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読書と映画

読んだ本、見た映画について感想を書いています。
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【洋画:SF】 スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン

【評価】★★★☆☆

starship_t_i.jpg
2012年/アメリカ・日本
監督:荒牧伸志


日本が作った「スターシップ・トゥルーパーズ」のアニメ版ということで、見ようと思いつつ、すっかり忘れていました。
ふと、そういえばと思い出し、早速レンタルです。

【ストーリー】
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巨大昆虫型の宇宙生物バグと戦争中の人類。
1隻の巨大宇宙船が政府から極秘指令を受け出立するが、消息不明となってしまう。
そこで、特殊部隊に、巨大宇宙船の探索と回収が命じられる。
巨大宇宙船を無事発見するに至るが、中は、クルーが皆殺しにされ、もぬけの殻。
実は、この宇宙船には、マザーバグが生け捕りにされ、実験が行われていたが、超能力を有するマザーバグによって、宇宙船の制御が乗っ取られ、大量のバグが侵入していたのだった。
特殊部隊は、巨大宇宙船に乗り込むものの、宇宙船の操縦はマザーバグに支配され、更に宇宙船に潜んでいたバグの大軍に襲われ、絶体絶命のピンチ。
マザーバグは、巨大宇宙船を操作し、地球へ着陸、地球への侵攻を行おうとする。
地球侵攻が開始される直前で、政府軍の将軍リコが、人類の切り札パワードスーツを装着して、宇宙船に突入。
マザーバグとバグ軍団を一掃して、地球のピンチを救ったのだった(完)。

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「スターシップ・トゥルーパーズ」は、映画が3作目までありますが、本作では、それら作品に出てきた主役級の登場人物や、尻から青いプラズマ砲を撃つバグなど、懐かしいキャラや敵が登場していて、「スターシップ・トゥルーパーズ祭り!」といった感じがして良かったです。

また、「スターシップ・トゥルーパーズ」シリーズでは、女性兵士の裸が無意味に(失礼!)登場することが多いのですが、本作もCG作品ではありますが、女性兵士の裸が無意味に登場して、シリーズの伝統を踏襲している感じでした(笑)。

一方で、シリーズとしては物足りない点も。
1作目の「スターシップ・トゥルーパーズ」で特に顕著だったのですが、軍隊のマッチョ思想に対して、痛烈な皮肉とおちょくりが作品の中に込められているのですが、本作は、その色合いは一切なくなり、逆にマッチョ主義礼賛という逆のスタンスに変わっています。

そのため、舞台、装置は「スターシップ・トゥルーパーズ」を使いつつも、全然別物という印象。
「スターシップ・トゥルーパーズ」の装備やらキャラクターを使って、戦闘シーンを描きたかった・・・というのが本作の目的っぽい。
要すれば、「プラモデルを使って、カッコいいジオラマが作りたいんだ!」という感じの目的でしょうか。

目的がそんな感じなので、ストーリーは、戦闘シーンを大量盛り込むマッチョ映画という様相。
ストーリーは二の次で、カンフーを恰好よく見せること命!、のジャッキー・チェーン映画と共通する香りを漂わせています。

ストーリーは、非常に単純で、宇宙生物バグの大軍に乗っ取られた宇宙船を奪還するという話。
マッチョに描きたいという意欲が強いせいか、人間側が結構強いです。
最後は、キャラ設定された登場人物が次々と死んでしまいはしますが、1作目の「スターシップ・トゥルーパーズ」のように、人類側の兵士が、バグたちに虫けらのようになぎ倒されるということはあまりなく、人類側が銃を乱射してバグを食い止める→それでも、バグが多すぎて撤退→次の地点で留まり人類側が反攻→バグが多すぎて撤退→・・・という流れが繰り返されます。
いささか、単調かな・・・。

「スターシップ・トゥルーパーズ」シリーズでお馴染みの、尻から青いプラズマ砲を発射するバグも本作でも登場します。
1作目では、このプラズマ砲バグ、宇宙空間に浮かぶ宇宙船を、尻から発射するプラズマ砲-オナラで次々と撃沈するという驚異の活躍を見せますが、本作は、基本、宇宙船の中が舞台なので、オナラの威力が感じられず、残念なところでした。

