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読書と映画

読んだ本、見た映画について感想を書いています。
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【TVドラマ:歴史】 陰陽師

【評価】★★★☆☆

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2020年/日本
監督:篠原哲雄
主演:佐々木蔵之介

妻の「絶対に観たい!」という強い希望により、一緒に視聴。
野村萬斎版の作品をイメージしてみましたが、だいぶ異なる印象。さてさて・・・。

【ストーリー】
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平安時代中期、900年代後半の頃。
その頃、京の都では、怪異が起こっていた。
陰陽師・安倍晴明は怪異の原因について調査を進める中、全ての出来事が、20年前の平将門の乱に繋がっていることに気づく。
平将門に繋がる者が、鬼と化した将門を復活させんと、画策を行っていたのだった。
その陰謀を食い止めるべく奔走する晴明だったが、将門復活の呪いは成就してしまうのだった。
しかし、復活した将門と対決した晴明は、将門の怒りと悲しみを沈め、将門は人に戻ってあの世へと戻るのだった(完)。
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【平安を舞台とした現代劇】

野村萬斎版の映画「陰陽師」を期待して見ると、だいぶ期待外れに感じてしまうかも。
なんか、雰囲気がそぐわないなぁ・・・と思うのですが、おそらく、本作は、話し方や所作、その他諸々が非常に現代風で、平安時代をテーマにした現代劇を見ている感じ。
その一方で、貴族の顔がおしろいで白塗りという、おそらく当時の風俗を再現したメイクなのでしょうが、明らかにバカ殿だし(苦笑:志村けんさん、ご冥福をお祈りします・・・)。

全体的にちぐはぐな感じが否めず、主役の佐々木蔵之介さんも頑張っているのですが、なんか違うなぁという印象が最後までぬぐえずじまいでした。



【ツンデレトークが・・・】

夢枕獏さんの原作「陰陽師」では、安倍晴明と源博雅の掛け合いが魅力の一つとなっている作品ですが、ちょっと間違えると、男同士でツンデレトークを交わすボーイズラブな雰囲気が出てしまう危険があります。
本作では、原作のやり取りが、なかなか忠実に再現されていましたが、どうしても、男同士でいちゃついているやばい雰囲気だった(笑)。
難しいよね-、そしてやっぱりそうなっちゃった。

晴明と博雅の会話は、よほど工夫しないと、そうなっちゃうよねぇという見本でした。
野村萬斎版では、ボーイズラブ的な雰囲気はなかったけどなぁ・・・。
演じ方によるのかなぁと、ちょっと気恥ずかしく見ておりました。



【誰が一番の適役だったかというと・・・】

ストーリーは、平将門の乱と絡んだ、歴史的に壮大なお話。
わりと面白い話だったなぁと思います。
人間一人、あの世から蘇らせても、世界が滅ぶとは思わないので、(例えば、現在にヒトラーを蘇らせたところで、さほどたいしたことはないのではと思うわけで・・・)平将門を蘇らそうと言う執着は、正直不思議ではありますが、ここはお話なので、平将門が蘇ったら大変なことになるという前提でドラマを見るのが正しい観賞のしかたでしょう。

ストーリーは、定番どおり、結局、平将門、一回蘇るものの、やっぱり、安倍晴明に倒されちゃうというもの。
鬼と化した平将門が、人間に戻って死んでいくという泣ける展開ですが、鬼の将門も人間の将門も、小汚いおっちゃんで変わらなかったのに、ちょっとびっくり(笑)。
人間に戻った時は、もうちょっとこぎれいになって欲しかった。

ちなみに、安倍晴明のライバル、芦屋道満は竹中直人が演じており、最初適役かなと思ったのですが、ちと、エネルギッシュ過ぎて、思ったほど適役ではなかった。怪しげな人間役には竹中直人かなと思ったのですが、意外と難しいもんです。

全体的に、みんな役がはまってなかったなぁと思いましたが、予想外に剛力彩芽の鬼女ぶりだけは、なかなかでした。ZOZOの前社長、前澤氏への怨みがうまく炸裂!?したわけではあるまいな・・・。


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[ 2020/04/05 03:15 ] 東洋史 | TrackBack(0) | Comment(0)

【邦画:歴史】 真田幸村の謀略

【評価】★★★★★

yukimura_bouryaku.jpg
1979年/日本
監督:中島貞夫
主演:松方弘樹

先日、映画「風林火山」を観たら、この映画を観たくなってしまったのでレンタル。子供の頃、テレビ放映で観たことを覚えていますが、ラストシーンがすさまじく印象的だったのを覚えています。

