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読書と映画

読んだ本、見た映画について感想を書いています。
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【書籍:ルポ】 極夜行

【評価】★★★★☆

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著者:角幡唯介
出版:文藝春秋



【極夜の探検】

冒険家兼作家の著者による南極探検行を描いた作品。
南極の実体験ノンフィクションは、それこそ、南極越冬隊のルポから、古今東西、南極の極点を目指した人の探検記など、かなりの数の本がありますが、本書は、南極の極夜―日が一日中登らない闇夜の期間-を探検した記録。

北極や南極は、白夜などがあるという話は聞きますが、南極は、一年間の半分が白夜(日が沈まない日)で、残り半分が極夜であるというのは驚きでした。そして、行動が非常に困難な極夜の期間に焦点を絞っての探検というのは、非常に面白い切り口の探検です。



【予想外の展開】

犬を一匹連れ、橇での極夜の南極を踏破するというスケジュール。
しかし、南極探検は、大変です。
単純に、橇に食料を積んで進めば良いわけではなく、事前に、いくつかのポイントに食料を貯蔵しておき、それらの食料も使いながら、探検を進めていく必要があります。

ある種、計画性が求められるわけですが、食料を事前に貯蔵しておいた場所にたどり着いてみたら、シロクマにすべて食い荒らされて、予想もしない苦境に立たされるなど、ノンフィクションならではの筋書きのないドラマの数々。

・・・予定していた食料がないという状況は、死に直結する深刻な事態なので、「筋書きのないドラマ」なんて気楽なことを言っていられるものではありませんが、一応、著者が生きて帰ってきたことは分かっているので、その気安さもあって、逆に、そういった苦境の連続が本書を非常に面白いものにしているのでした。



【実体験ならではの生々しさ】

極夜で思い通りにいかない狩りの様子や、思わぬブリザードに襲われ、身動きが取れなくなる事態になるなど、ピンチの連続で、ついには連れている犬を食料とするために、殺すかどうか・・・なんていうところまで追い込まれ、ノンフィクションならではの面白さに満ちています。

著者の本は、色々と読んでいますが、年を取るにつれ、ちょっと理屈っぽくなっているところが難と言えば難で、極夜行を出産に例えるストーリー立ては、どことなくひねり過ぎで、作品を作りこんでしまい、ノンフィクションの生々しさを損なってしまっている印象がありますが、そういった欠点を差し引いても、実体験に基づく生々しさが、著者の作品の売りだなぁと思いながら読みました。

なにせ、連れている犬に、自分の人糞を食べさせるなんていう話、他の南極探検の本でも書いているのは目にしたことがないぞ(笑)。
しかし、犬が人糞が大好物というのは、非常にびっくりしました。もしかしたら、本書で一番びっくりしたかも(笑)。




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【『極夜行』より】
さすがに外部からの来訪者である私にも、闇の力が徐々に影響力をつよめ、その支配領域をひろげていく様子が肌で感じられた。

(書き出し)
「うぎゃあ! 痛い! もう、いやだっ!」

(結び)
極夜は完全に明けた。村はこれからみるみる明るくなっていく。そしてわずか二ヵ月後には、太陽が沈まない白夜の季節が始まる。
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[ 2019/08/22 00:00 ] その他ルポ | TrackBack(0) | Comment(0)

【書籍:企業小説】 頭取の首

【評価】★★☆☆☆

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著者:山田智彦
出版:文藝春秋



【40年に及ぶ銀行内の権力闘争】

主人公・前原を軸とした40年に及ぶ銀行内部の権力闘争を描いた大河長編作品。
大河長編と書くと聞こえがいいのですが、40年の歳月が、無駄に長いだけの気がする(笑)。
40年の歳月というのは、主人公・前原が支店長になってから、役員、頭取と出世の階段を駆け上がり、代表権を持った会長に君臨して、最後は銀行の不祥事の責任を負って辞任するという、大変長々とした時間が描かれています。



【気長な復讐劇】

冒頭に、前原のパワハラにより自殺に追い込まれる部下の話が出てきて、その子供が終盤、前原への復讐劇を果たすというストーリーがあるわけですが、40年後に復讐を果たすって、だいぶ気が長いです。
戦後、身分を隠して生きながらえているナチス党員を狩る、ナチスハンターばりに気が長いように思えます。

