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読書と映画

読んだ本、見た映画について感想を書いています。
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【コメディ:邦画】 記憶にございません

【評価】★★★☆☆

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2019年/日本
監督:三谷幸喜
主演:中井喜一

政治をテーマにしたコメディ。実在の政治家もパロったりしているようなので、政治に関心のある人には面白いかも。私はというと・・・見てわかるかなぁ・・?

【ストーリー】
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史上最低の支持率をたたき出した総理・黒田は、民衆からの投石を頭に受け昏倒し、目覚めると総理であることも含め記憶を失っていたのだった。
その事態に慌てた側近たちは、黒田が記憶喪失になったことを隠して、総理に復帰させる。
記憶を失い、過去のしがらみがなくなった黒田は、過去の自分のひどい政治に我ながら呆れかえり、政治や私生活を良い方向に変えていこうと努力し始める。
利権を守るために進めていた政策を廃止し、失われていた家族との絆も取り戻そうとする中、妻の浮気が雑誌にスクープされてしまう。
自分が、妻をかまわず、ないがしろにしていたことが原因と知った黒田は、国会のTV中継で妻へ愛の告白をするという、前代未聞の行動を取るのだった。
その後、記憶を取り戻した黒田は、昔の自分に帰ることはなく、新しい自分のまま、総理の職を突き進むのだった。
これにより、支持率もうなぎ上りに回復すると思いきや、相変わらずの低空飛行のままであった(完)。
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【支持率3%って・・・・】

支持率3%を切る、史上最低の視聴率を誇る(・・・誇っちゃいないですが)総理・黒田が、記憶喪失をきっかけに、理想の総理を目指すというストーリー。
支持率3%になるまで、よく政権を維持できたのもだと逆に関心してしまう設定ですが(笑)、ほぼ、全ての国民にNOを突き付けられているわけで、ここまで全ての人に嫌われるというのは、これは、これですごい人物のような気がします。


【政界パロディ】

そんな総理が、記憶喪失をきっかけに、理想の総理像を目指していくことになりますが、そこに、総理周辺の様々な人が関わってくることになります。
その関わるエピソードや人物が、実在の政治家をモチーフにしているなと思われるものもいくつか出てきます。

総理夫人が、政府の広報予算を使って、超個人的趣味な、自身が出演する広報番組を作ったという話は、おそらく、公私混同が話題になった昭恵総理夫人をイメージしたのでしょうし、国会で、総理を「総理!」と厳しく追及する女性議員は、明らかに蓮舫議員だろうしと、パロっているものが、現実のどのあたりなのかというのを考えながら見るのも面白いと思います。


【毒に欠けるが・・・】

政界パロディが脇のエピソードだとすると、本筋は、良い方向に目覚めた総理がどのように変わっていくのかという点。
権力や利権漁りでがんじがらめだった総理・黒田が、そんなことはすっかり忘れてしまったので、「間違ってるんじゃないの?」と思うことは、今までの経緯を抜きにしてひっくり返していくことで、徐々に、政界にも新しい風が吹き込んでくることになります。

そんな変わりようを示す総理に賛同を示す人々も出てきて、それらの人の力も借りながら、世の中を変えていこうと動き始めることになります。
本音をぶつけることで、アメリカ大統領との関係も改善し、今まで頭の上がらなかった影の支配者である官房長官と戦い追い落としに成功するなど、全般的には上手く行きすぎる展開で、ちょっと、毒に欠ける感じもありますが、閉塞した世情を思えば、これくらいのことは、起こってもらいたい気もします。

そして、印象的だったのが、記憶を取り戻した総理が、前の総理に戻ることなく、理想を追求する新しい総理の姿のままであったという点。

人は、誰しも、変わりたいという思いをもっているのかもしれないなぁと思います。
何かのきっかけで変わることができれば、昔の自分に戻ることなく、新しい自分として生きてみたい、そういう思いを人は持っているのかもしれません。
そういった姿を、本作の総理・黒田が示しているように感じたのでした。


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[ 2020/08/10 00:00 ] コメディ | TrackBack(0) | Comment(0)

【邦画:コメディー】 帝一の國

【評価】★★★★★

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2017年/日本
監督:永井聡
主演:菅田将暉

妻が、「意外にも面白いよ」とご推奨する作品だったので、「本当か?」と思いつつ視聴。
あれっ、予想外に面白い!?

