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読書と映画

読んだ本、見た映画について感想を書いています。
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【アニメ:ブラック作品?】 スーサイド・ショップ

【評価】★★★☆☆

scide_shop.jpg 
2012年/ベルギー
監督:パトリス・ルコント

自殺道具を売る専門ショップの話。
ブラックそうな内容は、「笑うせぇるすまん」みたいな話なのか??
さてさて、どんな内容なのでしょうか。

【ストーリー】
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絶望が蔓延している社会。自殺が政府に禁じられているが人々は絶望のあまり、次々、禁を破り自殺をする。そんな社会で、ありとあらゆる自殺手段を提供する道具を販売するショップがあった。
ショップを経営する夫婦に新たな子供が生まれたが、その子供は、ショップの陰気で不吉な家族には似合わず、明るく前向きな子供に育っていく。
そして、その子供は、自殺を急ぐ人々や、自殺を助長する商売を続ける家族に疑問を持つようになり、暗い雰囲気を吹き飛ばすイタズラを計画し、実行する。
それに激怒した父親は、子供を追い掛け回すが、子供が追い詰められ自殺をするのを見て、今までの行動に強い後悔と反省の念を生じさせるのだった。
子供が自殺をしたと思ったが、実はトリックで、子供は無事に生きていたのだった。
そして、その後、自殺用品ショップは閉店し、クレープショップに生まれ変わるのだった(完)。
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【ブラックな作品】

フランスのアニメ作品・・かと思いきや、ベルギーのアニメ作品。
自殺専用商品を販売する一家を描いたアニメで、アニメらしからぬブラックさがある作品です。
「笑うせぇるすまん」的な皮肉とユーモアのブラックさではなく、純粋に絶望的な内容で、結構、救いがない感じのブラックさです。



【常連客がいないお店】

自殺用品を売るお店ですから、接客態度も陰気で、お店を出るお客への挨拶も、「またのお越しをお待ちしています」とは言わない。
そりゃそうだ、お店を出たら、そのお客は自殺して、戻ってはこないのだから。
常連客がいないお店ということですね。

しかし、そのお店に、自殺用品店にそぐわない、明るく前向きな子供が誕生。
子供の誕生が、一波乱巻き起こす状況となります。



【自殺予防の啓発映画】

生まれた子供は、小学生くらいになると、自殺を売りにする稼業に疑問を持ち、世間の絶望的な雰囲気にも疑問を覚え、世の中を変えようと考えます。
政治家向きな子供です。
こういう人が、政治家になると良い世の中になるのかもしれません。

最終的には、子供の努力と熱意で、自殺用品店は廃業、クレープ店に転職。

めでたしめでたしとなりそうですが、父親はこっそり、自殺用品店だと思ってやってきた客に、こっそり青酸カリを渡すなど、まだまだ完全に脱しきれてはいないのでした。

全てが明るい社会というのは現実的ではなく、陰の一面もやっぱり残るということでしょうか。

しかし、最後まで見ると、この映画、自殺予防の啓発的な映画だったなぁと思い、意外な内容でした。




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【アニメ:カフカ作品】 カフカ 田舎医者

【評価】★★☆☆☆

inaka_doctor.jpg 
2007年/日本
監督:山村浩二

久々にTSUTAYAに行ったら(最近はGEOばっかり・・・)、ふと目について気になった作品。
賞味20分程度の作品を、お金を出してレンタルするのもどうかなと思いましたが、お金を払うのは、作品の時間の長さではなく、中身に対してであるなどと生意気なことを思い返し、レンタル。

【ストーリー】
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田舎医者は、遠くに患者が待っているのに、吹雪で患者の家まで行くことができず困っていた。
そこに、馬車を出してくれるという者が現れ、馬車に乗ると瞬時にして患者の家に行くことができる。
患者の少年は病気のようでもあり、元気なようでもあり・・・。
患者の家族は、医者の衣服をはぎ取り治療をするよう要求し、医者は、少年に治療を施すと、服を集めて、馬車に乗り込んで家路を急ぐのであった(完)。
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【カフカの作品を映像化】

