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読書と映画

読んだ本、見た映画について感想を書いています。
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【日本TVドラマ:歴史】 明智光秀 -神に愛されなかった男

【評価】★★★☆☆

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2007年/日本
監督:?
主演:唐沢寿明

今年のNHK大河ドラマは明智光秀が主人公ですが(見てないですが・・・)、以前にも明智光秀を主人公としたテレビドラマがあったようです。レンタルDVDがあったので、ちょっとした興味から視聴。

【ストーリー】
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時は戦国。天下統一を目指す織田信長に、足利義昭を引き合わせたことが縁で信長の家臣となった明智光秀。
織田家中で功績を重ね、新参者でありながら、羽柴秀吉と共に重きをなしていくのだった。
信長の元で、天下を統一し、争いのない世を目指す光秀であったが、比叡山延暦寺の焼き討ちなど、暴虐非道な行いを推し進める信長にいつしか疑念を感じるようになる。
そして、任されていた領地を召し上げられ、敵国毛利の支配地を切り取り次第領地とせよとの命令に決定的な不信を覚えた光秀は、信長を倒さなければ平和な世は訪れないと思い詰めるようになる。
そして、秀吉こそが人望・実力を兼ね備え、太平の世に導く器を持つ人物と見定めた光秀は、本能寺で信長を倒した後、秀吉に自らが討たれることで、秀吉の天下取りの道筋をつけるのだった(完)。
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【功績の横取り?】

全体的には、明智光秀の半生を追うことができ、まずまずかなぁという印象。
ただし、「この功績って、光秀じゃなくて秀吉の功績だよね・・・」と思ってしまうような、他人の功績を光秀の功績としてしまうような描き方になってしまうところは、結構気になった点でしょうか。

一番そう感じたのは、秀吉が撤退する信長軍の殿を引き受け、浅井・朝倉連合軍の追撃を食い止めた、金が崎の撤退戦の描き方。
秀吉の人生の中でも、命をかけた一大転機になった出来事の一つですが、本作では、撤退戦に光秀が加勢し、光秀の采配で、この撤退戦を切り抜けたという描き方になっています。
史実を知っている人からすると、なんだか、光秀が秀吉の功績を横取りしているようにしか感じられなかったかも。



【ブラック企業で働く二人】

本作で、なかなかはまり役だったかなと思うのは、秀吉と信長。
秀吉は、柳葉敏郎さんが演じていましたが、調子の良い、誰にでもオープンに接して屈託のない反面、抜け目なさもあるキャラクターとして、一番の好演だったと思いました。

本作では、光秀と秀吉はライバルでありつつ、暴君信長の元で、織田家の将来に対して同じ問題意識を共有し、友情も存在するという設定。
光秀も秀吉も、ちょっと人格が出来過ぎなところがあって、きれいすぎる嫌いがありますが、光秀と秀吉が暴君信長の下で仲間意識を持つという辺りは、織田家のブラック企業ぶりが伺え、面白い点でした。



【本能寺の変が嘘くさいか・・・】

光秀と言えば、一番のクライマックスは、織田信長を弑逆した本能寺の変。
本能寺の変の解釈や描き方は、正直どうかなぁと思いました。

信長を殺そうと思った理由は、信長の暴虐ぶりを危惧して、このまま信長が天下統一を果たせば、日本はとんでもないことになるという危機感から。
これは、理由としてはあり得るとは思うものの、信長を殺した後、自身が秀吉に討たれることで、人望が有る秀吉に天下を取らそうとまで考えていたというのは、そんな自己犠牲に満ち、さらにそこまでお人好しの人間は存在しないだろうなぁ。
この辺りが、どうも嘘くさくて、幻滅でした。

また、本能寺の変では、戦いの現場で、信長と光秀が対面し、お互い言葉を交わすシーンとか、あまりに演出しすぎで、逆に冷めちゃいました。
信長が、光秀に「これまでの忠勤、大義であった」と言い放って、燃えさかる奥の間に入り切腹するというシーンで描かれており、反旗を翻した部下にこんな台詞を言えたら、なかなかのものですが、まぁ、そうとう嘘くさい感じだったかな。

その後、秀吉と光秀が戦った山崎の戦いも、秀吉と光秀が対面で出会って、秀吉にそのまま討たれて死ぬという、合戦シーンすら描かれないという、思い切った演出になっていましたが、これは、演出というよりは、予算の都合上、合戦シーンを描けなかっただけなのか・・?と邪推してしまう演出でした。

本能寺の変以降の光秀の見せ場が演出しすぎで、逆に尻すぼみ感が半端ない作品になり、残念なところでした。


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[ 2020/04/13 00:00 ] 東洋史 | TrackBack(0) | Comment(0)

【邦画:歴史】 真田十勇士

【評価】★★☆☆☆

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2016 年/日本
監督:堤幸彦
主演:中村勘九郎

先日、映画「真田幸村の謀略」を見たので、その関連作品(?)ということで、本作をレンタル。
映画「真田幸村の謀略」でも真田十勇士が活躍しましたが、本作の活躍具合はいかがなものでしょうか?

