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読書と映画

読んだ本、見た映画について感想を書いています。
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【洋画:SF】 レポゼッション・メン

【評価】★★★☆☆

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2010年/アメリカ
監督:ミゲル・サポクニック
主演:ジュード・ロウ
原作:エリック・ガルシア著『レポメン』


手持ちの見たいDVDリストに、この映画の名前が書いてあったのでレンタル。
誰かのブログを読んだか、はたまた、予告を見てメモしたのか、その経緯は謎。
なんとなく、自分がそんなに興味を惹かれそうな映画でもないだけに、メモに書かれていたのが非常に不思議ですが、メモを書いたときは、何かひらめきがあったのかな・・・。

【ストーリー】
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人工臓器のローン滞納者から、人工臓器を回収する仕事をしている主人公レミー。
当然、回収されてしまった人は死んでしまうのだが、そんなことはお構いなしに、次々と回収業務をこなしていたレミーだが、仕事中の事故で、人工心臓を自身が埋め込まれるはめになってしまう。
そして、人工心臓を入れたことで心境変化が起きたレミーは、人工臓器回収のため、人を殺すことに躊躇を覚え、仕事が全く出来なくなってしまう。
そのため、レミーは、自身の人工心臓のローンの支払いが滞り、逆に仲間の回収屋から狙われるはめになる。
仕事の相棒が、レミーの人工心臓を回収するため襲ってくるが、なんとか逃げ切ることに成功する。
このままでは埒が明かないと考えたレミーは、人工臓器メーカーの本社に潜入し、自身のローン滞納記録を消すことにする。
見事、滞納記録を消すことに成功したレミーは、南の島へ移住し、のんびりと過ごすのであった。
しかし、実は、これは夢で、仕事の相棒に襲われたとき、レミーは、脳に重大な損傷を受けたため、人工脳を取り付けられ、レミーは、一生覚めない夢を見続けているのであった(完)。

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本映画、映像や話の設定から、なんとなく映画「ブレードランナー」に似ているなと思いました。
「ブレードランナー」は、逃げ出したアンドロイド達を狩るのを生業とする主人公の話ですし、本作も、人工臓器の代金の滞納者を殺す(正確には、人工臓器を回収する)のを生業とする主人公ということで、合法的に人間(アンドロイド)を殺すことで仕事が成り立っています。

ただし、「ブレードランナー」は、主人公は最初から最後までアンドロイドを狩る立場のままですが、本作品は、中盤以降、狩る側から狩られる立場に入れ替わってしまうと言う点で大きな違いがあります。

さて、映画の出だしは、主人公レミーが、ローン滞納者から人工臓器を回収するシーンから始まります。
麻酔銃のようなもので滞納者を気絶させた後、ナイフでさっくりお腹を切り、そこから手を突っ込んで人工臓器を回収するという、なかなかグロテスクなシーンです。
・・・人工臓器を回収されちゃった人はどうなるのかと思ったら、主人公レミーが、「滞納者は、最初の反応は様々だが、最後は床をのた打ち回って死ぬ点はみんな一緒だ」と、自身の仕事について、身もふたも無い解説をつけちゃっているとおり、たいていは死んじゃいます・・・。
うぉーい、なんてシビアな設定なんだ!!

情け容赦なく、滞納者から臓器を回収しまくる(要は、滞納者を殺しまくる)主人公レミーですが、ある日、仕事の最中、事故により大怪我を負ってしまいます。
そして、目を覚ますと病院のベッドの上に居て、人工心臓が入れられていたのでした・・・。

人工心臓のローン代金を稼ぐには、早く仕事に復帰して、バリバリと稼ぐしかないのですが、自分もローン滞納者と同じような立場になってしまったことから、今までのように、滞納者を殺すことに抵抗を感じ、仕事ができなくなっている自分に気づきます。

主人公レミーが、そういう心境に陥った理由は、理屈としては分からなくもないのですが、それまでの所業やレミーの性格を考えると、果たしてレミーが、そんな心境に陥るかなというのは、不自然な感じがしました。
本来なら、狩る立場にいた人間が、そのことに疑問を持ち、狩られる立場に陥るという悲劇みたいなものを感じる場面なのかもしれませんが、不自然さが目立って、ストーリー展開のための都合の良い設定にしか見えないのが、この映画の残念なところかもしれません。