前原が栄耀栄華を極めた末に復讐を果たしても、十分、人生を楽しんじゃった後の話だから、復讐の効果が薄いんじゃないかなぁと思ったりもして・・・。



【意外と無駄なエピソードが多い?】

本作、40年にわたる時間軸で描かれているので、やたら長い伏線がある一方(前述の復讐劇なんかがそれ)、伏線がある重要な話なのかと思いきや、全くストーリーとは絡まない、よく分からないエピソードや人物も大量にあって、このあたり、整理するか生かされると、もうちょっと読み応えあるかな、などと思いました。

前原と、その上役にあたる海老原という人物が権力闘争を行うわけですが、海老原が、「前原も目が曇ったな。あの銀行合併話は、わしが持ちかけたのじゃ。見た目はうまそうな話だが、内情は非常に難しく、失敗すれば前原の経歴に傷が付き、引きずり下ろすことができる、うしし・・・」みたいなことを言いつつ、話の流れで、銀行合併のエピソードが出てくるのですが、あっさり、合併話に成功して、前原の経歴には何の影響も与えず・・・なんて感じで、そこは、もうちょっと絡ませようよと思ったりもするわけで。

その他、銀座のママさんが重要な役割を担うのかと思いきや、結局、全く存在意義がないキャラクターだったり、余計な人物が多い気がします。「三国志」的な、いろんなキャラクターが出てくる小説だと割り切れば、良いのかもしれません。

そして、もう一つ思ったのが、客の情事をテープに録音する趣味の料亭の女将とか、女性を睡眠薬で眠らせて、その間に内ももに入れ墨を入れる男とか、どことなく、変態チックな人物が多いのも、びっくりでした(笑)。



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【『頭取の首』より】
継続は人をマンネリ化し、変化は人の気持を鼓舞する。

(書き出し)
東京の数ある盛り場、例えば新宿、渋谷、池袋、上野、浅草、それに赤坂、青山、六本木、そして原宿等々にも、時代の流れと共にかなりあからさまな流行り廃りが見られる。

(結び)
近くの妙本寺の境内まで足を伸ばし、清浄な空気を胸いっぱい吸い込んでから、今夕の散歩を終えることにした。
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【邦画:コメディ】 裁判長!ここは懲役4年でどうですか(映画)

【評価】★★★★☆

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2010年/日本
監督:豊島圭介
主演:設楽統

北尾トロ氏の裁判傍聴エッセイの映画化。この本も以前読んだことがあるので、読了本映画化作品の観賞シリーズということでレンタル。

【ストーリー】
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裁判物の脚本を書くことになった主人公は、ネタ集めに裁判所通いを行う。そこで、裁判傍聴マニアの人々と知り合いになり、無罪を訴える青年の裁判について教えてもらう。
興味を持った主人公は、傍聴マニアの人々と共に、無罪を訴える青年や支援団を陰ながらこっそりと支援を行う。
主人公たちの支援によって裁判が注目されるようになり、無罪を勝ち取る可能性に自身を持つ主人公だが、裁判が開かれると青年は無罪の主張を翻し、あっさり罪を認め、裁判は終わってしまうのだった。
がっかりする主人公だったが、傍聴マニアの人々は、単に、逆転無罪裁判を見たいが故に、この裁判を手助けしていたことをしって、さらに愕然とするのだった(完)。
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【意外にもよくできた作品】

エッセイ的な作品も、映画化されているものが多いものの、この作品は難しいのではと思ったのですが、観てみたら意外にも(と言っては失礼か)面白く、できの良い作品でした。

無罪を主張する青年の裁判を軸に、傍聴マニアの面々と、裁判傍聴のあれやこれやを織り込んだコメディーテイストの作品。

原作の裁判傍聴の面白さがうまく表現されつつ、無罪裁判という軸があって話が拡散せずうまくまとまった印象でした。



【裁判傍聴のリアル】

裁判官や検事も人間なので個性が色々あり、その個性を突いて裁判の展開を有利に運ぼうとしたり、個性によって裁判の雰囲気も大きく変わるといった点も、コメディチックながら妙にリアルな感じでした。

後半は、無罪判決を勝ち取るため、主人公たちが、傍聴マニアならではの手助けを行うという展開になり、人それぞれ、立場でやれることも違うし、自分の立場で行うことが大事だなぁと思いながら観ていました。

ラスト、期待の裁判が開かれたところ、支援していた青年があっさり罪を認めてしまい、みんな拍子抜けするという、コメディならではの終わり方でしたが、変に重い話にならなくて、本作品ならではのエンディングという感じもします。

傍聴マニアの人たちが、「所詮、他人の人生ですから。だから、面白いんですよ」といった台詞も、さもありなんというところか。
その気軽さがあるからこそ、手助けもできるし、興味を持って観ることもできるのかもしれません。