【ストーリー】
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猿飛佐助は、偶然の出来事から、真田幸村と出会う。
幸村は、世間では知将として評判が高いが、実は、これまでの功績は偶然のことで、知将でも名将でもない平々凡々たる人物であった。
しかし、その知名度を利用しようと考えた佐助は、同じ抜け忍である霧隠才蔵とともに、幸村を担いで、大阪城に入城し、徳川家康との戦いの臨むのだった。
佐助と才蔵の入れ知恵により、大阪城でも知将としても名声を高める幸村。
戦いの帰趨は、大阪方に不利に傾き、幸村達は、家康との最後の決戦に臨むことになる。そこで、初めて幸村は真価を発揮し、家康面前まで突撃し、そこで討ち死にすることで、日本一の兵との評価を得るのだった。
一方の佐助は、豊臣秀頼の大阪城脱出を企図し、無事、秀頼を城から落ち延びさせると、そのまま、船で薩摩まで秀頼を送り届けるのだった(完)。
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【平凡な真田幸村】

知将の誉れ高い真田幸村は、実は平々凡々な人物だったという、なかなか面白そうな設定の作品。
昔、「特攻の拓」というヤンキー漫画があって、柔弱で気の小さい男子が主人公が、幸運と仲間のサポートによって、ヤンキー界で伝説的な存在になっていく、といったストーリーでしたが、その漫画を思い出しながら視聴しました。

「特攻の拓」は、主人公の強運っぷりがなかなか面白い作品でしたが、本映画は、幸村が平々凡々な人物という設定の割には、押し出しは立派だし、本作の主人公猿飛佐助や霧隠才蔵のリモートコントロールになっていても、
受け売りの言葉を弁舌さわやかに論ずることができるなど、中途半端にできる人物だったので、「平凡な人物設定」があまり生きておらず、どうも中途半端な作品だったなぁという印象。




【「真田幸村の謀略」vs「真田十勇士」】

真田幸村に関する作品で、少々無茶な設定の作品としては、先日視聴した映画「真田幸村の謀略」がありますが、設定やら展開は、「真田幸村の謀略」の方が数段上手でした。

「真田幸村の謀略」では、隕石が飛んでくるわ、薬物をつかって幻覚が生じて、真田丸(幸村が築いた大阪城の出城)が空を飛ぶわ、最後に家康の首も宇宙彼方に(これは言い過ぎ!)吹っ飛んでいくわ・・・・飛ぶ話ばっかりですが、ぶっ飛んだ設定が活かしていましたが、本作「真田十勇士」はアイディアの割に、だいぶおとなしい話でした。

真田幸村は平凡だけど、幸村に使えた佐助と才蔵が切れ者だったので、幸村は活躍できたという流れで、幸村の活躍は頭の切れる人がいたから実現されたというのでは、平凡な人物が、こんなすごい功績を残したのはなぜ?という興味深い問いへの答えにはなっておらず、物足りなかった・・・。



【蛇足な最後】

ラストは、幸村がこれまでの平凡ぶりを脱して、本領を発揮して、家康本陣まで突撃して面前で戦死、日本一の兵の勇名を残すという展開になります。
・・・うーむ、最後には、幸村平凡説すらも覆してしまったのか。設定が破綻気味でした。

幸村は結局すごかったで終わるのかと思いきや、話はさらに続き、大阪の冬・夏の陣は、家康と淀君(大阪方の実質的なトップ)が仕組んで引き起こされた戦いだったとか、秀頼を大阪城から落として命を救うとか、むちゃくちゃ蛇足だよなーという話がくっついて、映画は終了。
最後の淀君や秀頼エピソード、いらなかったなぁ。
ついでに、淀君と幸村の恋愛悲話も不要だったと思います。

基本設定をしっかりと守りつつ、余計な話は省く、こういうストーリーが骨太で面白い作品になるのではなかろうかと考えつつ、「真田幸村の謀略」の方が断然出来がよかったことを再認識したのでした。




[ 2020/04/08 00:00 ] 東洋史 | TrackBack(0) | Comment(0)

