印象に全く残らず、マフィンの伏線、全然わからなかったです・・・。
[ 2017/03/01 00:09 ] [ 編集 ]
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