原作の軽い感じでありながら、人それぞれの悲喜こもごもを描くといったあたりを、映像化により、上手に表現されていたかなぁと感じました。


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【洋画:ファンタジー】 コナン・ザ・バーバリアン

【評価】★★★★☆

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2012 年/アメリカ
監督:マーカス・ニスペル
主演:ジェイソン・モモア

ソードアクション風な映画があるとつい観てしまいがちなところが、妻をして「厨二病」と言わしめるゆえんかもしれません。その血が騒いで、思わず借りてしまいました。

【ストーリー】
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強力な魔力を持つ仮面がこの世界には存在していたが、その力を恐れた各部族は、仮面を破壊し、それぞれの破片を隠し持つことにしたのだった。
仮面を破壊してから何百年の時が流れたが、その仮面を手中に収めようとする男が現れる。
その男は、次々と各部族を制圧し、仮面の破片を手に入れるのだった。
コナンの部族も、その男の軍隊に襲われ、一族は滅亡、子供だったコナンは流浪の日々を送る。
そして、20年後、青年となったコナンは、父の敵でもあるその男を倒すため、その男が住む闇の森に足を踏み入れる。で、意外と、あっさり男を倒し、復讐を果たすのだった(完)。
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【ストーリーは、・・・あまりない】

ストーリーは、しごく単純で、父親を殺され一族を皆殺しにされた戦士コナンが、父親を殺した男を倒すべく、復讐の戦いを行う、というもの。
簡単なストーリーを前述で書こうとしましたが、意外と内容がなかったなぁということに、書いている途中で気づきました(笑)。

だけど、単純明快で面白かったです。



【魔法の仮面を手に入れる目的が・・・】

主人公の仇となる男は、強大な魔力を秘めた仮面を手に入れるべく、次々と戦争を仕掛けていくのですが、仮面を手に入れる目的が、「死んだ妻を蘇らせるため」。
なかなか凶悪な顔(失礼!)の割に、目的が純情で、ちょっと笑ってしまいました。

一応、死んだ妻は魔女で、彼女を蘇らせれば、その魔力を使って世界を支配できると男は妄想している訳ですが、客観的に観ると、ちょっと難しいのではと思います。
そもそも、妻は、戦いに敗れて火あぶりに処せられていますから、死ぬ前の時から、超強力な魔女という感じでもなかったしなぁ・・・と、いろいろ突っ込みどころありありの設定ですが、主人公と敵役だけに焦点を絞ってみると、単純明快でわかりやすくて良かったです。



【二人とも意外ともろいのが新鮮】

主人公のコナンは、子供の頃から敵を一人で10人くらいをまとめ撃ちするくらい強いのですが、本番の敵役との戦いでは、思ったより強さを発揮しなかったり、一方、敵役の方も、強いように見えて、案外あっさりと負けてしまったりと、両者とも、意外なもろさがあるのも、新鮮というかリアルというか。

どっちかが、チートレベルに強すぎないというのも、割とバランスのとれた設定だったかなぁと言う気がします。

何度も繰り返して恐縮ですが、あまり考えなくても観てられるストーリーが魅力の作品でした(一応、褒めているつもり)。

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【書籍:将棋】 適応力

【評価】★★☆☆☆

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著者:羽生善治
出版:扶桑社文庫



【きれいな上澄みの世界】

将棋の棋士、羽生さんの書いた本と言うことで手にしてみましたが、他の棋士が書いた本に比べると、非常にあっさりした内容。
著者名を伏せると、誰が書いたか分からないんじゃないかなぁ・・・。

他の棋士が書いた本だと、アクが強くて、金、酒、博打でむちゃくちゃな人生を歩んだ経験と将棋との関わりだったり、将棋の勝負の世界で、敗者と勝者の明暗がはっきりするエピソードが出てきたりと、人間のどろどろした世界も含めた内容が多い気がしますが、本書は、そういう話は一切なし。

本書は、すごくきれいな世界から、その上澄みを語られた本といった内容でした。



【将棋の流行り、廃り】

棋士が書いた本にしては、あまり将棋のエピソードが出てこないのが意外でしたが、その中でいくつか出てくるエピソードとして面白いと思ったのが、将棋の戦術の流行、廃りに関するもの。
江戸時代の戦術から現在の流れまで言及していたりして、将棋に関する思想-美しい棋譜をつくる、なんていうことが、戦術に影響していたり、一昔前は王道と思われていた戦術が、現在はむしろ逆手にとられて不利になるなど、常識が常識でなくなる不安定さ、不思議さがあります。