ラストは、「スターシップ・トゥルーパーズ3」で登場したパワードスーツ「マローダー」が本作でも登場。
ST3では、パワードスーツ、圧倒的な強さでバグの大軍を瞬殺するという無双ぶりを示し、人類とバグのパワーバランスを崩し過ぎて、チート感いっぱいでしたが、本作でも、そのチート感は健在(笑)。
最初から、パワードスーツで戦えや、と突っ込みが聞こえてきそうです。

本作、スターシップ・トゥルーパーズ愛に大いに溢れるものの、マッチョ思想礼賛という従来シリーズと対極の立場で作られているため、スターシップ・トゥルーパーズらしい面白さが失せてしまったように思います。

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[ 2016/02/19 08:18 ] SFアニメ | TrackBack(0) | Comment(0)

【洋画:アニメ】 ロボッツ

【評価】★★★☆☆

rbots.jpg
2005年/アメリカ
監督:クリス・ウェッジ


ネットで、なかなかの良作という評価のある本作。
ということで、一体どんな作品なのかレンタルしてみました。

【ストーリー】
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主人公ロドニーは、田舎の町で生まれたロボット。
発明好きで、いろいろなものを発明していたが、ある日、TVで、ロボット・シティーに、偉大な発明家が経営する大会社が存在していて、その会社は、多くの発明家を歓迎しているということを知る。
そこで、一大決心をして、ロボット・シティーに行き、その偉大な発明家に会うことにする。
しかし、行ってみると、その会社の実権は、金儲けだけしか関心のないロボット・ラチェットが握っており、偉大な発明家は行方不明になっていた。さらに、ラチェットは、ロボット・シティーにいる旧型のロボットをスクラップし、アップグレードした最新型のロボットだけの町に作り変えようと陰謀を巡らしていた。
主人公ロドニーは、その陰謀を阻止するため、偉大な発明家を見つけ出し、また、街中の旧型ロボットを味方に付け、ラチェットの陰謀を粉砕するのだった(完)。

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全編、ロボットばかりが登場するロボットアニメですが、登場人物はみな人間くさく、登場人物を人間に置き換えても話が通用しそうです。
表面上はロボットアニメですが、本質は、ロボットであることは重要ではなく、あくまで、主人公が夢をかなえるため様々な苦労や壁を乗り越えていくという、王道青春ストーリーといったところ。

アニメ作品で、子供をターゲットに置いている部分があるので、毒やアクの強さはあまりなく、安心して見ていられる映画ですが、だからと言って大人が見るには物足りないかとい言うとそうでもなく、大人が見ても飽きずに最後まで見られる作品でした。

映画の出だしは、主人公ロドニーの誕生シーンから。
ロボットなので、出産とかはありませんが(笑)、ロボットの夫婦が(ロボットが夫婦関係を築く意味合いはよくわかりませんが・・・)、赤ちゃんロボット組立キッドを買ってきて、それを組み立てることで、自分たちの子供が誕生するという仕組み。

父親ロボットが、仕事から帰ってくると、「赤ちゃんロボット組立キッド」が家に既に届いています。配達で家に届けられる瞬間を楽しみにしていた(なぜ、それが楽しみだったのかは謎ですが)父親ロボットはちょっとがっかり。
その様子を見て母親ロボットが、

「一番の楽しみは、子供作りをする時よ」

と何だか意味深な台詞をはきます。
表の意味は、「プラモデルって、作る過程が一番楽しいよね」くらいのところですが、明らかに裏は、アダルトな意味合いを込めた台詞だよなぁ(笑)。

子供向けの作品ではありつつも、密かに、大人向けに色々とお楽しみ(?)を散りばめた作品のようです。

映画序盤は、主人公ロドニーが、赤ちゃんから幼児へ、そして少年へと成長していきますが、当然、ロボットなので、そのままでは成長する訳はなく、毎年、「1歳用ロボットキット」とかを購入して、パーツを組み替えることで成長するという仕組み。

まじめに突っ込むと、そんな手間なことせず、最初から大人のパーツで組み立てれば、毎年無駄にパーツを付け替えなくてもいいよね・・なんて思ってしまう訳ですが、それは野暮な突っ込みと言ったところでしょうか。

そして、成長し、ロドニーは、発明家としての夢を実現するため、大都会ロボット・シティに旅立つという展開。
しかし、そこでは、貧しいロボットを搾取し(スクラップにして新しい製品の材料にしてしまう)、それで金を儲けようという資本家ラチェットが君臨していたのでした。

そこを、主人公ロドニーが、自身の発明の才を活かして、故障した貧しいロボット達を修理することで助け、それによってロドニーは貧しいロボット達の信頼を得て、ついには、みんなでラチェットを倒すという展開。