【ストーリー】
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関ヶ原の戦いで西軍についたため、家康により九度山蟄居となった真田昌幸・幸村親子。
真田昌幸は九度山蟄居となった後も家康の首を取ることに執念を燃やしていたが、その思いもむなしく病没。昌幸の意志を継ぎ、家康の首を取ることを誓う幸村は、江戸幕府に反感を持つ草の者達を集め、その準備を着々と整えるのだった。
そして、紀州にやってきた家康爆殺を企てるが失敗。この暗殺計画を大阪方の仕業になすりつけた家康は、これを口実に大阪討伐の軍を上げるのだった。
家康征伐の絶好の機会と、幸村は草の者達を引き連れ大阪城に入城。しかし、大阪方は、家康の策略にはまり、城の堀を埋め立てられ、防衛力を奪われた末、大阪城の主・豊臣秀頼は自刃して果てるのだった。
江戸に凱旋し油断する家康を、幸村は影武者とともに、襲撃。
大勢の影武者に翻弄され、家臣とはぐれた家康を、幸村はついに仕留めるのだった(完)。
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【幸村と真田十勇士】

子供の頃、TVで見たことは覚えていますが、ラストシーンだけ、すごく印象に残っている作品。
今でも目をつぶると、この映画のラストシーンが・・・(しみじみ)。

映画のストーリーは、日本人にはおなじみ、真田幸村と真田十勇士の活躍を描いた内容。
昔は、真田十勇士って、そこそこ知られていましたが、今はあまり知る人も少なくなってきているかも。
まぁ、私の子供の頃でも、真田十勇士って、そんなに知られているヒーローというわけではなかったわけですが。



【仲間集めとサービスシーン】

序盤は、真田十勇士が集まるところが描かれ、正直、少々退屈。
黒沢明監督の「七人の侍」の影響なのか、仲間を集める場面が一つのストーリーとして描かれるのは日本の作品の特徴かも。映画だけでなく、「ワンピース」のような漫画でも、そういうシチュエーション、結構、多いですね。

後は、一昔前の日本映画に多い気がしますが、なんか、無駄に裸のシーンが出てきて、この作品もご多分に漏れず。時代劇「水戸黄門」で由美かおるの入浴シーンが、視聴者へのサービスシーンであると、冗談半分に語られるのは、一定の世代には定番の小話ではありますが、裸とか入浴とかがサービスシーンだと思っているあたりも、少々、時代の古さを感じさせはします(苦笑)。



【アナーキー幸村】

正直、序盤、中盤辺りまではまどろっこしいんですが、家康の首を狙うぞという展開になり始めてから、面白くなってきます。
初っぱなの作戦が、「フランキ砲」という大砲の視察にきた家康を、大砲の火薬に引火し、大砲ごと吹き飛ばしてしまえという、ぶっ飛んだ派手な大作戦。
もちろん、失敗するわけですが、これが、家康と豊臣方の大阪勢との手切れのきっかけになるという設定も、歴史の実話とうまく織り混ざっていて、なかなかに面白い。

更に、面白いのが、幸村の立ち位置。大阪の冬・夏の陣で大阪方に与するものの、大阪方への忠義立てなどは一切なく、目的は、家康の首をとることのみ。
さらに、「家康の首を取り、仮に豊臣が幕府を作るようなことがあれば、今度は、豊臣の首を取るだけ」と、かなりアナーキーな幸村。もう、たまらんです(笑)。

こういう設定なので、ラスト、幸村が家康を討ち果たす展開は、大阪城が落城し、豊臣家が滅亡した後の話という、豊臣家はどうでもよいという、思い切りぶり。いやぁ、いいです!

幸村の影武者10人と幸村本人が、家康を追い詰め、最後、幸村が家康の首を一刀両断!
家康の首は、種子島宇宙センターで打ち上げる「はやぶさ」の如く、上空高く吹っ飛んでいく。
子供の頃、印象に残っていたのは、まさにこのシーン。
大人になって再見でしたが、やっぱりいいです。この場面をみるためだけに、この映画(140分程度)を見る価値ありというものです。


[ 2020/03/23 00:00 ] 東洋史 | TrackBack(0) | Comment(0)

【邦画:歴史】 風林火山

【評価】★★★★☆

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1969年/日本
監督:稲垣浩
主演:三船敏郎
原作:井上靖「風林火山」