【ストーリー】
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将来、総理大臣を目指す帝一は、政界に強いコネを持つエリート名門校に入学。将来の布石のため、生徒会会長の座を目指すのだった。
そのために、1年生のうちから生徒会に入り、生徒会長の禅譲を目指すべく、帝一は、生徒会長選挙で、有力候補の一人に肩入れし、その当選を目指すべく尽力する。
相手候補の金権選挙に対し、理念と理想を前面に打ち出し、不利な選挙戦を戦い抜き、支持する候補を見事当選させることに成功する。
選挙戦を経て、成長した帝一は、高校3年で生徒会長選挙に打って出る。
しかし、最後の最後で、対立候補であった親友に生徒会長の座を譲り、全校が感動に包まれる生徒会長選挙となったのだった(完)。
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【予想外に面白い】

映画の雰囲気から、おちゃらけギャグ映画で、たぶん、滑るんだろうなぁ・・・とあまり期待せずに見始めたのですが、ギャグ調な雰囲気でありながら、ストーリーが骨太で、「予想外に面白い」と感じました。

メインストーリーは、高校の生徒会長選挙をめぐる攻防なのですが、票獲得を巡る権謀術数、不利な陣営が戦局をどうやってひっくり返すのかというところが、真面目に描かれていて、ギャグを超えた面白さでした。



【良質なエンターテイメント?】

小説「白い巨塔」もそうですが、選挙を巡る話というのは、盛り上がります。
自分に関係の無い選挙でも、両陣営の駆け引きを知ることが出来ると、駆け引きの巧拙や思いがけない展開が、筋書きのないドラマという感じで、良質な(かどうかは知りませんが)エンターテイメントとなり得ます。

ちまたにも、国政選挙など大きな選挙では、「選挙速報」は欠かさず見るとか、翌日の選挙結果の新聞くまなく読むなんて言う人もいますし、アメリカ大統領選挙もテレビで大きく報道されるので、選挙は多くの人を引きつける面白さがあるのでしょう。



【金権vs理念】

本作で面白いのは、主人公側が不利な選挙戦をどうやってひっくり返すかという点。
相手陣営は、知名度あり、人気あり、金ありと3拍子揃っており、全てにおいて劣勢な自陣営をどうやって立て直していくかが見所。

相手陣営が、だめ押しで金権選挙に手を出したところを逆手にとって、理念に訴えつつという展開は、投票権を持つ生徒達をどうやって理念に共感させるか、生徒会選挙への関心を高めるかという、なかなか考えさせる内容で、ギャグ映画(?)のくせにやるな、と唸らされます。

全く期待せずに見始めただけに、予想外に練られた展開に、ひさびさに感動と面白さを味わいました。

[ 2020/06/09 00:00 ] コメディ | TrackBack(0) | Comment(0)

【邦画:社会派ドラマ】 7つの会議

【評価】★★★★☆

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2018年/日本
監督:福澤克雄
主演:野村萬斎

タイトルに「会議」と付いていたので、映画「清洲会議」のような会議での熾烈なバトルを描いた作品なのだろうかと思い視聴。実際には・・・。

【ストーリー】
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花形の営業一課に所属するものの、20年間、ぐうたらで過ごしてきた主人公。しかし、なぜか部署を追われることなく、その課に居続けているのだった。
そんなある日、業を煮やした営業一課長が主人公を追い出すべく、暴言を浴びせかけるが、逆に営業一課長がパワハラで課長を外されてしまう。
さらに、主人公を追い払おうとした他の人も、軒並み、左遷されてしまう。
実は、主人公は、会社が製品の耐久数値を偽装して販売していた事実を掴み、会社の上層部の支持でその調査、対応のため裏で動いており、その動きに邪魔となる人は、みな左遷されていたのだった。
主人公の調査の結果、耐久数値偽装の全容がほぼ把握され、会社に対し製品のリコールを行うことを要求するが、会社は隠蔽する決定をしてしまう。
怒った主人公は、親会社にその情報を告発し、グループ会社を挙げての問題になるものの、やはり、そこでも隠蔽の決定が下されてしまう。
そこで、マスコミや国交省に証拠と共に告発を行い、その結果、この問題は社会問題として大きく取り上げられ、会社社長の辞任など、会社は責任を取らされるのだった(完)。
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【池井戸潤作品】

映画のタイトルに、「会議」と付いていたので、どことなく、映画「清洲会議」を連想し、少々コメディータッチな作品化と思いきや、なかなか硬派の社会派作品でした。

一緒に見ていた妻が、「倍返しだ!」の池井戸潤作品っぽいよね、とコメント。確かに、そう指摘されると池井戸潤作品っぽさがあるような。
実際、池井戸潤さんの原作が映画化された作品で、妻の慧眼ぶりに驚愕。