カフカの短編小説「田舎医者」を映像化した作品。
短編小説なので、本作も潔く、20分という短さ。

「田舎医者」を読んだことがないので、はっきりしたことは言えませんが、原作を読むのと本映画を見るのとで費やす時間、どちらも同じくらいなのかもしれません。
とすれば、本作は、原作「田舎医者」の要約でも意訳でもなく、純粋に映像化と言えるのかも。



【不条理で陰鬱】

カフカは、学生時代、何冊か本を読んだ記憶がありますが、不条理で陰鬱という印象が色濃く残っていますが、本作も、カフカの不条理で陰鬱、さらには歪んだ感じという雰囲気を出ている気がします。

不条理なので、ストーリーを真面目に詰めようとすると、訳が分からなくなるわけです。
その意味で、この作品もストーリーに突っ込んだり、考え過ぎると、破綻してしまうでしょう。



【原作を知らずに見ると・・・】

とは言いつつ、カフカ作品の映像化ということを外して、純粋に作品だけで見てしまうと、疑問符だらけの、観る人を困惑させる内容になってしまいます。

あくまで「カフカ原作を映像化」という肩書があって、初めて成り立つ作品でしょう。
カフカ作品の不条理さなどを、映像でこんな風に表すんだ、ということを味わうもので、前提の知識がないと、分かりづらい作品ではあります。

その点で、私も「田舎医者」は未読であったため、本映画をいきなり見た後の感想は、「わからねぇ・・・」というものでした(苦笑)。

前提の知識がないと、理解ができない映画というのも、カフカに興味・関心のある人には良くても、それ以外の人には、ちょいと難しいのかな、そんな印象の不可思議な作品でした。



【洋画:アニメ】 カンフーパンダ

【評価】★★★★☆

kanf_panda.jpg
2008年/アメリカ
監督:マーク・オズボーン、ジョン・スティーヴンソン

たまにはアニメでもと思いつつ、ジブリじゃないアニメがみたいなぁということで、なんとなくレンタル。
最近上野動物園でパンダも生まれたことですしね。

【ストーリー】
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カンフーにあこがれる、ラーメン屋で働く太ったパンダ。
ある日、カンフーの聖地で、龍の戦士を選ぶ儀式が行われると聞き見物に行くが、ひょんなことから、パンダが龍の戦士に選ばれてしまう。
さらに、大変なことに、凶暴でカンフーの達人のタイ・ランが、刑務所を脱獄し、龍の戦士の地位を奪おうと、カンフーの聖地に近づいていた。
パンダは、カンフーの達人シーフー老師のもとで修業を積み、タイ・ランとの対決に備え、ついに、龍の戦士が伝承する巻物を手にすることができたが、そこには何も書かれていなかった。
巻物が頼りだったパンダはがっかりするが、巻物の真意を悟ったパンダは、襲撃してきたタイ・ランと戦い、見事、タイ・ランを打ち破り、カンフーの聖地を守り抜いたのだった(完)。

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【パンダ版スターウォーズ】


メタボ体型のいけてないパンダが、偶然、伝説の龍の戦士に選ばれ、とにもかくにも活躍するという、ストーリーとしてはオーソドックスな内容。

一昔前で言えば、「ベスト・キッド」もしくは、「スターウォーズ」のジェダイの騎士が育つ話と共通すると言えそうです。
確かに、パンダの師匠は、スターウォーズのヨーダっぽかったしなぁ(笑)。



【食い意地で上達】


さて、主人公のパンダ、自分がメタボで到底カンフーをやるような素質はないと自覚しつつも、周りからくさされても、ひねくれず、かといって鼻につく熱血ぶりを示すでもなく、自然体で受け止めることができるキャラで描かれており、この微妙な匙加減のパンダの性格が、この作品を良い味を出すのに一役買った気がします。

