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読書と映画

読んだ本、見た映画について感想を書いています。
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【書籍:絵本】 バイバイ、わたしの9さい!

【評価】★★★☆☆

bye_9years.jpg
著者:ヴァレリー・ゼナッティ
訳者:伏見操
出版:文研ブックランド




【外国的な雰囲気を漂わす作品】


もうすぐ10歳になる女の子が、世界は不幸に満ちていることに気づき、世界を変えるため行動を起こそうとする話。
こまっしゃくれた感じでありつつ、社会問題への意識の強さなどは、すごく外国的なお話です。

女の子は、思いついたことなどを、自分のノートに書きこんでいて、時には、「感じのいい大人の作り方」とか、大人たちに10歳の時の思い出を聞きまわって、身も蓋もない感想―「大人は10歳の思い出について、ろくなことを覚えていない」を書き込んだりだとか、ある種、ユーモアのある内容ですが、この辺りも、日本的というよりは、外国のウィット―アメリカあたりのコメディホームドラマ的なものを思い起こします。

まぁ、もともと、本作は、フランスの絵本を翻訳した作品なので、そういう雰囲気が出るのも当然ですが。



【両手で10本だよね?】


話の本筋とは関係なのですが、どーしても気になったことが一つ。
女の子が10歳になると変わってしまうことをいくつか挙げるくだりがあるのですが、その一つに、「10歳になると両手で自分の年が数えられなくなる」

・・・指は両手で10本。数えられるよなぁ・・・。何かのジョークなのか。
まさか、その年にして、小指を詰めているわけではあるまい(笑)。

どうでもよいくだりではあるものの、どうしても気になってしまったのでした。



【ジダンは良い人?】


色々、試行錯誤の結果、女の子が取った行動とは、フランス大統領、アメリカ大統領、サッカー選手のジダンに、世界をよくするアイディアを持っているので、会えませんかと手紙を送るということ。

結果的には、ジダンから返事が返ってきます。

実は、それとなくジダンを称賛する作品なのか(笑)。

女の子はフランス人なので、アメリカ大統領は難しくても、フランス大統領からも返事はなしなのか。
ジダンってよく知らないですが、フランスでは良い人認定されてるのかなぁ。

そして、女の子がジダンの泊まっているホテルに会いに行き、「はじめまして」と挨拶を交わしたところで、お話終了。

えぇぇ、ここで話終わりますか(笑)。
まぁ、絵本だから、そういうもんなのか。
ちょっと、唐突な幕切れにびっくりしましたが、とりあえず、ジダンは良い人なのだなぁと言うことは理解(笑)。

それにしても、外国の子供って、とっても積極的なんですね。


【『バイバイ、わたしの9さい!』より】
とにかく、ひとつたしかなのは、十さいが近づくと、大人がつまんなく見えるってこと。
 
(書き出し)
人生には三度、すごくだいじなときがあるって、わたしは思ってる。
 
(結び)
その目をくしゃくしゃにして、ジダンはわらった。
「どうぞ、入って。会えてうれしいよ」
 




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[ 2017/11/06 00:00 ] 児童書 | TrackBack(0) | Comment(0)

【書籍:児童書】 未来のクルマができるまで-世界初、水素で走る燃料電池自動車MIRAI

【評価】★★★★☆

mirai_car.jpg
著者:岩貞るみこ
出版:講談社




【小学生高学年向きの本】


仕事の取引先の方からもらった本。
トヨタ関係の本を2冊もらったのですが、その一冊です。

内容は、トヨタの水素自動車「ミライ」が出来るまでを描いた作品ですが、小学生高学年辺りを対象にした作品のようでした。



【通称ハカセ登場】


子供向けの本だったため、少し侮った気持ちで読み始めたのですが、これが意外に面白い。子供向けに分かりやすいストーリーにデフォルメしてあるわけですが、それがかえって分かり易く、大人でも楽しめる内容になっていました。

本書で最初に登場する人物が、水素を燃料にする燃料電池を開発する技術者・波可節男(はか・せつお)、通称「ハカセ」。
トヨタって、仕事にマッチした名前の人が居るんだなぁと思って感心しながら読み進めていくと、次にトヨタの営業部で、ミライのネーミングを考えた人が出てきます。その人の名前は、久留間大介(くるま・だいすけ)。
・・・くるまだいすけ・・・クルマだいすき・・・。
なんじゃーいぃぃ、全部創作の人物でした(笑)。
とまぁ、最初、子供向けの本と思っていたら、思わぬところで騙されたのでした。