池井戸潤さんの小説は何冊か読んでいるにも関わらず、当の私は全く気づかず、私の節穴っぷりが際だったのでした。



【ぐうたら社員】

主人公は、とあることをきっかけに、優秀社員からぐうたら社員になってしまいます。
以前に、職場である社員の方を面談したことがあり、その人も、ある時期まで猛烈に仕事をしていて周りからも優秀と目されていたのに、東日本大震災をきっかけに、仕事をしなくなってしまい、問題児扱いされているという方でしたが、ふと、その人を思い出しました。

急に変化してしまった理由というのが、どうしても分からなくて、手助けは出来ずじまいだったのですが、急に変化してしまう人の心の闇みたいなものは、掴むのは難しいものです。

本作の社員は、ぐうたら社員になっても、なぜか、花形の部署に20年間もい続けるという、信じがたい設定でした。私が面談した社員の方は、仕事をしなくなってから、閑職のような場所に回されていましたので、駄目になっても、部署を追い出されずというのは、なかなか太っ腹な会社です。


【個人vs組織】

そして、ストーリーは、池井戸潤作品王道とも言うべき、社員が会社の不正をあばくため、会社に戦いを挑むという展開となっていきます。
昨今、色々な企業で起こった不正隠ぺい事件がモチーフになっているようで、日本の組織の隠蔽体質をえぐるような、話となってきます。

本作では、何度も隠蔽をしようとする会社を、個人の力で封じ、会社の不正を公にすることに成功しますが、現実ではこうもいくまいとは思いつつ、不正が暴かれるという、ある種のハッピーエンドで、良かったなぁと言う感想。

ただ、それによって会社の体質が変わったかというと、そういうわけではないようで、また同じ問題が繰り返されるんだろうなぁと言う予感がするのは、これまた、現実の日本と変わらない点で、すっきり解決しない人間社会の難しさも感じる終わり方でした。
地道でも、個々人のモラルに委ねるしか、この手の問題は解決しないのかもと思うと、なかなか遠き道のりだと感じたのでした。



【邦画:犯罪】 ダイナー

【評価】★★★☆☆

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2019年/日本
監督:蜷川実花
主演:藤原竜也

WOWOWで放映するのを、妻が見たいというので一緒に視聴。「結構、恐竜映画好きだよね?ジュラシックパークとか。」と言ったら、「それは、『ダイナソー』でしょっ!」と突っ込まれましたが、素で勘違いしておりました・・・

【ストーリー】
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違法なアルバイトに手を染めたばかりに、裏社会のレストランのウェートレスに売り飛ばされてしまった主人公。そのレストランは、裏社会の住人-人殺したちが集まるレストランであった。
売り飛ばされて早々、役に立たないとオーナーに殺されかけるも機知により生き延びる主人公。
そのレストランで危険にさらされながら、表社会では居場所のなかった主人公が、徐々に自分の人生を取り戻し始める。
そんな中、裏社会のボス達が集まる懇親会がそのレストランで開催。
反目し合うボス達は、ついに殺し合いを始め、一人のボスが他のボスを全て殺してしまうが、その事情を全て見てしまった主人公も始末されそうになる。
しかし、元殺し屋であるオーナーが、ボスに立ち向かい、主人公を助けてくれる。
レストランから逃がしてもらった主人公は憧れの地メキシコで、自身のレストランを始める、必ず、オーナーが生きて食事に来てくれるだろうことを祈って。
数年後、その願いは叶い、オーナーがこの店に現れるのだった(完)。
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【カラフル、極彩色】

蜷川実花監督の作品、極彩色のカラフルな映像が特徴的ですが(と言いつつ、蜷川監督作品を観るのは、これが初めてですが)、確かに、目がチカチカします。
カラフルっていう言い方も、何か芸がないなぁと我ながら表現力の乏しさに絶望してしまいますが、良くも悪くも、蜷川作品だな、という個性が溢れていると言えそう。

私が好きな絵で、アンリ・ルソーというフランス画家の作品があるのですが、原色感というのでしょうか、そのような点で、アンリ・ルソーをふと思い起こしました。



【「キル・ビル」の雰囲気】

ストーリーは、舞台となるレストランに、精神や性格がいろんな方向に歪んだ人々-殺し屋が集まってきて、結局、殺し合いを始めるという、冷静に考えると、かなり殺伐とした話ですが、カラフル極彩色な世界では、意外とマッチしている感じもあります。