【TVドラマ:歴史】 陰陽師

【評価】★★★☆☆

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2020年/日本
監督:篠原哲雄
主演:佐々木蔵之介

妻の「絶対に観たい!」という強い希望により、一緒に視聴。
野村萬斎版の作品をイメージしてみましたが、だいぶ異なる印象。さてさて・・・。

【ストーリー】
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平安時代中期、900年代後半の頃。
その頃、京の都では、怪異が起こっていた。
陰陽師・安倍晴明は怪異の原因について調査を進める中、全ての出来事が、20年前の平将門の乱に繋がっていることに気づく。
平将門に繋がる者が、鬼と化した将門を復活させんと、画策を行っていたのだった。
その陰謀を食い止めるべく奔走する晴明だったが、将門復活の呪いは成就してしまうのだった。
しかし、復活した将門と対決した晴明は、将門の怒りと悲しみを沈め、将門は人に戻ってあの世へと戻るのだった(完)。
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【平安を舞台とした現代劇】

野村萬斎版の映画「陰陽師」を期待して見ると、だいぶ期待外れに感じてしまうかも。
なんか、雰囲気がそぐわないなぁ・・・と思うのですが、おそらく、本作は、話し方や所作、その他諸々が非常に現代風で、平安時代をテーマにした現代劇を見ている感じ。
その一方で、貴族の顔がおしろいで白塗りという、おそらく当時の風俗を再現したメイクなのでしょうが、明らかにバカ殿だし(苦笑:志村けんさん、ご冥福をお祈りします・・・)。

全体的にちぐはぐな感じが否めず、主役の佐々木蔵之介さんも頑張っているのですが、なんか違うなぁという印象が最後までぬぐえずじまいでした。



【ツンデレトークが・・・】

夢枕獏さんの原作「陰陽師」では、安倍晴明と源博雅の掛け合いが魅力の一つとなっている作品ですが、ちょっと間違えると、男同士でツンデレトークを交わすボーイズラブな雰囲気が出てしまう危険があります。
本作では、原作のやり取りが、なかなか忠実に再現されていましたが、どうしても、男同士でいちゃついているやばい雰囲気だった(笑)。
難しいよね-、そしてやっぱりそうなっちゃった。

晴明と博雅の会話は、よほど工夫しないと、そうなっちゃうよねぇという見本でした。
野村萬斎版では、ボーイズラブ的な雰囲気はなかったけどなぁ・・・。
演じ方によるのかなぁと、ちょっと気恥ずかしく見ておりました。



【誰が一番の適役だったかというと・・・】

ストーリーは、平将門の乱と絡んだ、歴史的に壮大なお話。
わりと面白い話だったなぁと思います。
人間一人、あの世から蘇らせても、世界が滅ぶとは思わないので、(例えば、現在にヒトラーを蘇らせたところで、さほどたいしたことはないのではと思うわけで・・・)平将門を蘇らそうと言う執着は、正直不思議ではありますが、ここはお話なので、平将門が蘇ったら大変なことになるという前提でドラマを見るのが正しい観賞のしかたでしょう。

ストーリーは、定番どおり、結局、平将門、一回蘇るものの、やっぱり、安倍晴明に倒されちゃうというもの。
鬼と化した平将門が、人間に戻って死んでいくという泣ける展開ですが、鬼の将門も人間の将門も、小汚いおっちゃんで変わらなかったのに、ちょっとびっくり(笑)。
人間に戻った時は、もうちょっとこぎれいになって欲しかった。

ちなみに、安倍晴明のライバル、芦屋道満は竹中直人が演じており、最初適役かなと思ったのですが、ちと、エネルギッシュ過ぎて、思ったほど適役ではなかった。怪しげな人間役には竹中直人かなと思ったのですが、意外と難しいもんです。

全体的に、みんな役がはまってなかったなぁと思いましたが、予想外に剛力彩芽の鬼女ぶりだけは、なかなかでした。ZOZOの前社長、前澤氏への怨みがうまく炸裂!?したわけではあるまいな・・・。


[ 2020/04/05 03:15 ] 東洋史 | TrackBack(0) | Comment(0)

【邦画:歴史】 真田幸村の謀略

【評価】★★★★★

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1979年/日本
監督:中島貞夫
主演:松方弘樹

先日、映画「風林火山」を観たら、この映画を観たくなってしまったのでレンタル。子供の頃、テレビ放映で観たことを覚えていますが、ラストシーンがすさまじく印象的だったのを覚えています。