主人公のパンダは、龍の戦士に選ばれた結果、短期間で修業を積んで、脱獄した強敵タイ・ランと戦わなければならない運命となります。
最初は師匠すらあきらめていたパンダのカンフーの才能ですが、食べ物にがめついという長所(?)を活かした特訓により、みるみる上達。
食い物の恨みは恐ろしい、とはまさにこのことでしょうか。



【秘伝の秘密は・・・】


修業を積んだパンダは、ついに、龍の戦士のみが手にすることができる秘伝の巻物を読むこととなります。
まぁ、こういう場合のお約束だとは思いますが、秘伝の巻物の中身は真っ白。

伝説とか秘伝なんてそんなものさ、と思うわけですが、この後、パンダのお父さんの話から、巻物の意味を知ることになります。

パンダの父さん、名人級のラーメン作りの名手なのですが、主人公のパンダにある秘密を明かします。
それは、「秘伝のタレ」と称していたものは、実は秘伝でもなんでもなく、普通のタレだったということを・・・。

そう、秘伝とか奥義とかいう都合の良いものは世の中にはなく、あるとすれば、自分の気持ちの持ちようだということ。龍の戦士の巻物の意味を、主人公パンダは、その時悟るのでした。

・・・うーん、いい話や・・。
だけど、ラーメンは、秘伝のタレがなかったってのは、ちょっとおかしいだろ!
気の持ちようじゃ、味は変わらないのだから、そこはきちんと秘伝のタレを作っておけという話じゃなかろうか。



【この話の教訓は?】


その後、龍の戦士の巻物を奪わんと襲ってきた強敵タイ・ランとの戦いがクライマックスとなります。
うん、その巻物、白紙ですから・・・、と観ている多くの人が突っ込んだに違いない戦い。

戦いの目的は、龍の戦士の巻物の奪い合いなのですが、そもそも白紙なので、戦いの目的はすでに失われているような・・・。
そんなやるせない思いの募る戦いでしたが、見事、主人公パンダが勝利し、ハッピーエンドとなるのでした。

どうでもいいけど、巻物どうしたんだろう? 白紙だから、お宝みたいに大事に取っておくのはバカバカしいし、かと言ってごみ箱行きでは、敗れたタイ・ランは身も蓋もなくなる!

教訓、秘伝とか、ここだけの話とか、絶対もうかるとかいう話にはだまされないようにしよう・・・多分、そんな教訓を含んだ話でした。

【洋画:アニメ】 シュガー・ラッシュ

【評価】★★★☆☆

sugar_rush.jpg
2012年/アメリカ
監督:リッチ・ムーア


テレビで放映していたので、何気なく視聴。
レトロアーケードゲームの悪役キャラが活躍するお話のようです。最近では、映画「ピクセル」もゲームキャラが活躍する話でしたし、そういう話が流行りなのでしょうか。
というか、映画「ピクセル」に関連して、この作品が放映されたのだろうなぁ。

【ストーリー】
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アーケードゲーム「フィックス・イット・フェリックス」の悪役キャラ、ラルフは、ゲーム内のみんなから毛嫌いされ、疎外され続けていることに嫌気が差し、なんとかみんなから認めてもらいたいと思うようになる。
そんなある日、ラルフは、メダルをゲットして、みんなから認めてもらおうと、他のアーケードゲームに潜入し、そのゲームでメダルを手に入れようと画策する。
なんとか、そのゲームのゴールにたどり着きメダルを手に入れるものの、トラブルが発生し、そのゲーム内に登場する寄生虫と一緒に、今度は、「シュガー・ラッシュ」というゲームに紛れ込んでしまう。
「シュガー・ラッシュ」はレースゲームだったが、そのゲームでみんなから疎外されている女の子と友達になるラルフ。
そして、ラルフは、女の子がレース参戦できるように様々な協力をするのだった。
一方、ラルフと一緒に「シュガー・ラッシュ」に紛れ込んだ寄生虫は大量繁殖し、「シュガー・ラッシュ」の世界を壊し始める。
ラルフは、女の子や他のゲームキャラと協力して、寄生虫を殲滅させることに成功。
そして、女の子もレースで見事に勝利を飾るが、その瞬間、女の子は、実は「シュガー・ラッシュ」の女王であり、元の姿に戻ることができたのだった。
ラルフは、元のゲーム「フィックス・イット・フェリックス」に戻るが、ゲームのメンバーもラルフの存在の重要性に気づき、みんな仲良くゲームの役割を演じるようになったのだった(完)。