また、将棋の定跡に似たものがチェスにもあったり、その定跡をひっくり返す戦術が、同じようにチェスの世界でも起こったりと、将棋とチェス、違うゲームであっても、同じような事象が起こるというのも、興味深いところがありました。

こういう戦術の興廃についていけるかは、本書のタイトル「適応力」の必要性があると言うことかもしれません。

全体的にきれいすぎる内容で、やはり、破天荒な棋士が書いた方が、おもしろくなるのかなぁ、などと思いながら読了しました。



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【『適応力』より】
将棋の世界でもチャンスに強い人は若い人たちで、ピンチに強いのはベテランの人たちという傾向があります。

(書き出し)
たくさんの時間と労力を費やして築き上げた経験を、今後にどのように活かしたらよいでしょうか。

(結び)
そんなしっかりとした核を持てたらと思っています。
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【書籍:歴史】 瀬島龍三 -参謀の昭和史

【評価】★★★★☆

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著者:保阪正康
出版:文藝春秋


【小説「不毛地帯」のモデル】

山崎豊子氏の小説「不毛地帯」の読後、いくつか(と言ってもこれが2冊目ですが)、「不毛地帯」の主人公のモデルとなったと言われる瀬島龍三氏について書いた本を読みましたが、本書が一番(2冊しか読んでなくて一番って、どうかと思いますが)面白かったです。

太平洋戦争時、陸軍の参謀を務め、数々の作戦に関与し、その後、11年間のシベリア抑留生活を経て日本に帰国、伊藤忠商事に入り、あっという間に会長にまで上り詰め、その後、中曽根内閣の元で、政府の行財政改革に裏表で大きな役割を果たしたという人物。

本書は、瀬島龍三氏に対して批判的なスタンスで書かれた本ですが、小説「不毛地帯」とも照らし合わせながら読むと、小説の軌跡とも合致する点も多く、小説の裏話的作品(そういう意味合いの本ではないのですが)としても楽しめます。



【戦後の昭和史】

本書は、戦後、公的な立場で大きな役割を果たした瀬島龍三氏が、自身に戦中・戦後の体験を明らかにせず、歴史を振り返り反省するという姿勢を全く見せないという点に対し、強い批判を行っています。

「歴史は勝者が作るのではなく、記録を多く残した者が作る」というのが真相ではないかなぁと私は思っているのですが、その点から言うと、瀬島龍三氏が、自身の体験を明らかにせず、不確かなことを述べてしまう(というのは本書の主張するところなので、本当にそうなのかは知りませんが)という点については、例え、自身に不都合な情報であろうと、歴史を作るとか関与する折角の機会を放棄してしまうことになり、もったいないとも思います。

そういう状況下で、本書は、瀬島龍三氏への取材はもちろん、周辺の関係者への取材も通じながら、瀬島龍三氏の半生を明らかにすることで、瀬島龍三氏を通じた戦後の昭和史が明らかにされています。

戦後、政治も行政も民主主義というシステムが未熟で、それこそ、戦闘機調達においては、裏側で激しくダーティーな工作が応酬されたり(このあたり、小説「不毛地帯」を読むのが一番わかりやすい気がします)、防衛庁の機密情報が簡単に外部に流出したりと、現在の状況と比べると、政治・行政のシステムが非常に脆弱で成長(?)の過渡期だったんだなぁということがよくわかります。



【台湾沖航空戦】

本書で、個人的に面白かったのは、敗戦濃色の時期に起きた「台湾沖航空戦」を巡る話。
「大本営発表」という言葉は、誇大な成果を発表することで、真実とは全く逆のことを宣伝することの例えとしてよく使われますが、「台湾沖航空戦」においても、「大本営発表」がなされます。

てっきり、国民の戦意喪失を避けるため、「台湾沖航空戦」においても、誇大な戦果が発表されたのかと思ったのですが、そうではなく、現場の戦果確認の不正確さにより、大本営事態が、台湾沖航空戦は、真珠湾攻撃以上の大戦果を得たと誤信してしまったとのこと。

この誤った戦果に基づいて、作戦が変更されたため、日本軍は思わぬ深手を負うことになるという、なかなか笑えない話につながっていきます。

「台湾沖航空戦」の戦果について疑念を抱いた人物もおり、現地から、戦果は誇大報告の可能性大といった電報が打たれますが、瀬島龍三氏が電報を握りつぶしてしまったといった話に触れられています。