【1台700万円、安い!】


ストーリーは、燃料電池の開発、車のネーミング、自動車のデザイン、内装・乗り心地、音対策など、自動車を開発するのには、色々な切り口があるんだなぁと驚くばかりでした。
そして、安全性を追求しようとすれば、デザイン面に影響が及び、エンジン音がしない静かな車になったと思ったら、静か過ぎる故に、普通なら気にならないモーターの音が気になりだしたりと、あっちを立てればこっちが立たず、みたいなところがあり、こういう所は、どの仕事でも同じだなぁと思うところでした。

最初、水素自動車は、お値段1億円と、現実離れしたところからのスタートでしたが、ついに700万円を切る自動車を生み出すことに成功したところで、ストーリーは終わります。

おぉ、すごい安いじゃん!、と思ったのですが、よく考えたら、700万円の車って、かなり高いよなぁと、本を読み終わってから気づきました。
こういうサクセスストーリーで描かれると、ついつい納得してしまいますが、まだまだ課題は多く、まさに、未来、これからの車ですね。


【『未来のクルマができるまで』より】
 
いい技術と、いい商品はちがう。
 
(書き出し)
「一台、一億円もする?」
 
(結び)
ミライは、これからどんな未来を見せてくれるのだろうか。
 


[ 2017/07/10 00:00 ] 児童書 | TrackBack(0) | Comment(0)

【書籍:児童書】 おばけ美術館へいらっしゃい

【評価】★★☆☆☆

obake_musiam.jpg
著者:柏葉幸子
出版:ポプラ社


妖怪好きな私としては、こういうタイトルの本は、結構そそられます。
児童書ということで、サクサクと読めるのもよいところ。

話は、10歳以下の子供を館長にするようにとの亡くなった美術館長のオーナーの遺言で、美術館長になった女の子の話。
美術館を受け継いだ会社は、この美術館を処分したいと考えているものの、美術館に入ると奇妙なことが起きて手が付けられないため、前のオーナーの遺言とおりにすれば、何かが解明できるかもしれないということで、主人公の女の子を美術館長に任命するという流れ。

その美術館には、価値のある美術品はないものの、絵から肖像が抜け出したり、美術品の鎧が動き出したりと奇怪な出来事が起こります。しかし、その現象が見えるのは子供だけ。
主人公の女の子も、さっそく怪奇現象に遭遇するものの、美術館のおばけ達から、館長として認められ、この美術館を存続させるために、おばけ達と力を合わせて奔走することになります。

こんな感じの筋立てで悪くはなかったのですが、話に広がりがないというか、おばけが活かしきれていないという感じで、話としてはもったいない印象でした。

美術館の立て直しでは、美術館のおばけ達が協力して、子供たちに宣伝活動を行ったり、来館した子供たちを驚かせたり楽しませたりすることで、子供たちに人気が出て、親子連れのお客であふれかえるようになるという展開。

うーん、なんていうか、美術館の活性化対策が、そのまんまでひねりがないというか・・・。
確かに、お化けが出てきて楽しませてくれる美術館なら珍しいし人気も出るというものですが、なんだか当たり前すぎる取り組みで、もうちょっと、「なるほど!」と思わされる展開があっても良かったかなぁ・・・。
児童書に求めすぎかもしれませんが。

その後、美術館をつぶそうとする敵(?)が出現。
その敵(?)とは、やはり、同じ絵のおばけなのですが、絵自体が塗りつぶされて焦がされてしまい、本来の姿が出せなくなってしまったが故に、美術館のおばけ達が楽しそうなのをねたんで、美術館ぶっ潰しを画策していたのでした。

・・・完全なる逆恨みというか、通り魔的な動機です。
しかし、そんな通り魔的な動機で美術館をぶっつぶそうとして相手に対しても助けの手を差し伸べる、優しい主人公の少女と美術館のおばけたち達。

その救いの手とは、塗りつぶされてしまった絵の復旧。

絵の復旧には、絵が下手で売れない画家の協力を得て、元の絵を描き直してもらうことに。
ただ、元々、どんな絵だったのかは、絵のおばけが伝えるイメージだけであり、更に、絵の復旧を手伝った画家が上手ではないので、元々の絵とは違う仕上がりにはなりますが、絵のおばけも納得して、円満解決。

・・・元と違う絵でよいのか!?
以前、スペインで、教会のキリストの絵を勝手に修復して、雪男みたいな猿の絵にして、世界中から大ブーイングを浴びた、素人おばあさん画家がいましたが、そのおばあさんにこの本を読み聞かせたら勇気づけられること間違いなし(笑)!