少数の資本階級に、虐げられていた貧しい人々(この映画ではロボットですが)が、主人公の登場をきっかけに団結し、資本階級を打ち倒すという、オーソドックスな話なわけですが、貧しいロボット達を団結させる力が、主人公の夢を実現するのに必要な力(ここでは、発明能力)と同じであるため、夢の実現と、貧しい人々を結集させることが同じ方向性で実現するという仕掛けになっています。

いわば、自分の夢の実現が社会貢献にも役立つという話であり、現実にも、例えば、医師としての成功が病気で苦しんでいる人々を救うことにつながるとか、iPHONEの開発が、多くの人々のコミュニケーションを円滑にするようになったとか、大なり小なり実例はあるので、実は、意外とリアリティのある話なのかなとも思います。

他方、現実では、仕事などをしていれば、社会貢献とは相反する面が出てくるものであり、病気で苦しんでいる人々を助けるためには、病院を維持・拡大しなければならないが、病院の維持・拡大のための資金を得るためには、ボランティア的な行為ばかりはしていられず、切り捨てなければいけないこともある-みたいな、仕事を社会貢献だけに結びつけることの難しさはあります。

本作は、子供向け映画なので、そういった理想と現実の狭間みたいなことは一切出てくることは無く、自分の夢の実現=社会を良くすること、という直球な展開なので、少々、深みに欠けるかなという部分もあります。

その分、映画のメッセージ性は、かなり明確なので、確かに、子供向け作品として考えた時には、とても道徳的でお薦めといって良い作品だと思います(ただし、大人向けとしては、先に述べたとおり、深みがない分、少々物足りない)。

[ 2014/03/07 07:07 ] SFアニメ | TrackBack(0) | Comment(0)

【洋画:アニメ】 アイアン・ジャイアント

【評価】★★★☆☆

iron_jiant.jpg
2000年/アメリカ
監督:ブラッド・バード


本作は、子供向けアニメですが、大人からも結構評価が高いようなので、レンタルしてみることにしました。

【ストーリー】
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ある日、突然、空から、体長30mの巨大なロボットが降ってきた。
主人公ホーガースは、偶然、そのロボットを見つけ、仲良くなる。
ロボットは、鉄を食料とすることから、偶然、知り合った鉄くず所を経営している男性に頼んで、ロボットを鉄くず所でかくまってもらうことにする。
しかし、ロボットの存在は、いつしか他の人々の知ることとなり、ロボットを危険視した政府は、軍隊を派遣してロボットを壊そうと試みする。
攻撃を受けたロボットは反撃し、軍隊はその高性能な武器に対抗できない。そして、最終手段として、ロボットに核ミサイルを撃ち込むことにする。
核ミサイルは、ロボット目掛けて飛んでくるが、ロボットのいるのは町の中で、周辺の住民全てが犠牲になることは確実。
そこで、ロボットは、住民を助けるため、ミサイルが町に届かないよう、自らが大気圏でミサイルを食い止め、自らを犠牲にして町の人々を助けたのだった(完)

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総評としては、なかなか面白い作品でした。ただし、子供向け作品の割には、反核兵器だったり、反戦的なメッセージが入っていたりと、少し、思想色が強いかなという印象も持ちました。

映画の冒頭では、ロボットから空から海上へ落下してくるところから。
その後、ロボットは上陸し、森の中に潜んでいます。
このロボット、最後まで、その正体や目的は不明のままで終わるのですが、鉄を食事とするという設定のため、お腹を空かしたロボットは、森の中にある発電所を発見すると、鉄塔やら鉄材を食べ始めてしまいます。しかし、電線に引っかかって感電し、動けなくなってしまうというピンチに。

そこに、偶然、森を探索していた主人公ホーガースが、電線に絡まって感電してもがいているロボットを発見、発電所のスイッチを切ることで、ロボットを助けたことから、二人の間に友情が生まれるという展開。

ロボット自体は、人畜無害かというと、発電所を食べてしまう時点で、かなり迷惑な存在ではありますが、食事の問題さえ解決すれば、まぁ、それなりに人間とは共存していけそうな存在です。

そして、映画中盤までは、ロボットとホーガースの友情が育っていく様子が描かれます。
しかし、30mの巨大ロボットなので、人目に付かないというわけにはいかず、いつしか、アメリカ政府の耳に入ることとなります。