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レトロアーケードゲームのキャラが主人公の作品ですが、登場する主要なゲームは全て、本作品のために設定された架空のゲームだそうです。
実在のゲームじゃないので、ちょっと面白みに欠けるかなぁと言う感じもします。

前半は、レトロゲームの悪役キャラ・ラルフが、みんなに認めてもらうため、他のゲームに紛れ込んで、騒動を起こすという展開で、少々盛り上がりに欠けるところ。
ラルフの努力が、どう考えても独りよがりな上に、みんなに認められる要素がないだけに、どうも空回りの展開かなと言う感じ。

この後、後半からは、「シュガー・ラッシュ」というゲームにラルフが紛れ込み、同じようにゲームのメンバーに疎外されている女の子と友達になって、「シュガー・ラッシュ」を乗っ取った悪玉と対決するという流れになりますが、この辺りからは、目的がはっきりしてきて、それなりに面白い展開になってきました。

前半は子供だまし、後半は、ちょっとシリアスな展開といったところ。

「シュガー・ラッシュ」を支配する王様は、実は、古いレースゲームの主人公だったのですが、ゲーム内容が古くなって人気がなくなったことから、人気ゲーム「シュガー・ラッシュ」に進入し、ゲームを乗っ取ってしまっていたのでした。

悪役の王様は、自己中な考え方ではありますが、よーく考えると、主人公のラルフも他のゲームに潜入して自分勝手なことをやらかしていたので、ある種、同類のような気が(笑)。
まぁ、その当たりは少し大目に見るべきなのでしょうか。

ラストは、この悪役の王様を退治したところ、ゲームのバグが直り、女の子は、「シュガー・ラッシュ」の王女様に戻ることができたという結末。
シンデレラやみにくいあひるの子といった童話を彷彿とさせるのでした。

しかし、ちょっと気になったのが、それまで女の子を迫害してきた、ゲーム内のメンバーが、女の子が王女様だったということが分かった瞬間、手のひらを返して擦り寄ってきた点。

・・・結局、身分なのか。身も蓋もない結末だ(笑)。
やっぱり、みんな、身分とか地位に弱いんだなぁ。
あまりに現実的な展開が衝撃的だったのでした。

さて、一方のラルフはと言うと、ラルフがいなくなったゲーム「フィックス・イット・フェリックス」はゲームとして成立せず、てんやわんやの大騒ぎ。
・・・そりゃそうだ、ゲームは主人公とボスキャラで成り立っているんだから。

ラルフの存在意義を遅まきながら気づいたゲーム内のメンバーは、ラルフの帰還を大歓迎で向かえ、その後は、ラルフへの扱いを大幅に変えるに至るのでした。

たぶん、これが脇役キャラだったら(マリオで言ったら、パックンフラワーあたりか?)、「まぁ、いなくても、なんとかゲームは成り立つし」とかなって、放置されていた可能性も高そうです。

その意味では、ラルフは、悪役キャラとは言え、重要なポジションにいたことが、良かったということでしょう。

・・・つまるところ、本作の教訓。
地位や身分、重要なポジションにいることが大事ということ。
身も蓋もない結論だなぁ・・・。

【洋画:アニメ】 9~9番目の奇妙な人形

【評価】★★★☆☆

nine_ningyou.jpg
2009年/アメリカ
監督:シェーン・アッカー


以前、DVDの宣伝で見て興味をもっていた作品。時々、思い出してはTSUTAYAで探していたものの、なかなか発見できていなかったのですが、全然、別の棚で偶然発見。さっそくレンタルしてみました。