【ストーリー】
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関ヶ原の戦いで西軍についたため、家康により九度山蟄居となった真田昌幸・幸村親子。
真田昌幸は九度山蟄居となった後も家康の首を取ることに執念を燃やしていたが、その思いもむなしく病没。昌幸の意志を継ぎ、家康の首を取ることを誓う幸村は、江戸幕府に反感を持つ草の者達を集め、その準備を着々と整えるのだった。
そして、紀州にやってきた家康爆殺を企てるが失敗。この暗殺計画を大阪方の仕業になすりつけた家康は、これを口実に大阪討伐の軍を上げるのだった。
家康征伐の絶好の機会と、幸村は草の者達を引き連れ大阪城に入城。しかし、大阪方は、家康の策略にはまり、城の堀を埋め立てられ、防衛力を奪われた末、大阪城の主・豊臣秀頼は自刃して果てるのだった。
江戸に凱旋し油断する家康を、幸村は影武者とともに、襲撃。
大勢の影武者に翻弄され、家臣とはぐれた家康を、幸村はついに仕留めるのだった(完)。
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【幸村と真田十勇士】

子供の頃、TVで見たことは覚えていますが、ラストシーンだけ、すごく印象に残っている作品。
今でも目をつぶると、この映画のラストシーンが・・・(しみじみ)。

映画のストーリーは、日本人にはおなじみ、真田幸村と真田十勇士の活躍を描いた内容。
昔は、真田十勇士って、そこそこ知られていましたが、今はあまり知る人も少なくなってきているかも。
まぁ、私の子供の頃でも、真田十勇士って、そんなに知られているヒーローというわけではなかったわけですが。



【仲間集めとサービスシーン】

序盤は、真田十勇士が集まるところが描かれ、正直、少々退屈。
黒沢明監督の「七人の侍」の影響なのか、仲間を集める場面が一つのストーリーとして描かれるのは日本の作品の特徴かも。映画だけでなく、「ワンピース」のような漫画でも、そういうシチュエーション、結構、多いですね。

後は、一昔前の日本映画に多い気がしますが、なんか、無駄に裸のシーンが出てきて、この作品もご多分に漏れず。時代劇「水戸黄門」で由美かおるの入浴シーンが、視聴者へのサービスシーンであると、冗談半分に語られるのは、一定の世代には定番の小話ではありますが、裸とか入浴とかがサービスシーンだと思っているあたりも、少々、時代の古さを感じさせはします(苦笑)。



【アナーキー幸村】

正直、序盤、中盤辺りまではまどろっこしいんですが、家康の首を狙うぞという展開になり始めてから、面白くなってきます。
初っぱなの作戦が、「フランキ砲」という大砲の視察にきた家康を、大砲の火薬に引火し、大砲ごと吹き飛ばしてしまえという、ぶっ飛んだ派手な大作戦。
もちろん、失敗するわけですが、これが、家康と豊臣方の大阪勢との手切れのきっかけになるという設定も、歴史の実話とうまく織り混ざっていて、なかなかに面白い。

更に、面白いのが、幸村の立ち位置。大阪の冬・夏の陣で大阪方に与するものの、大阪方への忠義立てなどは一切なく、目的は、家康の首をとることのみ。
さらに、「家康の首を取り、仮に豊臣が幕府を作るようなことがあれば、今度は、豊臣の首を取るだけ」と、かなりアナーキーな幸村。もう、たまらんです(笑)。

こういう設定なので、ラスト、幸村が家康を討ち果たす展開は、大阪城が落城し、豊臣家が滅亡した後の話という、豊臣家はどうでもよいという、思い切りぶり。いやぁ、いいです!

幸村の影武者10人と幸村本人が、家康を追い詰め、最後、幸村が家康の首を一刀両断!
家康の首は、種子島宇宙センターで打ち上げる「はやぶさ」の如く、上空高く吹っ飛んでいく。
子供の頃、印象に残っていたのは、まさにこのシーン。
大人になって再見でしたが、やっぱりいいです。この場面をみるためだけに、この映画(140分程度)を見る価値ありというものです。


[ 2020/03/23 00:00 ] 東洋史 | TrackBack(0) | Comment(0)

【邦画:歴史】 風林火山

【評価】★★★★☆

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1969年/日本
監督:稲垣浩
主演:三船敏郎
原作:井上靖「風林火山」