仕事で稼ぐことができなくなったレミーは、人工心臓のローンが払えず、今度は、人工心臓を回収される側に陥ってしまいます。

人工臓器会社の手の届かない海外に逃亡を図ろうとしたり、ローン滞納情報を抹消しようとしたり、いろいろとあがくレミーですが、うまくいかず、ついには、人工臓器回収業の同僚でかつ、苦楽を共にした親友がレミーの人工心臓の回収にやってきます。

この展開も、色んな葛藤とか泣ける場面があったりしてもよさそうなのですが、いまいち、二人の関係性や心理描写が希薄なためか、全くと言ってよいほど感動ストーリーにならないのは、またまた残念なところ。

親友の襲撃からなんとか逃れたレミーは、ローン滞納データを含む全てを消滅させようと、本社に乗り込みます。
そして、派手なアクションシーンで、レミーは、ローン滞納データを管理する部屋の前を守る大勢の社員をなぎ倒して(というか、ぶっ殺して)いきます。
・・・ローン滞納者が殺せないのに、社員は皆殺しに出来ちゃうのか・・・さすがに、これは、レミーの性格、破綻しすぎだよなぁ(笑)。

データを管理する部屋に乗り込むことに成功するレミー。
その部屋にあるハンドスキャンタイプのバーコードリーダーを使って、人工臓器のバーコードを読み込ませれば、ローン滞納データを消すことができます。
ということで、自分の体をナイフで切って、その傷口から体内にバーコードリーダーを入れて、人工臓器のバーコードを読み込ませるという、ものすごぉぉく、痛いシーンがクライマックスとなります。

結構、この映画、痛いシーンが続くので、ホラー映画なんかよりも、ショッキングかもしれません。

これでハッピーエンドを迎えたかと思った矢先、思わぬどんでん返しが・・・。
実は、親友に襲われたとき、レミーは逃げ切ることが出来ず、脳に重大な損傷を負って倒されてしまっていたのでした。
親友は、レミーを殺すのを忍びなく思い、その親友がレミーの人工心臓と人工脳の代金を払って、助けたのでした。
そして、その後の出来事は、全て人工脳により見せられていた夢であって、この人工脳により、レミーは一生覚めることのない幸せな夢の中を彷徨うことになる・・・という結末。

設定とかは、非常に面白いのですが、どうも物足りない印象の映画です。
おそらくは、人工臓器を作って販売するという大企業が大きな力を持ち、その企業が、代金未払い者を合法的に殺すことが許されているという、非常に歪んだ社会構造になっているのですが、その歪みが映画の中で表現されていない点にあるからだと思います。

映画では、この歪みによる影響を受けるのは、人工臓器のローン滞納者と人工臓器の回収業者の2種類の人種だけ。
私企業が合法的に殺人を許される社会だったら、一般市民の生活などにも、色んな影響や社会的不正義などが発生していそうですが、映画では、まったく関係なく平穏に暮らしています。
この辺りが、非常に嘘っぽい感じに見えてしまい、「人工臓器の回収」という仕事が絵空事のようになってしまい、物足りなさを感じさせる要因かもしれません。

それに比べると、映画「ブレードランナー」は、狩られる側のアンドロイドの悲哀とか、「何のために生きるんだ」みたいなメッセージが心を揺さぶり、感動を覚えます。

本作、もうちょっと工夫すると、「ブレードランナー」のように、心に訴えかける作品になったのではないかと思え、とても残念でした。


【その他のレビューブログ】
リーマンショックの引き金になった、アメリカの住宅ローン問題などに対する社会批判の一面があるとの指摘をしている方もおりましたが、確かに、社会批評的な意味合いを込めた作品なのかもしれません。

映画ジャッジ!
http://www.cinemaonline.jp/review/raku/12442.html

超映画批評
http://movie.maeda-y.com/movie/01478.htm

俺のシネマ
http://www.oreno-cinema.com/lepo-men.html

しょんぼりしょぼしょぼしょぼくれ日記
http://yaplog.jp/futiguti/archive/167

佐藤秀の徒然幻視録
http://blog.livedoor.jp/y0780121/archives/50491432.html

アマゾン カスタマーレビュー
http://www.amazon.co.jp/product-reviews/B004TEZ652/ref=dp_top_cm_cr_acr_txt/375-6745382-2016216?ie=UTF8&showViewpoints=1

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[ 2013/06/06 22:32 ] 冒険 | TrackBack(0) | Comment(0)
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