電報握りつぶし事件について、本書では強く批判がされていますが、大戦果に沸き返っている大本営の中で、「戦果は誤報」なる電報が一本投げ込まれたところで、何ら変わらなかったのではないかという気もします。
むしろ、電報握りつぶしは、一方に傾くと軌道修正が効かない組織の実態こそを表しているようにも思われました。

台湾沖航空戦のエピソードは、これまで色々と太平洋戦争にまつわる本を読んできた中で初めて聞いた話で(もしかしたら、読んだ本の中にはそういったことが書かれていたのかもしれませんが、記憶には残っていなかった)、むしろ、瀬島龍三氏のエピソードを通じて、「信じたいことを信じてしまう」組織の弱さというのが、むしろ印象的で、非常に貴重な話でした。



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【『瀬島龍三』より】
太平洋戦争は佐官クラスによって引き起こされ、彼らによって負けた、といわれるのはこうした専権的態度をあらわしている。

(書き出し)
昭和史を巨視的に眺めた場合、昭和56年の春から58年春にかけての二年間は、あるひとつの政治機関が威をふるったきわめて特異な時代ということができるのではなかろうか。

(結び)
その昭和史をいつまでも語らないのはなぜだろう、と、私は瀬島の柔和に見える顔を凝視しながら考えつづけていた。
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[ 2019/08/14 00:39 ] 歴史 | TrackBack(0) | Comment(0)

【洋画:ホラー】 プリースト

【評価】★★★☆☆

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2011年/アメリカ
監督:スコット・スチュワート
主演:ポール・ベタニー

ヴァンパイアと人間の戦いを描いた作品。妻に、「また、厨二病だ」と言われるのを覚悟でのレンタルです(笑)。

【ストーリー】
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ヴァンパイアと人間が殺し合いを続ける世界。
長い戦いの歴史の中、人間は、プリーストと呼ばれる強力な戦士を生み出し、ヴァンパイアを圧倒。敗北したヴァンパイアは、いくつかの居留区に閉じ込められるが、長い戦いによる大地の荒廃で、人間も壁に囲まれた都市へと引きこもり、貧しい人々のみが荒廃した土地に残って生活する姿となってしまった。
そのような中、荒廃した大地に住む人々がヴァンパイアに襲撃される事件が発生。
プリーストである主人公は、さらわれた人を救うため、襲撃を行ったヴァンパイアの追跡を開始する。追跡の過程で、居留区を脱出したヴァンパイアが一大勢力を築いていることが判明、更には、元プリーストが強力なヴァンパイアに変化し裏で糸を引いていることも判明する。死闘の末、元プリーストを倒すことには成功するが、ヴァンパイアの女王は取り逃がしてしまい、ヴァンパイアと人間の戦争の幕開けが予感されるのだった(完)。
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【技術力軽視の設定なのか】

映像が「ブレードランナー」っぽい近未来感があって結構良かったです。

ヴァンパイアと人間の戦いを描く作品ですが、ヴァンパイア、プリースト、人間の技術力(武器)の力関係が適当で、強さ関係は、プリースト>ヴァンパイア>武装した人間という、目覚ましい武器・技術力も、鍛え抜かれた人間(=プリースト)やヴァンパイアには敵わないという、なんだかドラゴンボール的世界観が、どうも納得いかないなぁなんて思ってしまいます。

人間がどんなに技術力を高めても、技術力を持たないヴァンパイアには勝てないって、一体どういうことなのかと・・、技術力を信奉する現代人としては大いに納得いかない話なのであります(笑)。



【人間+ヴァンパイア】

映画では、いったん、人間に屈服したヴァンパイアが、密かに勢力を蓄積し反旗を翻し、その勢力に主人公が戦いを挑むという設定。

ヴァンパイアが、エイリアンを劣化させたような獣チックな姿で、ちょっと残念ではあります。単に凶暴な獣といった風情で、人間の脅威となる存在としては、ちと物足りないかなぁ。

他方で、今回の映画の黒幕となったのは、主人公の元同僚で、主人公のミス(?)でヴァンパイアの巣の中に落っこちて餌食となって死んでしまったと思われていた元プリースト。
ヴァンパイアの餌食となったのですが、神の奇跡(?)で、ヴァンパイアの長所と人間の長所の両方を兼ね備えた存在になっていたのでした。

人間の知性を持ち合わせつつ、ヴァンパイアの超人的パワーを持ち、太陽に対してもへっちゃら・・・って、ほぼ完ぺきな存在じゃないですか。
むしろ、人間でいるより、「人間ヴァンパイア」(元プリーストは、自分のことをこんなダサいネーミングをしておりました(笑))になりたいって。