最後は、修復された絵も美術館に飾られ、美術館も大繁盛してめでたしめでたしというオチ。

話の展開は、ちょっとぱっとしないところがありましたが、絵が上手でない画家が、違った絵を描いて修復するというあたりは、以前のスペインでのキリスト画修復騒動を思い起こさせて、なかなかツボにはいるエピソードでした。

[ 2015/09/20 00:19 ] 児童書 | TrackBack(0) | Comment(0)

【書籍:児童書】 レンタルロボット

【評価】★★★★☆

rental_robot.jpg
著者:滝井幸代
出版:ジュニア文学館


歯医者の待ち時間の間に、置いてあった児童書を読んでいたのですが、児童書は1時間くらいあれば読める分量で、内容もなかなか面白いものも多いので、ちょっとした空き時間に読むにはうってつけという感じがしました。

本書は、弟が欲しい少年が、ある日、人間そっくりの弟ロボットを手に入れるという話。
このロボットは、特殊な電波を発することで、弟ロボットに接する人々は、以前から、少年に弟がいたと記憶が書き換えられるため、周囲の人々は、弟ロボットを、少年の本物の弟だと思い込んでしまうという設定。

ただし、少年が弟ロボットの正体をばらしたり、お店に弟ロボットを返却してしまえば、弟ロボットは少年の元から一生失われてしまう、というルールになっています。

最初は弟ロボットをかわいがっていた少年ですが、両親の愛情を弟ロボットに取られたと感じたり、兄として我慢を強いられるといったことが続くことで、結局、少年は弟ロボットをお店に返却してしまうという結末になります。

私は、弟がいたわけでないので、この辺りの兄弟間の機微というのは理解しているわけではないですが、弟ができた喜びから、兄弟間の確執が生じるところの流れなど、よく描けていて面白く読めました。

弟ロボットを返した後、少年は、今度は両親から、「弟ロボットを返してしまったのね。実は、あなたもレンタルロボットなの。弟を大切にできないようなロボットならいらないわ。あなたもお店に返すことにするわ。」と言われる-しかし、この部分は少年の夢で現実ではなかったのですが、この展開も、なかなかブラックで面白かったところ。

ただ、さすがに児童書ということもあり、夢落ちにしてしまっていたわけですが、これが大人向きだったら、夢落ちにせずに、世にも奇妙な物語的な展開になって、更に面白かったのになぁと残念に思うところでしたが、こればっかりは、仕方ないか。

少年が、弟ロボットの存在を邪魔に思うようになって、お店に返却してしまうという展開も、少し前に、兄弟や姉妹を殺すという事件が立て続けに起きた時期がありましたが、そういう現代の兄弟姉妹間の殺伐とした関係を暗示しているようで、意外とブラックな印象もありました。

ラストは、弟ロボットを返却した後、お母さんから(お母さんは弟ロボットの存在は記憶から消えてしまっていますが)、弟を妊娠したという話を聞かされるという形で終わります。

弟ロボットの存在は、少年にとって弟との接し方を学ぶ疑似体験とも言えそうですが、弟ロボットをあっさりと返却してしまう薄情さで、本当の弟が生まれてきた時に、きちんと兄としての役割を果たせるのか!? こんな心配をしてしまうのは、大人の不純な考え方なのかもしれません・・・。

[ 2015/09/19 00:00 ] 児童書 | TrackBack(0) | Comment(0)

【書籍:児童書】 チョコレート戦争

【評価】★★★☆☆

chocolate_war.jpg
著者:大石真
出版:理論社


お店で待っているときに、退屈しのぎに備え付けで置いてあったので読んだのがこの本。
児童書のため、1時間もあれば軽く読めてしまうので、待ち時間での時間つぶしにはもってこいでした。
私は、本書の名前を聞いたのは初めてですが、妻曰く、「非常に有名な児童文学。読んだことはないけど。」とのこと。「読んだことはない」という点に怪しさは感じますが、一応は児童文学の中では有名な本のようです。