ロボットの存在を確認しようと、政府の諜報部員がやってきて、ホーガースが事情を知っていそうだと知ると、子供のホーガースを尋問にかけ、様々な脅迫をかけて、ホーガースの口を割らせます。

この映画、全体的に、アメリカ政府を冷血で非人道的に描いていて、この点は、興味深いところでした。
本作の監督、かなり、政府とか権力に不信感を抱いているのでしょうか・・・。

そして、ロボットの存在を確認した政府は、ロボットを危険な存在と判断して(まぁ、発電所を食べてしまうくらいなので、危険だと言われても文句が言えない部分はありますが)、有無を言わさず、軍隊を派遣して攻撃をしかけます。

当初は、攻撃を避けるために逃げ続けるロボットですが、ついに、ロボットは変身して、高性能の武器を使って攻撃してきた軍隊への反撃を開始します。
みたこともない高性能な武器の前に、やられっぱなしの軍隊。

こんだけ、高性能の武器をたんまり所持しているところを見ると、このロボット、兵器であることは確かなような気がします。下手すると、こんだけの武器を持ち込んで、地球にやってきたのだから、地球を侵略する意図があったのでは・・・と政府が勘ぐるのも分かる気が・・・。

ただ、ロボット自体は、地球へ落下した時の衝撃のせいなのかはわかりませんが、地球にやってきた理由を全く覚えておらず、攻撃の意思を全く持っていませんでしたが、政府の先制攻撃が引き金で、ロボットvs軍隊の戦いが巻き起こってしまったわけです。

「やられる前にやっつける」というアメリカ政府の思想が、起こさなくても良い戦いが発生してしまった-アメリカ政府の攻撃的姿勢が、無用な戦いを引き起こしている、という批判が込められているような気がします。

そして、軍隊では太刀打ちできないと知った政府は、ロボットに核ミサイルを撃ち込むことを決意、ミサイルを発射してしまいます。
・・・おいおい、どんだけ好戦的なんだアメリカ政府は(苦笑)。

しかし、ロボットのいる場所は町のど真ん中なので、町の住民を犠牲にしてロボットを吹き飛ばすという判断なわけです(ミサイルの発射には、いくつかのミスが生じて、結果的に町の住民を犠牲にするという形にはなっていますが)。

人類を救う(危険なロボットを破壊する)ためには、数百人程度の人命の犠牲はしかたがない、大勢を助けるためには少数が犠牲になるのは止む無しという、アメリカ政府の冷血な考え方が、ぞっとさせられます。

ミサイル発射を知り、自分達が犠牲になることを知った住民は、助かる術はないと観念してしまいます。
そして、どのような事態が起きているかを知ったロボットは、自らを犠牲にして住民を助けることを決意、ミサイルに向かって飛んでいき、上空でミサイルを爆発させ、自らの犠牲の上で、住民を助けることに成功します。
「鉄腕アトム」の最後を彷彿とさせるような展開・・・。

この結末は、ほろっとさせられるところもありますが、「誰か一人が犠牲になって、大勢を助ける」という考え方、本質的にはあまり好きになれないなぁという思いもあり、この結末は、自分的には、あまり良いとは思えませんでした。

こういう展開は、どうも、太平洋戦争の時に、九死に一生ではなく、十死零生の作戦として行われた特攻隊を思い出させたりして、どうも苦いものを感じてしまいます。
「一人(少数)の犠牲によって大勢を助ける」という思想、権力者側の都合でいいように主張される思想でもあるので、感動にまぶして推奨するという気にはなれないなぁという思いもあります。

ロボットが犠牲になって、ミサイルを食い止めた後、町にはロボットの銅像が立てられ英雄として奉られ感謝されるというシーンも出てきますが、純粋に良い場面なのでしょうが、犠牲になった人は奉ればそれで帳消しか?みたいな思いもわき上がり、ちょっと複雑な心境にはなります。

本作、政府を非常に好戦的に描いたり、核ミサイルに対する政府の姿勢に皮肉を効かしたりと、色々と痛烈なメッセージが込められているのがはっきりしている分、観ながら色々と考えるところが多かったと思います。

[ 2014/01/29 22:43 ] SFアニメ | TrackBack(0) | Comment(0)

