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読書と映画

読んだ本、見た映画について感想を書いています。
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【書籍:自伝】 ダライ・ラマ自伝

【評価】★★★☆☆

darairama.jpg
著者:ダライ・ラマ
出版:文藝春秋



【ダライ・ラマとは】

ダライ・ラマというと、チベット仏教の最高指導者で、ダライ・ラマが亡くなると、転生した幼子を探しだし、次のダライ・ラマに任命される、そして現在は、チベットの中国からの独立のため、国外で亡命政権を樹立していて、それらの活動が評価されノーベル平和賞をもらった、というくらいの知識しかありません。
ちなみに、この間、亡くなったんだっけ、なんて思って、ネットで検索したら、健在でした(汗)。

自分に関わりが少ないと、どうしても生きてるか亡くなってるかすら定かではなくなってしまうわけで、たまに、こうやって本を読むと興味がわいて、少しは調べてみようという気にもなるので、本を読むことに一定の意味があるなぁと思います(弁明)。



【驚くべき政治指導者の選出方法】

ダライ・ラマは、亡くなったダライ・ラマが転生した人(と認定された人)がその地位に就くという話は聞いていましたが、本書を読むと、ダライ・ラマだけでなく、その他の高僧の転生者も何人も認定されて、チベット仏教における高い地位に就いているという話も本書には出てきます。
チベット仏教では、転生という仕組み(?)が浸透していて、転生者を探す方法などもしっかり決められていて、なんだか、すごいなぁと思います。

何せ、転生した人が、チベット仏教の高い地位に就き、更には、チベットの政治指導者の立場にも就くわけなので、政治指導者を選ぶ方法が、世襲でも投票でもない、まったく予想だにしない第三の方法(?)があるのだなぁということに、驚きを感じたのでした。



【対中国に対する姿勢】

ダライ・ラマと言えば、チベット独立運動であるわけですが、戦後、中国がチベットを占領した経緯、ダライ・ラマがインドに亡命して亡命政権を樹立した流れなども理解することができます。

ちょっと意外だったのは、ダライ・ラマが、中国に対して妥協的な姿勢に感じられる点。
独立を目指すというよりは、チベットに対する中国の支配をまっとうなものにしたいという意志の方が強く、中国支配は容認しているのかなぁとも思われます。

中国の指導者、毛沢東などに対する評価もかなり好意的で、政治的手腕や人間性などを高く買っている記述もちらほらあり、かなり不思議な印象を持ちました。

本書に書かれている中国によるチベット占領は、完全に独立国を中国が占領してしまったもので、チベットが独立を主張する正統性はもっともに思われますが、ダライ・ラマは、その点は、さほど拘泥せず、戦争や争い回避の中で、チベット民族が安定して生活できれば良いという考え方が強いように思いました。

この点は、仏教徒としての思想が非常に色濃いため、声高に独立を主張して争いを引き起こすことを避けたいという思いがあるのかもしれません。独立という点から考えると、ちょっと妥協的過ぎるのかなぁと感じる点で、チベット国内の独立派とは相容れない部分が多いような感じもします。

中国は、香港の問題で揺れていますが、ダライ・ラマの中国容認の考えがチベット独立派に受け入れられていなければ、その火はチベットにも飛び火するやもしれません。



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【『ダライ・ラマ自伝』より】
寛容を学ぶことのほうが、石を拾い、怒りの対象にぶっつけるよりはるかに有益である。

(書き出し)
1959年3月31日、チベットを脱出して以来今日まで、わたしはインドに亡命している。

(結び)
せかいが苦しみに耐え
生類が苦しみつづけているかぎり
この世の苦痛を取り除くために
願わくはわたしもまたそれまで
共にとどまらんことを
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[ 2019/12/02 00:00 ] その他ルポ | TrackBack(0) | Comment(0)
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