【ストーリー】
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人類が滅びてしまった世界。
突如目覚めて動き出した人形「9」は、状況がわからないまま、周辺の探索を始める。
すると、同じように生命が吹き込まれた人形「2」と遭遇し、この世界には、同じように生命を吹き込まれた人形がいることを知る。
その時、突然、ビーストと呼ばれる巨大なロボットが現れ、2人に襲いかかってくる。
「2」はビーストに連れ去られ、「9」はビーストに吹き飛ばされ気を失ってしまう。
「9」が目覚めると、「9」は、他の人形たちがいる隠れ家に運び込まれ治療してもらっているのだった。
その隠れ家で、他のナンバーを持つ人形たちとも出会い、ビーストは人間が作ったロボットで、人間はビーストの反乱にあい滅んでしまったことを知る。
「9」は「2」がビーストに連れ去られたことを話し、「5」と一緒に「2」を助けにいくこととなる。
「9」たちは、「2」が捕えられている場所に潜入し、「2」を無事見つけるが、そこで、「9」は不思議な紋章を拾い、何気なく壁面のスイッチにはめ込んでしまう。
すると紋章が光り出し、「2」の生命を吸い取り、巨大なマシンが動き出すのだった。
実は、この巨大なマシンは、人類が科学の叡智を結集して作った、人間の頭脳を持つマシンだったが、このマシンにより人類は滅んでしまったのだった。
「9」たちは巨大マシンの襲撃からの逃れ、なんとか、仲間のいる隠れ家に逃げ帰る。
しかし、隠れ家もビーストに見つかり、仲間がまた一人、ビーストにつかまり、巨大マシンの元に連れ去られてしまう。
「9」たちは巨大マシンを倒すことを決意し、巨大マシンのいるアジトへと向かう。そのアジトの中で、巨大マシンや紋章のことについて知ることになる。
紋章には、人の心を吸い取り、他の物へ移し替える力があり、「9」たち人形は、巨大マシンを作った科学者の心が紋章の力で移し替えられ、生命を吹き込まれた存在だったのだ。
「9」たちは、紋章を巨大マシンから取り返し、巨大マシンに吸い取られた人形たちの生命をこの紋章を使って吸い取り返し、マシンを倒すことに成功するのだった。
そして、この紋章を使い、巨大マシンに吸い取られた人形たちの魂を解放するのだった(完)。

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人類が滅んだ後の世界に生きる、魂を吹き込まれた人形たちを描いた作品です。
そして、この人形たちを襲ってくるビーストと呼ばれる巨大ロボットとの戦い、人形たちの生命のルーツの探索、というものが本作品のストーリーの主軸となっています。

主人公の人形「9」は好奇心旺盛で、何事にも首を突っ込んだり、何にでも触って動かしたりしてしまうタイプ。
そして、人形たちを統べるリーダー的立場にいるのが「1」で、何事にも慎重で余計な詮索は身を滅ぼすと考えるタイプ。

そのため、「9」と「1」はことごとく対立しますが、結局は「9」の好奇心のせいで、事態が思わぬ方向に動き出してしまうこととなり、「9」の考える方向に動かざる得なくなります。

イギリスの諺で「好奇心は猫を殺す」というものがありますが、「9」はまさにそんな感じ。
とりあえず、よくわからないスイッチがあったら押してみようというタイプで、そういった行動のせいで、仲間が次々と死んでいったり、余計な敵を目覚めさせたりします。

子供の頃、何にでも触りたがる子っていましたが、そういった子のせいで、非常ボタンが押されて大騒ぎになったなんていう経験を持ち合わせている人も多いのではないかと思いますが、「9」はまさにそんなタイプです。
正直、すごく迷惑なタイプの人(人形)で、「1」が「お前と一緒にいると、命がいくつあっても足りん!」とぼやくのも分かる気がします。