【洋画:アニメ】 WALL・E ウォーリー

【評価】★★★☆☆

WALL・E
2008年/アメリカ
監督:アンドリュー・スタントン


なかなかの感動作品であるとの噂を聞きつけ、レンタルしてみることに。
私:「この作品、かなり感動するらしいよ!」
妻:「本当?久しぶりに綺麗な涙、流しちゃおうかな。」
ということで、妻と一緒に視聴です。

【ストーリー】
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人類が地球を放棄し宇宙に旅立ってから700年が経った地球。
地球には、ゴミを処理するロボットWALL・Eが、人類が残していったゴミを黙々と処理する日常を繰り返していた。
そんなある日、WALL・Eの住む(?)地域にロケットが着陸、中から、スタイリッシュなロボットEVEが降りてくる。一目で、そのEVEが好きになったWALL・Eは、何とかEVEの役に立とうと頑張る。EVEは、地球の探査を行い続け、植物を発見すると、植物を体内に取り込み、機能停止してしまう。
そして、再びロケットがやってきて、EVEを連れ去ってしまうが、WALL・Eもそのロケットにこっそり乗り込んでしまう。
ロケットが着いた先は、人類が乗る巨大なロケット。そこでは人類が、ロボットに世話を受けながら、怠惰な生活を送っていたのだった。
EVEの目的は、地球の環境を調査し、人類が再び生活できる環境になっていれば、その証拠を持ち帰ることにあり、植物を持ち帰ったEVEを見た艦長は、地球に帰還することを決意する。
しかし、ロケットの運航を管理しているロボットは、地球へ帰還してはならないという命令を与えられていたことから、地球に戻ろうとする艦長を捕らえ監禁してしまう。
そして、WALL・Eは、艦長の命令を受けたEVEを助けるため、ロケットを地球に向かうためのシステムを起動するため奮闘、ロケットは無事、地球に到達することができたのだった。
地球に降り立った人類は、700年ぶりに地上での生活を開始するのだった(完)。

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映画の冒頭は、ゴミの山と化した人間が住まなくなった地球を、主人公のロボットWALL・Eが、一人(一台)で黙々と片付けるシーンから始まります。

妻:「こういうシーン見ると、実際、こうなっちゃうかもしれないなぁと思うんだよね。
   燃えないゴミを出すとき、そういうことを考えるな。あれだって、全部、埋め立てに
   しているわけじゃない。埋め立てる場所だって少なくなってきているんでしょ?」

なぜか、普段に似ず(?)、社会派の発言をする妻。
アニメって、表現がストレートに伝わりやすい分、社会的な問題などを考えメッセージを伝えるには適しているのかもしれません。

その後、WALL・Eは、唯一の友達のゴキブリと戯れたりといったシーンが出てくるものの、主人公がロボットなだけあって、一切会話はありませんが、一人取り残されたことを知らず、ただ無邪気にゴミの片づけを続けているWALL・Eのおかしみとほのかな寂しい感じがしっかりと伝わってきます。
例えると、ラピュタでリスザルを友達に墓守をしている巨神兵みたいな雰囲気でしょうか。

なお、妻は、ゴキブリに過剰反応し、「気持ち悪いー!」の連発でした。映画冒頭、社会派な発言をし、何か違った側面を垣間見せましたが、数分後にはいつもの妻に戻ってしまっていました(笑)。

そんな日常を送っているWALL・Eの住む地区にロケットが降り立ち、中からキュートな地球探査ロボットEVEが現れます。
EVEの目的は、人間が住める環境かどうか、地球を探査し、もし住める状態であれば、その証拠(植物)を持ち帰るというもの。

ここでも、WALL・EとEVEの出会い、交流が描かれますが、ロボット同士だけあって、会話は皆無。それでも、臆病だけど好奇心旺盛なWALL・Eと、生真面目で堅物な感じのEVEの性格が表現されているのは見事でした。

そして、EVEは、目的の「植物」を発見、再びロケットに回収され、人類が生活する巨大宇宙船へと戻っていきますが、WALL・Eも、そのロケットに捉まって、一緒に巨大宇宙船へと行くことになります。

映画の後半は、この巨大宇宙船でのWALL・EとEVEの冒険がメインとなります。

しかし、巨大宇宙船で暮らす人類の姿は、結構、ショッキングでした。
全てのこと-それこそ、顔を洗うのから、服を着ることまでも、全てロボットに任せている上、常に一人乗り走行車に乗っているため、体はぶよぶよに太り、自ら歩く力もほとんどなくなっているという姿になのでした。