というか、「人間ヴァンパイア」の存在って、人間とヴァンパイアの種族間の平和をもたらすカギになりそうな気がしますが。



【続編に続くとなるか・・・?】

とは言いつつ、「人間ヴァンパイア」が誕生したので、人間とヴァンパイアの間に平和が訪れましたでは、話が成り立たないので、「人間ヴァンパイア」はヴァンパイアの側に立って、人類打倒の旗振り役になるわけです。

結果的には、主人公が人間ヴァンパイアを倒してしまうのですが、人間ヴァンパイアが担ぎ出した女王ヴァンパイアは取り逃がし、なんとなく、次回に続く的な終わり方となります。

明らかに超最強の人間ヴァンパイアがあっさり倒されて、強さ的にはかなり落ちる女王ヴァンパイアが逃げたからとて、うまく続編につなげられるかなぁ・・・。

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【邦画:ヒューマン系】 南極料理人(映画)

【評価】★★★★☆

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2009年/日本
監督:冲田修一
主演:堺雅人

読んだ本の映画化作品を観てみようシリーズということで、今回は、「南極料理人」をチョイス。この手の作品、映画化難しそうですが、出来栄えは如何?

【ストーリー】
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南極の日本基地に、料理人として派遣された主人公。
南極の基地は、様々な役割を担う濃い男たちが集う男集団のむさい場所であった。
日本から遠く離れた場所で隔離生活を8名の男が送るため、日々トラブルや軋轢が生じるのも当たり前だが、その中で、主人公は、日々の食事に工夫を凝らしながら、男ばかりの集団に憩いを与えるのだった。
中には、南極の生活にうんざりし、気力を失う隊員もいたが、ぶつかり合いながら乗り切り、皆、無事に日本に帰還するのだった(完)。
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【むさくるしく暑苦しい集団】

本作、何か具体的なストーリーがあるわけではないですが、中年の男だけの集団(むさくるしい(笑)が、隔離された過酷な環境下で、むさくるしくも暑苦しい(同じだ!)生活を過ごす姿を描いた作品です。

過酷な環境下とは、南極基地のことですが、主人公は、その中で、料理人として基地に派遣され、毎日、8名のメンバーの料理作りにいそしみます。



【車両担当者のぼやき】

南極基地には、極地研究のために派遣された研究者もいれば、基地の日常機能を維持するために派遣された人もいます。
主人公は、料理人ですから、日常機能を維持する役割でありますが、同じような役割の人として、基地の車両をメンテナンスするため自動車メーカーから派遣された人がいます。

この人が、「なんだって、南極なんかに派遣されなきゃなんないんだろう。左遷も左遷、大左遷だよ。早く日本に帰りてぇ~」とぼやき、映画後半では、メンタル的にやられて部屋に閉じこもってしまうシーンも出てきます。

確かに、自動車メーカーに勤めていて、南極派遣じゃ、目的意識とか使命感とか感じづらいかもしれないなぁと思います。

南極基地にとっては重要かつ必要な仕事ではあるものの、自動車メーカーからすると重要とは思えないミッションであり、自動車メーカーの立場から物を考えると、やる気も失せてしまうよなぁと、見ていてちょっと同情してしまいました。



【南極赴任を命じられたら】

本作を見ていて思ったことは、仮に会社から南極赴任を命じられたら(絶対ない設定ではありますが・・)、どうするかなぁということ。
珍しい場所に行けるのは面白そうなので、行こうという気持ちになると思いますが、赴任期間2年とか3年は、相当長いだろうなぁ・・・。
3ヶ月くらいなら喜んで行くと思うのですが、南極基地に派遣される人は2年とか3年派遣されていて、面白そうだけでは、なかなか覚悟はつかないだろうなと。

映画で、主人公が南極派遣が決まり、主人公の家族が、「こんな遠くにいくんだ(爆笑)」といったシーンが出てきましたが、うちの家族も同じような反応しそうだなぁと思いながら見ていました。
とりあえず、笑っちゃうしかない、という反応というか。

南極から無事帰還し、日本で数か月日常生活を送ると、「果たして、南極に行っていたというのは事実だったんだろうか」と思ってしまうほど、南極での苦労や体験が薄れてしまう主人公の実感も、非常にリアルに感じました。

南極、行ってみたい!・・・かなぁ(笑)。


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【書籍:ルポ】 怪しいアジアの歩き方 ―怒号と波乱の人間不信紀行

【評価】★★☆☆☆

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著者:クローン黒沢、ポッチン下条
出版:KKベストセラーズ



