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読書と映画

読んだ本、見た映画について感想を書いています。
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【書籍:経済小説】 官僚たちの夏

【評価】★★★★☆

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著者:城山三郎
出版:新潮社


ブックオフに行ったら100円で売ってたので、買って読んでみました。

「官僚たちの夏」は、社会人になる前後くらい(なので、10数年前・・)に読みましたが、内容はさっぱり覚えておらず、唯一、登場人物の一人が、仕事中、ソファーで横になっていることを職場の上司が咎めるため、「勤務中は横にならないこと」といった稟議書を回してきて、それに対し、はんこを横向きに押した、という、あまり重要でないシーンしか記憶に残っていませんでした(苦笑)。

読後の感想、とっても面白かった!
こんなに面白かったかなぁと思うくらい、面白かったです。
おそらく、昔読んだ時よりも、通産省が分かるようになったので、面白さが増したのかもしれません。

内容はというと、通商産業省の官僚風越(実在の人物、佐橋通産次官がモデル)が秘書課長から次官まで出世する間の、人事、政策を絡めた紆余曲折話--要約するとこうなります。
特に、風越を中心とする人事を巡る争いは、勝ったかと思ったら、足下を掬われたりと、ダイナミックな展開で読み応えがあります。

現在に較べると、ここまで熱意を持って人事に執着する場面って見ないし、また、当時の人たちの通産省に対する忠誠心の高さというのが今では考えられない感じで、その当時の通産省と現在の経済省が同じ組織だとは思えないくらいでした。
それでも、小説の中では、結構冷めた感じの人たちも出てきていて、当時は冷めた人たちは少数派だったのでしょうが、現在は、その比率もかなり高まっているのかもしれません。

もう一つ、興味深かったのは、「特定産業振興法」を巡る議論。

資本自由化、国際化の波が迫るのを間近に控え、国内産業を強化するために、国内の過当競争を抑え、合併によって企業規模を大きくして競争力を高める必要がある-こういった理念の元に、独占禁止法の規制すらも大きく変えようといったことが、主人公風越を中心に通産省で議論が行われます。

1、2年くらい前でしょうか、日本の産業競争力を強化するためにはどうすれば良いかという議論の中で、全く、同じ話を聞いた覚えがあります。

「日本の産業は、国内の予備選で疲れ果ててしまい、そのため海外との競争に打ち勝つことができなくなってしまっているので、国内企業を合併により統合し、海外企業と競争できる規模の経済を追求すべき。そのためには、独占禁止法による合併規制を緩めるべき」といった議論を・・・。

この議論は、永遠の課題なのか、はたまた歴史は繰り返すのか、それとも進歩がないだけなのか・・・非常に考えてしまいました。

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