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読書と映画

読んだ本、見た映画について感想を書いています。
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【洋画:ギャングもの】 ミラーズ・クロッシング

【評価】★★★☆☆

millers_crossing.jpg
1990年/アメリカ
監督:ジョエル・コーエン
主演:ガブリエル・バーン


今回は、1990年作とちょっと古めのギャング映画をレンタルしてみました。
銃撃戦バリバリのハードアクション系ではない、ドラマ性重視の作品のようです。

ストーリー】
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主人公トムは、町を牛耳るギャング・レオの右腕として、レオから信頼を置かれていた。
そんなある日、同じ町で台頭しつつあるギャング・キャスパーとレオの間で問題が持ち上がる。
トムは、キャスパーと争うことの不利を説いて、レオを止めるが、レオの情婦絡みのトラブルでもあることから、レオは、キャスパーとの戦争を決意する。
トムは、そこで、レオの情婦と自分が浮気をしていることを打ち明けてレオを止めようとするが、その事実にレオは激怒し、トムは組織を追い出されてしまう。
組織を追い出されたトムは、敵組織のキャスパーの元に身を投じる。
キャスパーは、トムの切れ者ぶりを評価し、トムに信頼を置き始める。
トムは、その信頼を逆手にとり、キャスパーの腹心を殺させ、最後は、キャスパーを罠にはめて殺すことに成功する。
レオは、自身のためにキャスパーを葬ってくれたトムに感謝し、トムとの和解を申し出るが、トムは、その申し出を断り町を出て行くのだった(完)

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本作、要約すると、切れ者の主人公が敵組織に偽って身を投じ、内部から敵組織を破壊してしまうというお話しです。
例えると、三国志の赤壁の戦い直前の有名の逸話『苦肉の策』のギャング版といったところでしょうか。

ただ、映画の中では、主人公の深慮遠謀が最後の最後でようやく分かる流れになっているため、映画の途中では、主人公の行動やら思考原理がさっぱり意味不明で、単なる行き当たりばったりな人なの?という印象が強く、『内部から敵組織を破壊する』という面白さがあまり出ていなかったような。

さらに言うと、主人公、切れ者設定なのですが、結構、読みが浅く、仕掛ける罠も微妙で、せいぜい、主人公、半手先くらいしか先読みしてないだろう!感が強いので、あまり切れ者っぽい感じがしませんでした。
どっちかっていうと、非力(しょっちゅう、殴られてます(笑))で、アル中気味かつギャンブル依存症で、女にも弱い・・・というダメンズ要素が際立つキャラだったような・・・(苦笑)。

映画の出だしは、主人公トムのボスで、町を牛耳るギャング・レオと、台頭著しいギャング・キャスパーとの間でトラブルが勃発するところから始まります。
レオの庇護下にあるチンピラが不正を行いキャスパーに損害を与えているので、キャスパーは、そのチンピラを引き渡せと要請しますが、そのチンピラ、レオの情婦の弟であるため、レオは要請を断ります。

主人公トムは、チンピラを引き渡さないとレオとキャスパーの間で戦争が勃発することを懸念し、チンピラを引き渡すようレオを説得しますが、聞き入れないレオ。
そこで、レオの情婦がそもそも信用ならない人間であると説明し、情婦の弟のチンピラをかばう意味が無いという論法で説得しようとします。

レオの情婦が信用ならないという証拠として、主人公トムは、「自分は、レオの情婦と浮気をしている」と打ち明けます。

切れ者の割には、芸が無いというか、捨て身な作戦を行うトム(笑)。
案の定、激怒したレオに殴られ、組織から追放された上、レオとキャスパーの間の戦争を止めるのにも失敗します。

主人公トムは、おそらくトムとレオとの間の信頼関係に賭けて、レオの情婦との浮気を打ち明けたのでしょうが、切れ者の割には、先が読めないんだなぁという印象を色濃くしてしまった感があります。

