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読書と映画

読んだ本、見た映画について感想を書いています。
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【書籍:書評】 辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦

【評価】★★★☆☆

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著者:高野秀行、清水克行
出版:集英社



【異業種交流】

辺境ノンフィクション作家の高野秀行氏と、中世日本史学者の清水克行氏による書評対談。
それぞれ違った分野で活躍されているので、その異業種交流ぶりを楽しむ対談とも言えましょうか。

ただし、異業種交流と言っても、高野氏も多くの辺境を訪れる中で、人類学的な知識や知見を身に付けているので、人類史的な共通項でくくられる内容の本が多かった印象です。



【文明を捨てた人々】

最初にテーマとなった、「ゾミア」という本は、東南アジア一帯に住む未文化圏(?)の人々は、現代文明から取り残された人々ではなく、かつて、権力や支配から逃れるため、敢えて文化を捨てた人たちである、といった学説が書かれた本ということで、権力の支配から逃れる知恵について語る二人の話はとても興味深いところでした。

例え話で、小学校の学級委員を決めるのに、子供たちがその役割を押し付け合うのは、本能的に学校や教員といった権力、支配を嫌っての行為であるなんていうのは、面白い説(?)でしたし、「結局、学級委員がいて一番便利なのは子供たちではなく、学校の先生なんですよね」というのは、その通りだし、思わず笑ってしまう説明でした。



【スケールの違い】

この後、イスラム世界を30年かけて旅行した記録である「大旅行記」を取り上げた後、平将門について記した「将門記」が取り上げられるのですが、高野さんが、「『大旅行記』を読んだ後、日本の『将門記』を読むと、あまりのスケールの小ささに焦点を当てるのに苦労しましたよ。映画「ミクロの大決死圏」の世界に入り込んだ気分でした」なんてコメントしていて、世界の辺境をまたにかけている高野さんらしいなぁ、なんて思いました。

どうも、日本人は島国だから、せせこましいのかもしれません。

「ゾミア」に絡んで、文明から逃れるために辺境の地に逃避するといった話においても、日本の場合、山岳は多くても、奥行きがないため、権力から逃れて避難するような場所はほとんどない、なんていう話もでてきて、日本は国土が狭いということなんだと、実感をする話でした。

本書で紹介された本の大半は、まじめで学術的なので、なかなかとっつきにくい感じもありますが、何かの機会で読んでみようかなぁ(本当に読むのか!?)




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【『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』より】
強大な権力の支配から逃れるために、あえて「窓口」をつくらない、というのは支配される側の一種の知恵ですね。

(書き出し)
なんだか、ゼミの発表会に来たみたいですよ。

(結び)
僕も何か見つけたら報告します。
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