どことなく、映画「キル・ビル」を感じさせるかなぁ、なんて思いながら観ていました。
「キル・ビル」のタランティーノ監督も、作品からは相当いかれた人っぽいという感じを受けますが、本作もちょっと、そんな臭いがしないでもないかな(笑)。



【ラストは恋愛映画に】

どことなく、いかれた雰囲気があって面白い展開でしたが、後半から、主人公とレストランのオーナーに、心の交流が芽生え始めたりと、少々、良い話にかたより始めます。
うーむ、おしいな、折角のいかれた話が、良い話になってしまった。
さらには、それが加速化して、恋愛映画的な流れになってしまったのは、理想の世界を目指して幕府を倒したのに、倒幕の功労者が贅沢三昧な暮らしを始めてしまった的な、裏切りの気分を味わったといったところでしょうか(おおげさ)。

できれば、いかれた映画はいかれたままで終わって欲しかったなぁ。
欲を言えば、ハッピーエンドじゃない方が良かったなぁと、ラストシーンを観ながら思ってしまったのは、我ながらろくでもないなぁ、と思った次第。
こりゃあ、ホラー映画の見過ぎかもしれません。

【洋画:ギャング映画】 キング・オブ・ギャングスター

【評価】★★★☆☆

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2018年/イギリス
監督:リッチ・ハーネット
主演:ルーク・マブリー

最近、ちょっとブームで視聴しているギャング映画と言うことでレンタル。実話ベースの作品ですが、タイトルからすると、かなり大物のギャングが主人公なんでしょうか?

【ストーリー】
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フーリガンであったカールトン・リーチは、仲間をマフィアに殺されたことをきっかけに、裏社会へと足を踏み入れる。
金を持ち逃げしたチンピラの確保から店の用心棒まで、幅広く着実に裏稼業をこなしていき、裏社会での知名度を高めていくリーチ。
しかし、ビジネス絡みで、別のグループとトラブルになったことをきっかけに、裏社会を牛耳る大物マフィアグループに命を狙われることになるリーチ。
引退を決意し、大物マフィアと単身話を付けにいくものの、結局、そのグループの配下に入り、マフィアとして生き続けていくのだった(完)。
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【同じ人物を描いた他の作品も】

イギリスの名の通った実在のギャングの半生を描いた作品。
なんとなく、以前、ちょっと似たような話を見たことがあるなぁと思ったのですが、「UKギャングスター -イギリスで最も恐れられた男」が、まさに同じ人物を題材にして作られた作品でした。
こちらの作品は以前観たことがあるので、なんとなく記憶に残っていたのでしょう。
意外と記憶力確かだな、なんて自画自賛。



【お仕事映画ですね】

ギャング映画というと、対立組織との抗争とか、警察組織との熾烈な戦いといったことがテーマになることが多いですが、本作は、あまりそういった話は出てこず、金を持ち逃げしたチンピラを探し出してこらしめるとか、お店の用心棒を買って出るとか、裏稼業の仕事を真面目に淡々とこなしていく、お仕事映画といった風情。

うーん、盛り上がんないなぁ。
しかも、お仕事映画っぽくても、ビジネスに関わる人々との調整に苦労するとか、普通のビジネス的な苦労はないから、あまり参考にならないし。まぁ、元々参考にはしないですけどね(笑)。



【本当にキング?】

淡々とお仕事を進めていくリーチですが、他の組織とのトラブルが原因で、裏社会の大物組織から命を狙われる羽目に。
そこで、リーチは何をしたかというと、大物組織に謝りに行きましたとさ。
・・・全然、「キング・オブ・ギャングスター」じゃないぞ(笑)。

そういえば、リーチを描いた別の作品「UKギャングスター -イギリスで最も恐れられた男」を観た時も、「最も恐れられた男」じゃないじゃん、という感想を持ったっけ。
どうも広告に偽りあり。
最後に腰砕けになっちゃう人の話では、どうしても盛り上がんないよなぁ。
もうちょっと、キングにふさわしい人を題材として取り上げた方が良いんじゃないか、そんな印象を持った作品でした。


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プロフィール

kappa1973

Author:kappa1973
 
読んだ本と映画について、感想を書いていきたいと思います。
 
評価は5段階で・・・
★☆☆☆☆:焚書坑儒!
★★☆☆☆:時間の無駄
★★★☆☆:損はない
★★★★☆:良い作品!
★★★★★:殿堂入り!?

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