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読書と映画

読んだ本、見た映画について感想を書いています。
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【書籍:自叙伝】 戦場へ行こう!!

【評価】★★★☆☆

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著者:雨宮処凛
出版:講談社



【北朝鮮を訪ねる理由】

悪の枢軸の2カ国-北朝鮮、イラクの訪問記を書いた著者の作品ということで、どこか海外の紛争地訪問記かと思い、手に取りましたが、内容は予想とは異なり、「なぜ、北朝鮮に行くのか」という著者の心の葛藤が描かれています。

自殺未遂、今の日本での居場所がないという居心地の悪さ、明確な敵と戦いたいというもやもやや屈折感をどうするのか・・・、そういったもろもろのことを何とかするため、生きていると実感ができるのではないかと、危険地帯や紛争地に自ら足を踏み入れている、そんな重いが綴られています。


【社会からの承認欲求】

著者は右翼団体に関わり、「愛国バンド」を率いて、反米や愛国主義を主張する歌を歌っているという経歴から、右翼的な思想から活動していたのだと思っていただけに、行動の背景にあるものが、社会との折り合いの悪さ、社会からの承認欲求的なものだたというのは、意外な衝撃でした。

確かに、紛争状態のイラクを訪ねて、そこでテロリストに捕まって処刑された若者が、ニュースを賑わせたなんてこともありますが、今思えば、この人も、雨宮さんと似たような思いでイラクに行ったのかもしれないと思います。

こういった気持ちが私に分かるかというと、「分かる、分かる」とは言えないかもしれませんが、若い頃、面白いことや危険なことの中に生きがいを求めて自衛隊に入ろうとした経験があるので(試験は受かってあと一歩というところで、親族に大反対され断念したのですが)、こういう気持ちはちょっとばかりは分かります。
こういった思い出は、時折、妻から、「昔、自衛隊に入ろうとしたんだよね-。」とニヤニヤしながら言われることがあり、苦笑いで返すことしかできない今の自分がいるわけです。



【小人閑居して不善をなす】

著者にとって北朝鮮やイラクに行くことは、反戦とか世界平和、社会的意義ということではなく、自分が燃えるかどうかという価値基準に基づいているだけと書いています。
香港のデモに参加している人も、みんながみんな民主化という理念で参加しているわけではなく、社会的な閉塞感やうっぷんを発散したいとかそういう人も多いのかもしれません。

紛争地や貧困・飢餓に見舞われている国に生きる人々はどうやって生き延びるかに精一杯で、社会的承認欲求とかを考えたり悩んだりする余裕はないわけです。

「小人閑居して不善をなす」なんていう言葉がありますが、どうも余裕ができると、不善ではないですが、思い悩んでしまうのが人間なのでしょう。
だからと言って、余裕がない社会が良いかというとそういうわけではなく、閑居した時も、「社会から疎外されている」と感じることのない仕組みが必要な気がします。

その点から考えると、昨今のSNSというシステムは、その解決に大いに近づけるものであり、SNSは、単なるIT技術ではなく、社会思想に近いシステムなのかも。




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【『戦場へ行こう!!』より】
そして一番恐ろしかったのは、敵と味方しかこの世に存在しない、北朝鮮を批判する者は今までどんな経緯があろうとも敵、という北朝鮮の考え方である。

(書き出し)
世界と思いきりセックスしたい。

(結び)
それが「今、ここ」という「戦場」だったら、こんなに嬉しいことはない。
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[ 2019/11/18 00:00 ] その他ルポ | TrackBack(0) | Comment(0)
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