そういえば、歴史映画は色々と見ていますが、邦画の歴史映画って、あんまり見ていないなぁと言うことに気づき、取っつきやすそうな作品をレンタル。

【ストーリー】
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時は戦国時代。山本勘助は、武田家の重臣、板垣信方に仕官することで、武田家に仕えることになる。
勘助の軍略の才が認められ、板垣信方だけでなく、信玄の軍師としても重用され、信玄の信濃攻略においては、その才を遺憾なく発揮するのだった。
そして、勘助は、信玄と信濃の豪族の姫との間に生まれた勝頼を寵愛し、勝頼のため、武田家をもり立てていこうと決意する。
そのような中、宿敵・上杉謙信との熾烈な戦いが開始される。
4度目の決戦・川中島の戦いにおいて、勘助の作戦は謙信によって裏を読まれ、武田軍は窮地に立たされる。
勘助は、武田軍の窮地を救うため、手勢をもって上杉軍に突入する。武田軍の援軍が到着し、形勢は逆転するが、その様子を傍目に見ながら、勘助は討ち死にをするのだった(完)。
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【昔の映画の雰囲気】

昔、本映画の原作となった井上靖氏の「風林火山」を読んだ時、山本勘助の死をもって小説が終了していて、そこで初めて、「武田信玄じゃなくて、山本勘助が主人公の話だったんだ・・・」と気づくという、己は一体何を読んでいたんだと、突っ込みたくなる体験をしたことが思い起こされます。

そんな小説が原作ですので(?)、本作は山本勘助が主人公の作品です。

冒頭、白黒だったので、「古い映画だとは思ったが、まさか白黒映画!?」と唖然としながら見始めましたが、白黒は冒頭の数分の場面のみ。
敢えて白黒の場面を冒頭にぶち込むことで雰囲気を出す演出だったと思いますが、昔の映画は、確かにそういう演出、よく見かけた気がします。

また、本作2時間40分程度の長作(昔の映画は長いものが多かったですね)ですが、映画の真ん中で「休憩」が挟まってました。
映画館で放映した際、真ん中で休憩時間があったんだと思いますが、こういう辺りも、昔の映画だなぁという雰囲気を感じました。



【戦場シーン、作戦の妙はというと・・・】

井上靖氏の「風林火山」は昔に読んだものの、当時、何度も読み返したことがあるので、今でもなんとなく小説の雰囲気やらは覚えておりますが、本作も小説の雰囲気が良く出ているなぁと思いながら鑑賞しました。
山本勘助の無骨な雰囲気は、三船敏郎の演技がよくマッチしていると思いました。

他方、もったいないなぁと思ったのが、戦場シーン。
昨今の歴史映画とかは、戦場シーンや、作戦、駆け引きが見せ場として面白く描かれていることが多いですが、軍師・山本勘助を描いているのに、作戦の妙や戦場シーンの見せ場がほとんどなかったなぁとい点。
作戦自体の面白さを映画に取り入れようという潮流も最近の流れなのかも知れません。
昔の映画は、そういった発想自体がないので、今見ると、その点に物足りなさも感じてしまうかも。



【「真田幸村の謀略」だ!】

とは言いつつ、最後のクライマックス、川中島の合戦は、なかなかの見応えで描かれていました。
しかも、この戦いでは、山本勘助の作戦が敵将・上杉謙信に読まれ、山本勘助仕える武田軍は苦境に陥るという展開。
作戦の失敗が一番のクライマックスというのも、なかなか面白い設定であり、こういう設定は最近の映画でもあまり見ないかもしれないという点ではなかなか新鮮。

川中島の合戦と言えば、上杉謙信が武田信玄の本陣に切り込み、謙信と信玄の一騎打ちが行われたという話が非常に有名ですが、この場面が本作でも描かれています。
なんと、謙信が10名くらいの影武者と一緒に、信玄の本陣に切り込むという展開。
これは・・・映画「真田幸村の謀略」ですな(笑)。
久々に、「真田幸村の謀略」を見たくなりました。

最後の最後は、なかなかの盛り上がりで大満足でした。

しかし、この映画、武田信玄とか山本勘助を知っている日本人じゃないと見てもよくわからないだろうなぁ。
外国の歴史映画を見ても「うーん、いまいちピンとこない・・・」という感想になるもの、結構ありますが、この映画も外国人からみたら、そんな印象になるかも。

歴史背景をよく分かっている日本人なら十分楽しめますが、そうでない外国の人から見ると、あまり楽しめないかも。国際的な映画として評価を受けるためには、そういったことも意識しないといけないのかもしれません。