【下世話な旅行記】

前回読んだ著者の旅行記と同様、下世話な旅行記。
半分くらいは、風俗、売春に関する話題のような(苦笑)・・・・。
サブタイトルに「人間不信紀行」とあるだけに、旅行先の国の悪口です(笑)。



【「深夜特急」裏バージョン?】

人間不信に陥るような現地での体験談が、短いエピソードとして書き連ねてあり、全体的に断片的な話を集めたような作品。
この断片的なエピソードを上手く関連付けて、一つのストーリーとして作品にすることができると、沢木耕太郎氏の名著「深夜特急」の裏バージョン的な作品になりそうな気もします。
あくまでも裏バージョンですが(笑)。



【格安旅館に現地日本料理店】

風俗以外には、旅館や食堂にまつわるエピソードもあり、断片的ながら興味深い話も結構あります。
宿泊情報として、超格安ゲストハウスの話が結構、載っていますが、夜中隣の部屋から猛烈な男の叫び声が聞こえ続けて眠ることすらできなくて、後で事情を聞いたら、食中毒で七転八倒していたイタリア人旅行客の苦痛の声だったとか、どうでもいい話でありながら、なかなか体験できないような話も載っており、興味深いのでした(・・・興味深いか(笑)?)

食堂の話も、この本を読む限り、アジアの日本料理店は、安くてまずい料理店か、高いけどやっぱりまずい料理店の2つしかないような錯覚を受けます。

まぁ、外国まで行って、わざわざ日本料理を食べなくてもと思うわけで、アジアで日本料理を求めることが間違っているのではないかなぁとも思うわけです。



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【『怪しいアジアの歩き方』より】
バングラデシュは純然たるイスラム国家であり、インドに見られるようなカースト制度による階級差別は表向き存在しないことになっているが、人口に対してあまりにも仕事の数が少なすぎるため、この貧弱ヒゲ男のように「コピーを取るだけのカースト」的な、数多く存在するようである。

(書き出し)
楽しくもあり、不安でもある海外旅行。

(結び)
ここまでコケにされても、男たちはイエローの看板に下半身を熱くたぎらせてしまうのだった。
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【書籍:ルポ】 怪しいアジアの怪しい人々 -怒濤のアジアに沈んだヤツら

【評価】★★☆☆☆

ajia_ayashii.jpg
著者:クローン黒沢
出版:KKベストセラーズ


【ゴシップ週刊誌の記事】

カンボジアやベトナムの売春地帯にはまり込んでしまった日本人とか、アジアで日本人食堂を開いたものの、珍妙な客に四苦八苦させられる日本人やら、事件を起こして逮捕された日本人など、ディープな人々を取材してまとめた作品。

すごーく、興味深い話なのですが、如何せん、話を盛りに盛り、過激になるように印象、表現を操作の上、低俗、偽悪的表現のてんこ盛りなので、ゴシップ週刊誌の無責任記事をまとめた感じになっているのが残念。



【人探しにテレビCM】

最初の話は、カンボジアの売春宿から身請けした少女(身請けの代金は、日本円で15~20万円くらい)が逃げてしまったので、少女を探すため、新聞やテレビで人探しの広告やCMを打ったという青年の顛末。

なんとまぁ、すごい話だなと思うわけですが、新聞やテレビCMに人探しの広告を出したり、カンボジアからベトナムに少女を捜し歩いたりしても、かかった経費は100万円くらいで、想像以上に、物価安いなぁというのがこの話の一番の驚きポイントでした。

日本でこんなことやったら、桁が一桁か二桁違うよなぁ・・・と思うわけで。
アジアは物価が安いせいか、無茶やる日本人、多いんでしょうか・・・。



【中国てなもんや商社なのか?】

その他、面白かったのは、著者が関わった会社の話で、スーパーファミコンのソフトを違法コピーする機械をアジアで見つけて、国内に輸入し販売したところ大儲けするが、任天堂から警告されることになる・・・といったエピソード。

同業他社から嫌がらせのイタズラ電話が大量にかかってきたり、輸入した機械の作り方が雑過ぎて10台に1台しか動かないと言った、「中国てなもんや商社」的なエピソードもあり、違法な仕事という点に目をつぶれば非常に面白い展開。

しかし、やっぱり、ゴシップ雑誌記事レベルのせいか、任天堂から警告を受けたというところで話は終了・・・その先が面白い展開のはずなのに、なぜ、そこで話を終わりにする・・・。

週刊誌の記事的な、中途半端で終わってしまう内容も多く、全般的に取材不足だったり、話としてまとめようという意思にかけるような本でした・・・。
題材は面白そうなだけに、きちんと作品に仕上げれば、かなり面白い作品になるだろうに、とても残念。