ただ、このエピソード、考えさせられる面があります。
もし、レオが組織のことを考えるなら、トムを殴って追放するのではなく、何らかのペナルティ(それは殴るということかもしれませんが)をトムに与えつつも、トムを許すというのがベターだったように思います。

最近、企業の中でも「リニエンシー制度」というものの導入が広がりつつあり、これは何かというと、不正行為を行っている人が、自主的にその行為を報告すれば、ペナルティーを減らす(本来、懲戒解雇になるところを、減給処分で済むといった感じ)という制度です。
これにより、企業内の不正行為を発見しやすくするというもので、元々は、独占禁止法で導入された「リニエンシー制度」が発祥のようです。

ただ、この制度、上手く機能するには信頼関係が必要です。
どういうことかというと、自首してみたものの、後々、不利な処遇を強いられる結果になったなど、寛大な処分というのは建前で、実際は、自首しても、発覚しても処遇は変わらない・・・というのが実態だったり、そのように思われてしまうと、この制度は上手く機能しないということです。

いわば、「リニエンシー制度」とは、温情とか情状酌量を制度化したものなわけです。(実際、「リニエンシー(leniency)」とは、寛大さとか情状酌量を意味しています)

映画の話に戻ると、主人公トムは、いわば「リニエンシー制度」が適用されるだけの信頼関係がトムとレオの間にあると信じて、不正(浮気ですが)を打ち明けたわけです。
しかし、その期待は裏切られて、トムは追放の憂き目に遭ってしまいます。

その後、レオは、組織の戦力であるトムを追放してしまったことや、キャスパーとの戦争において無茶をし過ぎた結果、周囲からの信頼を失い、組織が弱体化し、キャスパーに追い込まれる結果となります。
いわば、レオは、温情や情状酌量などを上手く使わなかった結果、自身の組織を損ねてしまったとも言えるわけです。

一方、組織を追放された主人公トムは、敵組織のキャスパー側に身を投じます。
トムの目的は、キャスパーの組織を内部から切り崩すことにありました(映画の最後の最後まで、そんな目的を持っていたとは、さっぱり分からないのですが・・)。

色々、紆余曲折はあるものの、主人公トムは、キャスパーの信頼を獲得し、キャスパーに、腹心のデインが裏切りをしていると信じ込ませ、殺させることに成功します。

ここでの展開では、キャスパーが、腹心デインと主人公トムが反目しあっていることを知りつつ、両者を信用ながら組織の中で使っていこうと苦心する姿も描かれます。
しかし、結局のところ、キャスパーは、主人公トムの言葉を信じ、長年の腹心であったデインを殺すという結末に至ります。
裏切り者は、主人公トムであって、腹心デインではなかったわけですから、キャスパーは選択を誤ったことになります。

キャスパーも、長年築いてきた腹心デインとの信頼関係を軽視するという、まさに、レオがトムとの信頼関係を簡単に放棄してしまったのと同種のミスをしたこととなります。

その点で、レオもキャスパーも、信頼関係を軽視することで失敗を犯してしまうリーダー像の一例と言えそうです。

そして、映画の最後では、和解を申し出るレオに対して、敢然と拒否をして立ち去っていく主人公トムの姿で幕を閉じますが、このトムの拒絶は、色々な解釈ができそうですが、キャスパーやレオといったリーダー像への否定を表現していると考えると、面白いなと思いました。


【その他のレビューブログ】
高い評価の一方、主人公が何を考えているかよくわからんとの指摘も。
私にも、ちょっと主人公は謎過ぎる人物でした・・・。

Kiki's random thoughts (kiki的徒然草)
http://kikisrandomthoughs.blog63.fc2.com/blog-entry-171.html

くうたれ音楽勘
http://kuutare.no-blog.jp/blog/2012/11/post_9f47.html

あつをの★感動の映画に出会いたくて★
http://academyawards.seesaa.net/article/252464988.html

ecoffin cafe
http://www.ecoffin.jp/ecoffincafe/2008/07/post-11.php

読書映画日記
http://blog.livedoor.jp/kani16/archives/51915562.html

アマゾン カスタマーレビュー
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