ただ、やはり好奇心が物事を進歩させたり、事態を打破することにも繋がるので、ある程度の好奇心は必要なのだろうなと思います。
「9」の場合、好奇心で行動するたびに、仲間が死ぬので、好奇心の度が過ぎるというか、もう少し考えてから行動してもよいのではと思いますが・・・。

「9」の好奇心が軸となって、しちゃかめっちゃかに話は進んでいきますが、人形たちは、なぜ自分たちがうまれたのか、そのルーツを知りたいと考えています。
そして、人間たちが残した記録などから、人類が人間の知能を持ったマシンを生み出すものの、結局、そのマシンが人類に対して反乱を起こし、それにより人類が滅んでしまったということを知ります。

人間とコンピュータの対立というのは、古くからあるテーマで、手を変え品を変え取り上げられるものではあります。
現実社会でも、将棋の世界で、プロ棋士とコンピュータの対決が、ここ数年話題になっていますが、今年は、プログラムやアルゴリズムの穴を突いて、プロ棋士側が勝利を収めたということが賛否両論の議論として盛り上がったりしています。

本作では、人間の知能を持つマシンが、人間の心を持たないが故に、人間を滅ぼしてしまったという設定になっていますが、プロ棋士とコンピュータの勝負-電脳戦でも、人間とコンピュータの思考の違いが浮き彫りになって面白いなぁと感じました。
人間の心を持つ、持たないということは、実は、思考方法に依存するところも大きいのではなんて思ったところではあります。

電脳戦では、プロ棋士は、いくつかの限られた手を、それこそ10数手先まで読んだ上で、どの手を打つか決めるという思考回路なため、検討しなかった手の中にもっと良い手があるのを見落とすというデメリットがる一方、うまくはまれば、読みが深い分、確実な手となるわけです。

一方、コンピュータは、網羅的にたくさんの手について検討するため、先を読むのは4、5手先くらいまでとなってしまいます。
それでも可能な手を全てに近い形で検討するので、良手の見落としが少ないというメリットがある一方、10手先に罠が仕掛けられていても、それを見切ることができないということがあります。

今回、10手先に大きな罠がある手を打つよう、プロ棋士がコンピュータを誘導し、それが功を奏してプロ棋士が勝利を収めています。
プロ棋士であれば、10手以上先を読むので、そんな手を打つことはまずないそうですが、コンピュータはその点が分からず、罠にはまってしまったそうです。

人間とコンピュータの違いが見事に出た例ではありますが、人間の心をコンピュータが持つかどうかというのは、人間の思考回路を理解、再現できるかにかかっている気がします。
その意味では、本作の人間の知能を持つマシンは、人間の心を持っていてもおかしくないような気がしますが、これは映画の話なので、あまり深追いはしないことにします。

さて、このロボットを開発した科学者が、ロボットが反乱を起こし、人類が滅亡せんとする状況になったことを憂慮し、人間の心を未来につないでいくために、科学者自身の心を移し替えたのが、「9」たち、生命を吹き込まれた人形であったわけです。

正直、人類が滅んでしまった後で、人間の心を持つ生命を持った奇妙な人形たちが存在したからと言って、何になるんだろうという疑問を感じるところではあります。
そして、人間の知能を持ったマシンを倒した「9」たちは、人間とロボットの戦いで荒廃し、生き物(?)は「9」たち奇妙な人形数体しかいない状況で、「これから、僕らがこの世界を守っていく・・・」というメッセージを発して映画は終わります。

この人形が、繁殖したり文明をきずいたりすることもないだろうと考えると、荒廃した寂寥な世界に残された「9」たちの姿は、人類の文明社会のなれの果てを見るようで、寂しさの募るエンディングでした。

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プロフィール

kappa1973

Author:kappa1973
 
読んだ本と映画について、感想を書いていきたいと思います。
 
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