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読書と映画

読んだ本、見た映画について感想を書いています。
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【書籍:旅行記】 行かずに死ねるか! 世界9万5000Km自転車ひとり旅

【評価】★★★★★

not go to not die 
著者:石田ゆうすけ
出版:幻冬舎文庫



【思い切りの良さ】

7年以上かけて、自転車で世界中を渡り歩いた(走った)旅行記。
20代半ばで、自転車で世界一周をしたいという夢を実現するため、会社を辞めて、世界一周に旅立つ著者の思い切りの良さに感服するとともに、7年以上かけて、目的を果たした、その継続力にも驚いたのでした。

20代半ばというと、自分の将来がどんなになるだろうという漠然とした不安や、仕事に慣れ始めて、社会人としてどうしていくか、なんて悩みがありそうな時期ですが、その時期を思い切って仕事を辞める胆力はただものではない、そう感じました。



【ダントツの文章力のうまさ】

色々な人の旅行記を読んで感じたのは、後書きで椎名誠氏も書いていましたが、抜群に文章力が上手いという点。
実は、旅の中の出来事としては、些細なことに思えることでも、観察力と著者の独自の内省的思考が、表現豊かに、時にはユーモアを交えて描かれ、印象的なエピソードとなっています。

7年以上も旅を続けると、旅自体が日常になり、旅を始めたころの新鮮さも薄れてしまうのではとも思いますが、本作では、そういった色あせたところはなく、最初から最後まで魅力的な旅行が描かれています。



【ドラマッチクな展開】

旅が日常になると言っても、7年も自転車で各国を渡り歩くという、普通ではない生活であるため、色々な出来事に出会います。
南米では、強盗に襲われ、身ぐるみはがされ全財産を失い、あわや命を失いかねない危機にも見舞われます。
そんなエピソードでさえ、ちょっとしたユーモアが漂うのは、著者の文筆力と人間性のなせる業と言えそうです。

また、自転車での旅では、同じように自転車で旅行するチャリダー仲間と、ある場所で一緒になり、分かれた後、全く違う場所で一緒になるという、この広い世界で、そんな偶然があるのかと思える、出会いと別れ、そして再会が何度も繰り返されるのには驚きでした。

後書きで、椎名誠氏が、自転車の旅が、ある程度ルートが決まっていて、先に行くか後になるかという違いになることが多い点と、インターネットの普及で、メールなどでやり取りができるようになった環境が、小説としか思えないような出会いや再会があるのだろうと書いていましたが、ドラマチックな出会いも、ある種の必然ということなのかもしれません。



【旅を終えた後は・・・・】

自転車世界一周を終えた後、著者は、フリーライターとして活躍を始めたそうです。
確かに、これだけの経験をした後、一介のサラリーマンに戻ろうなんて、なかなか思わないだろうなぁ。
それに、この経験だけで、何冊も本が書けそうですし、文章力のうまさもライター向きで、色々なことに飛び込む度胸も、ルポライター系のライターに向いているだろうなぁと思いました。

著者の別の本があれば、ぜひ、読んでみたいと思います。




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【『行かずに死ねるか!』より】
自分が未体験ならば、そこは紛れもなく"フロンティア"である。実際そこに行って己の目で見ない限り、それは自分にとって永遠に"未知"なのだ。

(書き出し)
空港の外に出た瞬間、エッ?と声を上げそうになった。

(結び)
それらのシーンは、いつだってぼくを奮い立たせてくれている。
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【その他のレビューブログ】
「景観の感想やそれらを通しての価値観の成長などを読んでいると、影響を受けやすいわたしは「ああ、自転車で遠出したいなぁ…」なんて気分にw」という感想がありましたが、確かに、本書、著者の成長物語としても捉えることができるかも。
7年半も時間が経つのだから、成長はするのは当たり前かもしれませんが・・・。

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[ 2018/09/11 00:00 ] その他ルポ | TrackBack(0) | Comment(0)
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