[ 2020/03/22 00:00 ] 東洋史 | TrackBack(0) | Comment(0)

【洋画:歴史】 ウォリアー REDBAD

【評価】★★★☆☆

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2018年/オランダ
監督:ロエル・レイネ
主演:ハイス・ナバー

中世のヨーロッパ歴史物作品。まったくなじみのない時代・場所の歴史に関する話ですが、昨今、この手の歴史に埋もれてしまった英雄の話、というのが映画化されることが多くなっている印象です。

【ストーリー】
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西暦700年頃のオランダ。フリース人の王国があったが、隣国のフランク人の侵略によりキリスト教への改宗を余儀なくされるなど、外圧により苦境に陥っていた。
主人公レッドボットの父である国王が戦死するが、部族の因習を否定するレッドボットは部族長たちの反感を買い追放されてしまう。
追放された地で信頼を得たレッドボットは、再び、祖国に戻り、祖国で信頼を勝ち得たレッドボッドは、フリース人を率いてフランク人を打ち破る。しかし、フランク人勢力と結びつく仲間の裏切りに合い、フランク人に捕らえられてしまうが、脱出し、再び、フリース人を率いてフランク人の軍勢を打ち破るのだった(完)。
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【REDBADって何?】

映画タイトルの副題「REDBAD」、何かなぁと思ったら、主人公の名前でした。
映画では、主人公のことを「レッドポット」と読んでいて、「赤いポット・・・変な名前だなぁ」なんて思いながら見ていましたが、スペルで綴ると「REDBAD」のようです。
日本語にすると「赤×悪」、凶悪なネーミングっぽいですが、発音すると、「レッドポット」なんですなぁ。

日本語で考えるから、おかしく感じたり、不思議に感じたりするわけですが、日本にはなじみのない歴史上の人物ということで、しっくり来るのに時間が掛かるということなのでしょう。



【キリスト教徒と異教徒】

話は、キリスト教徒であるフランク人が、異教徒であるフリース人を制圧・改宗しようとして攻め寄せてくるのに、主人公が抵抗し撃退するというストーリー。
ヨーロッパの歴史は、宗教絡みの話が多いですね。

主人公の祖国であるフリース人の信奉する宗教では、不況の時には、女性を生け贄として捧げる儀式があったり、非人道的な迷信・蛮習も多く、主人公は、そういった蛮習に反対したことから、一時、国を追放される目に遭ったりもします。

他方、フランク人が信じるキリスト教は、生け贄などの蛮習は否定するものの、布教活動は暴力的で、従わないものは処刑するなんていう乱暴さがあり、正直、どっちも嫌だなぁというのが感想。

本作は、キリスト教徒の横暴への抵抗というテーマの作品なので、キリスト教徒の行いへの批判的な側面があるものの、かといって主人公の祖国の宗教が良いかというと、そうでもないので、どことなくもやもやとします。



【異質を受けれる度量】

主人公レッドポットが、祖国の民を糾合し、押し寄るフランク人に立ち向かい撃退をしますが、途中では、フランク人に与した祖国の人に裏切られたり、なかなか、一筋縄では祖国をまとめ上げることが難しい展開となります。

スポーツチームの応援じゃないから、右か左かで簡単に敵・味方を分けられるわけではないし、色々な視点から思惑が発生するので、単純に「敵はフランク人だ!」なんていうことだけで、人々をまとめ上げることができないのは、人間の難しさでしょう。

主人公が、キリスト教の司教に対し、「キリスト教徒が死後、天にいけるのなら、キリスト教徒ではなかった、祖先達とは、天で会うことができないのか?」と質問し、司教が「先祖達は異教徒であるから、キリスト教徒しか入れない天上の世界にはいない」と答えるシーンがでてきます。

異質なものは徹底排除の思想が、宗教を巡って対立が起きてしまう原因であり、宗教が人の心を救うことを目的としている割には、排他的で、異質を受け入れる度量が狭いなぁ、なんて思うところでした。
ヨーロッパの歴史が、キリスト教と共にあるんだなぁということを感じる映画であるとともに、宗教とは、ということを肌感覚で分かっていないと、ヨーロッパの歴史というのは、なかなか掴みづらいと感じました。


[ 2020/03/07 00:00 ] 西洋史 | TrackBack(0) | Comment(0)

【邦画:歴史】 蒼き狼 -地果て海尽きるまで

【評価】★★★☆☆

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2007年/日本・モンゴル
監督:澤井信一郎
主演:反町隆史