そういえば、歴史映画は色々と見ていますが、邦画の歴史映画って、あんまり見ていないなぁと言うことに気づき、取っつきやすそうな作品をレンタル。

【ストーリー】
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時は戦国時代。山本勘助は、武田家の重臣、板垣信方に仕官することで、武田家に仕えることになる。
勘助の軍略の才が認められ、板垣信方だけでなく、信玄の軍師としても重用され、信玄の信濃攻略においては、その才を遺憾なく発揮するのだった。
そして、勘助は、信玄と信濃の豪族の姫との間に生まれた勝頼を寵愛し、勝頼のため、武田家をもり立てていこうと決意する。
そのような中、宿敵・上杉謙信との熾烈な戦いが開始される。
4度目の決戦・川中島の戦いにおいて、勘助の作戦は謙信によって裏を読まれ、武田軍は窮地に立たされる。
勘助は、武田軍の窮地を救うため、手勢をもって上杉軍に突入する。武田軍の援軍が到着し、形勢は逆転するが、その様子を傍目に見ながら、勘助は討ち死にをするのだった(完)。
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【昔の映画の雰囲気】

昔、本映画の原作となった井上靖氏の「風林火山」を読んだ時、山本勘助の死をもって小説が終了していて、そこで初めて、「武田信玄じゃなくて、山本勘助が主人公の話だったんだ・・・」と気づくという、己は一体何を読んでいたんだと、突っ込みたくなる体験をしたことが思い起こされます。

そんな小説が原作ですので(?)、本作は山本勘助が主人公の作品です。

冒頭、白黒だったので、「古い映画だとは思ったが、まさか白黒映画!?」と唖然としながら見始めましたが、白黒は冒頭の数分の場面のみ。
敢えて白黒の場面を冒頭にぶち込むことで雰囲気を出す演出だったと思いますが、昔の映画は、確かにそういう演出、よく見かけた気がします。

また、本作2時間40分程度の長作(昔の映画は長いものが多かったですね)ですが、映画の真ん中で「休憩」が挟まってました。
映画館で放映した際、真ん中で休憩時間があったんだと思いますが、こういう辺りも、昔の映画だなぁという雰囲気を感じました。



【戦場シーン、作戦の妙はというと・・・】

井上靖氏の「風林火山」は昔に読んだものの、当時、何度も読み返したことがあるので、今でもなんとなく小説の雰囲気やらは覚えておりますが、本作も小説の雰囲気が良く出ているなぁと思いながら鑑賞しました。
山本勘助の無骨な雰囲気は、三船敏郎の演技がよくマッチしていると思いました。

他方、もったいないなぁと思ったのが、戦場シーン。
昨今の歴史映画とかは、戦場シーンや、作戦、駆け引きが見せ場として面白く描かれていることが多いですが、軍師・山本勘助を描いているのに、作戦の妙や戦場シーンの見せ場がほとんどなかったなぁとい点。
作戦自体の面白さを映画に取り入れようという潮流も最近の流れなのかも知れません。
昔の映画は、そういった発想自体がないので、今見ると、その点に物足りなさも感じてしまうかも。



【「真田幸村の謀略」だ!】

とは言いつつ、最後のクライマックス、川中島の合戦は、なかなかの見応えで描かれていました。
しかも、この戦いでは、山本勘助の作戦が敵将・上杉謙信に読まれ、山本勘助仕える武田軍は苦境に陥るという展開。
作戦の失敗が一番のクライマックスというのも、なかなか面白い設定であり、こういう設定は最近の映画でもあまり見ないかもしれないという点ではなかなか新鮮。

川中島の合戦と言えば、上杉謙信が武田信玄の本陣に切り込み、謙信と信玄の一騎打ちが行われたという話が非常に有名ですが、この場面が本作でも描かれています。
なんと、謙信が10名くらいの影武者と一緒に、信玄の本陣に切り込むという展開。
これは・・・映画「真田幸村の謀略」ですな(笑)。
久々に、「真田幸村の謀略」を見たくなりました。

最後の最後は、なかなかの盛り上がりで大満足でした。

しかし、この映画、武田信玄とか山本勘助を知っている日本人じゃないと見てもよくわからないだろうなぁ。
外国の歴史映画を見ても「うーん、いまいちピンとこない・・・」という感想になるもの、結構ありますが、この映画も外国人からみたら、そんな印象になるかも。

歴史背景をよく分かっている日本人なら十分楽しめますが、そうでない外国の人から見ると、あまり楽しめないかも。国際的な映画として評価を受けるためには、そういったことも意識しないといけないのかもしれません。


[ 2020/03/22 00:00 ] 東洋史 | TrackBack(0) | Comment(0)
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kappa1973

Author:kappa1973
 
読んだ本と映画について、感想を書いていきたいと思います。
 
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★★★★☆:良い作品!
★★★★★:殿堂入り!?

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