私:「こんな世界は嫌だなぁ。なんか、すごく退屈そうだし。」

妻:「そう?結構、理想の世界なんだけど。全部、ロボットがやってくれて、自分は何一つ
   動かなくていいなんて、最高じゃない!?」

私:「えぇぇ!まじ!? こんな生活してたら、みんな、ぶくぶく太って酷い体型に
   なっちゃうんだよ!?」

妻:「みんなが太ってるなら、体型気にする必要ないから、逆にいいじゃん。
   全てがロボットがやってくれる、こんな世界、実現しないかなぁ・・・」

映画の人類の将来の姿を見て、「なんて情けない!」と観る人全て、顔をしかめるものと思っていたら、この未来に賛同する人(しかも隣に!)もいるんだなぁと、ちょっとしたカルチャーショック(?)を覚えました。

確かに、妻とは、「豪華なホテルって、いいよね。泊まるだけで雰囲気が楽しめるし、何もせずのんびりしていられるしね(妻)」という意見に対し、「そうかなぁ。ホテルってつまらなくない?部屋に本もゲームもDVDもパソコンも置いてないし、少なくとも部屋の中だけだと、やることなにもないから退屈なだけなんだよね。(私)」と時間の過ごし方について、価値観の相違がありましたが、妻の考え方からいくと、映画の中の人類の生活は理想に近いのかもしれません・・・。

さて、映画の方はというと、EVEが持ち帰った植物を見た宇宙船の艦長(彼もご多分に漏れず、怠惰な生活を送る人類の一人です)は、地球に帰還することを決意します。
しかし、実質的に宇宙船の航行をコントロールしているロボットは、地球への帰還を拒否したことから一悶着が起こります。

ロボットが、「人類が生きていくためには、地球には戻らず、このまま宇宙船での生活を続けた方がよい」と言って、宇宙船を地球に帰還させないよう、艦長を拘束し監禁するのですが、その時、艦長はこう叫びます。

「オレは、生き延びたいんじゃない、生きたいんだ!」

・・・いやいや、その台詞、どの口が言ってるんでしょうか!?
今まで、全てをロボット任せで、自分の足で歩くのが困難になるくらい、安逸で怠惰な生活を過ごしてきておいて、そういう人がはく台詞とは到底思えないなぁ・・・。

この映画、欠点を上げるとすれば、艦長に代表されるように、登場する人物が嘘くさい-リアリティが全くないという点であろうと思います。
ロボット達の出来が良い分、もったいない点でした。

さて、その後、ロボット達を排除して、宇宙船は、地球に向かい、宇宙船での生活から脱し、地球での生活を始めることを艦長が宣言すると、宇宙船に乗っている人々からは拍手喝采で賛同を得られます。

妻:「えぇぇ、あり得ない。あんな汚い地球に戻るより、宇宙船の生活の方が、絶対いいのに。
   たぶん、宇宙船の人達も流れで賛成しちゃったけど、本心では、地球になんか戻りたくない
   と思ってるよ。普通だったら反乱が起こってるよ!」

うわっ、すごいシニカルな感想。
まぁ、もしこれが現実だと、確かに、自律歩行さえ困難な人達が、地球に戻って生活しようと考えるのは不自然だなぁという感じがします。

そこは、アニメということで、きれいなおとぎ話ということでしょうか。

最後は、宇宙船は地球に戻り、人類が再び、土に足を付けて生活を始めるというところでエンディング。

この映画、実は、ロボットのWALL・EやEVEの方が、人間らしかったのかもしれません。
そして、WALL・EやEVEは環境問題や地球への郷愁といったことに全く無関心で(ロボットなので当たり前と言えば当たり前ですが)、もっと矮小な問題-「壊れたWALL・Eを修理しなくては」とか「与えられた命令を全うしなければ」といったことを追求しつづけた結果、人類が地球に戻ることにつながったというのは、なかなか興味深いところでした。

教訓めいた感想を言えば、「目の前の小さな事を着日に片付けていけば、大きな道へとつながる」・・・そんなところでしょうか。

[ 2014/01/18 10:52 ] SFアニメ | TrackBack(0) | Comment(0)
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プロフィール

kappa1973

Author:kappa1973
 
読んだ本と映画について、感想を書いていきたいと思います。
 
評価は5段階で・・・
★☆☆☆☆:焚書坑儒!
★★☆☆☆:時間の無駄
★★★☆☆:損はない
★★★★☆:良い作品!
★★★★★:殿堂入り!?

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