ストーリーは、小学生の主人公と友人が、街で評判のケーキ屋の外で、ガラスのショーケースに入ったデコレーションケーキを眺めていたら、突然、ガラスが粉々に割れてしまいます。
ケーキ屋の主人から、ガラスを割った犯人と濡れ衣を着せられ散々な目に遭う二人。
翌日、濡れ衣を着せられた友人は、濡れ衣を着せたケーキ屋の主人に一泡吹かせるため、ショーウインドウの中の巨大なデコレーションケーキを盗み出す計画を立てます。
一方、主人公は、その計画には乗り気ではないことから参加しませんが、計画の内容を他の人に漏らしてしまい、その情報がケーキ屋の主人にも伝わってしまいます。
友人は、仲間を募り、まんまとデコレーションケーキを盗み出すことに成功したように思えますが、ケーキ屋の主人は事前に察知していたため、偽物の宣伝用のケーキにすり替えておいてあったため、計画は失敗してしまうのでした。
一方、主人公は、ケーキ屋の主人から濡れ衣を着せられたことを学校の新聞部の部長に話をしたところ、学校新聞でその話が取り上げられ、さらにその話が市内に広がり、市内の子供達がケーキ不買運動を行ったことから、ケーキ屋は一転、苦境に陥ってしまいます。
更に、ガラスは、たまたま近くを通ったトラックが跳ね飛ばした石が原因で割れたことも判明、ケーキ屋の主人は子供達に謝罪をし、毎月、主人公の通う学校に大きなチョコレートケーキを届けてくれることになったのでした、というお話。

濡れ衣を着せられた子供達が、逆襲に転じて、一転、大人たちをとっちめるという話ですが、ケーキ屋の看板である巨大なデコレーションケーキを盗み出して泡を吹かせるという、言わば「剣」による報復は失敗し、学校新聞という「ペン」による力で大人たちの頭を下げさせることに成功するという、「ペンは剣より強し」という、ちょっと教訓臭いというか、優等生的な内容は、やはり児童文学という制限があるので仕方が無いものの、世俗の垢に塗れた大人からすると教条的過ぎて少し物足りなさも感じます。

それでも、主人公の男の子が、優等生キャラではなく、どちらかというとのび太君的なところがステキです。
主人公の友人は報復のため、デコレーションケーキ強奪作戦を立案しますが、主人公は友人から、その作戦への参加を求められません。
なぜならば、友人からは、主人公は「先生に怒られ、下手すれば警察に捕まるような大それたことをするだけの度胸も覚悟もない」と見なされ、計画の仲間にはできないと言われてしまいます。
友人から、あからさまに度胸も胆力もないと見なされている主人公って・・・とってものび太君的です(笑)。

そして、主人公は、計画の情報は誰にも話すなと友人に言われていながらも、恐ろしくなって、担任の先生の自宅に電話して、計画の情報を話してしまうという、とんだ臆病振りを披露する上、電話をかけた先が先生のところではなく、ケーキ屋の関係者のところに間違えてかけてしまうというお間抜けっぷりまで追加してくれます。

うーん、とことん見所のない主人公で、ヒーローではなく等身大の人間といった感じのところは面白いところでした。

また、大人たちを打ち負かすことになる学校新聞での記事も、主人公のアイディアではなく、たまたま、新聞部の部長に何か記事になる情報を提供せよと迫られ(なぜなら、主人公は新聞部の部員だったので)、止むに止まれず思いつきで話した結果の成り行きでしかありません。
主人公の知略、胆力、行動力といったものが一切発揮されずに、それなのに無事、事件が解決されるというのも、なかなか味のある展開でした。

児童文学という性質上、ヒーローではなく、平凡な(というか平凡よりもちょっと下回っている)男の子でも、困難を解決できるという点に意味があるのかもしれません。児童文学・・・奥が深いかも!


【『チョコレート戦争』より】
 
負けっぷりのよさがすっかりひょうばんになり、金泉堂はまえよりもますますはんじょうしました。
 


[ 2014/09/22 00:01 ] 児童書 | TrackBack(0) | Comment(0)
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kappa1973

Author:kappa1973
 
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★★★★☆:良い作品!
★★★★★:殿堂入り!?

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