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【『怪しいアジアの怪しい人々』より】
「地球の歩き方」風に書けば、近づかないほうがいい店ナンバーワンだ。

(書き出し)
東南アジアには我々の想像を絶するレベルで、カネに異常なほど執念を燃やす人々が数えきれないほど生息している。

(結び)
会っていきなり慣れ慣れしい奴も最低だが、あまり奥ゆかしいのも考えものである。
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[ 2019/08/02 16:31 ] その他ルポ | TrackBack(0) | Comment(0)

【邦画:恋愛映画?】 となり町戦争

【評価】★★★☆☆

tonaritown_war_mov.jpg
2007年/日本
監督:渡辺謙作
主演:江口洋介、原田知世

日本の小説やノンフィクションって、結構、映画化されている割合高いなぁということに、ビデオ屋の邦画の棚を覗いていて気付いた次第。これまで本で読んだもので、映画化されているもの、ちょっと見てみようかなぁと思うに至り、その第一弾として選んだのが本作。

【ストーリー】
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とある田舎町に住む主人公。ある日、その町が、となり町と戦争を開始することとなる。
戦争は、行政事業の一環として行われているらしく、どうにも戦争の現実感に欠ける主人公であったが、町役場から、隣町の偵察業務を任命される。
町役場の女性職員の指導の下、偵察業務と称する業務を仕事の合間に行う主人公。
更に、その業務はエスカレートして、女性職員と偽装結婚して隣町に住居を移し、隣町の動向を調べることとなる。
とは言っても、何事もない戦争とは思えない平凡な時間が過ぎるが、ある日、潜入工作が発覚したとのことで、隣町からの脱出をすることになるが、その時に、隣町に雇われた民兵から命を狙われ、ようやくリアルな戦争を体験することになる。
しかし、その戦争も予定通り終了。何事もなかったようではあるものの、職場の同僚や、女性職員の弟がその戦争によって亡くなったりと、主人公の日常に戦争の爪痕は何らかの形で残されたのだった(完)。
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【戦争がお役所仕事だったら?】

市町村間で戦争が起こるが、それがお役所仕事っぽかったら、どうでしょうというテーマ設定の内容。
どことなく、カフカの小説で、ある日突然、死刑宣告を受けた男が無罪を訴えようにも、お役所仕事のせいで、実態が掴めず、死刑執行も行われるのか行われないのか不明なまま、ある日突然、死刑執行がされてしまう・・・といったものがありましたが(小説のタイトルは忘れてしまったのですが)、そんな行政の不条理さに相通ずるものがありました。



【行政の横暴さ】

映画の中で、ありがちな行政の横暴だなぁと、思わず失笑してしまったのが、戦争が始まり、主人公が偵察業務に任命される場面。
偵察業務の任命について手紙が届いたので、事情を聞きに役所に赴くと、「任命は任意であり、義務ではない」との説明。
ただし、偵察業務の任命を拒否するためには、行政不服審査手続きに基づき、不服申し立てを不服申立審査委員会に申請し、そこで理由その他の申し立てを行って・・・うんぬんかんぬんと、行政が勝手に命じて、しかも任意であるという割には、それを断るには非常に手間暇かかる手続きを踏ませようとする横暴さ。

それ、任意と言いつつ、ほとんど義務ですよねと言わざる得ないわけです。

行政に限らず、携帯電話の解約をしようとすると、色々と手続きが面倒だったり、手続きを煩雑にすることで、その行動をとらせまいとする仕掛けというのは世の中色々ありますが、その代表が行政だよなぁと思うわけで、そういう辺りが、皮肉に指摘されていました。



【やることへの正当化】

その他、戦争事業を実施(この映画では戦争は行政事業の一環という立て付け)するに当たって、住民説明会を行うものの、住民から反対の意見が出ると、時間切れを理由に打ち切ったりと、どうも、説明会って、納得や説得をするというプロセスではなく、「説明しましたよね?」というアリバイ作りでしかないよなぁ、という感じがよく出ていたりします。

行政が、やると決めてしまうと、変更や中止という判断に返ることが難しく、やることの正当化にのみ力を注ぎこんでしまい、目的がなんだったのかが、はっきりしなくなる、そんなバカバカしさがあるとともに、自分の身近な話でないと、何ら関係ないように思いつつも、巡り巡って、影響が及んでくる怖さも、そこはかとなく感じられる作品でした。

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[ 2019/08/01 00:00 ] 恋愛 | TrackBack(0) | Comment(0)
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