チンギス・ハーンを主題にした日本映画。チンギス・ハーンの生涯は、多岐・長きに渡るので、映画1本で納めるにはなかなかの苦労がありそうですが、どんな感じの映画に仕上がったんでしょうか。

【ストーリー】
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1100年代後半のモンゴル。モンゴルの一部族の長の息子として生まれたテムジンは、幼い頃に父が死に、多くの人々がテムジンを見限り離れていく中、苦労して残った部族の人々をまとめ上げ、少しずつ勢力を拡大していく。
そのような中、宿敵のメルキト族に攻撃を受け、妻ボルテを奪われてしまう。
同盟を結んでいたトグリル・カンと幼き頃からの盟友ジャムカの協力を得て、メルキト族を討伐、妻ボルテを奪い返すものの、妻ボルテは妊娠していたのだった。その後、ボルテは男子を出産、テムジンは、その子にジュチ(部外者)の名を与え育てるのだった。
さらに、勢力を拡大したテムジンは、モンゴルの覇権を巡って、盟友ジャムカと雌雄を決し勝利する。
敗れたジャムカは、トグリル・カンの下に逃げ、トグリル・カンと協力してテムジン討伐の軍を上げる。
ジャムカ、トグリル・カンの連合軍との戦いを制したテムジンは、モンゴルの統一を名実共に果たすのだった。
そして、宿敵・金王朝への攻撃を検討する最中、複雑な関係にあった息子ジュチが病死し、ジュチの死で始めて息子への思いに気づいたテムジンは、その思いを胸に、金王朝への攻撃を開始するのだった(完)。
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【同じ時期に2本の作品】

チンギス・ハーンの誕生からモンゴル統一までを描いた作品。
以前、日モンゴル合作のチンギス・ハーンを描いた作品を見たなぁと思い、ブログを見返してみましたが、その作品は、映画「モンゴル」でした。(→ 映画「モンゴル」の感想

実は、映画「モンゴル」も、2007年公開で、本作と同じタイミングで作られた作品でした。
2007年は、モンゴル生誕800年(たぶん)の記念の年だったので、チンギス・ハーンを主題とした映画が複数作られたようです。



【NHKの大河ドラマ風?】

本作の印象・・・NHKの大河ドラマっぽい(笑)。
だって、解説調のナレーション多様だし、子供時代のチンギス・ハーンの描き方も、大河ドラマっぽい、妙に子役の人の演技の初々しさと気恥ずかしさが前面に出ている風だし・・・。
日本人が歴史映画を作ると、大河ドラマ調になってしまうのかもしれません。

チンギス・ハーンの生涯って、略奪やら虐殺やら、かなり血なまぐさい印象ですが、大河ドラマ風になっていたこともあり、その辺りの血なまぐさい描写は薄まっており、安心して見られたのは、良かった点でした。



【戦闘シーンの描き方は?】

チンギス・ハーンの生涯を描いているので、見所は、草原の遊牧民らしく、大規模な騎馬戦のシーンが見所となります。
さすが、モンゴル生誕800年を記念して作られただけあり、エキストラは大量動員され、戦闘場面はなかなかのものでしたが、他方で、人海戦術による単純な突撃シーンばかりで、戦闘における作戦の妙みたいなものは一切なく、この点、非常に物足りなかったところ。

特に、モンゴルの統一をかけた最後の戦いでは、チンギス・ハーンことテムジンの軍は劣勢で、敗退寸前を余儀なくされるのですが、なぜか、いきなり形勢逆転で勝利するという、謎シナリオ。
形勢逆転の理由とか背景とか、もうちょい、きちんと描いて欲しかったところでした。

戦闘が、作戦的な視点が一切なかったのが面白みに欠けたかなぁと思います。

そして、テムジンと息子ジュチの確執も本映画のテーマの一つになっていましたが、この辺りのドラマも描き切れていなかったかなぁと思います。
歴史ドラマなので、モンゴル統一の過程を描きつつ、息子との人間ドラマも入れつつだと、ちょっと欲張りになりすぎて難しかったのかも。
歴史ドラマは、テーマをきっちり絞りきれるかが面白さのポイントになるようです。

[ 2020/03/06 15:19 ] 東洋史 | TrackBack(0) | Comment(0)
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kappa1973

Author:kappa1973
 
読んだ本と映画について、感想を書いていきたいと思います。
 
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★★★★☆:良い作品!
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