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読書と映画

読んだ本、見た映画について感想を書いています。
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【漫画:動物】伊藤潤二の猫日記 よん&むー

【評価】★★★★☆

yonmu.jpg
著者:伊藤潤二
出版:講談社


うーむ、風邪気味だなぁということで、布団に入りながら静養しつつ気軽に読める本と言うことで、この本をチョイス。
家には、伊藤潤二作品がわんさかあるのですが、伊藤潤二本道のホラー物は、ちょっと体に良くなさそうですので、伊藤潤二作品には珍しい非ホラー物で癒されようと思います。

本作は、伊藤潤二先生が結婚し、新居にて新妻A子さんと猫2匹「よん」と「むー」と新しい生活を始めた様子を描いた作品です。

ホラーではないと言いながら、絵柄は、いつもの伊藤潤二ワールドそのものです。
伊藤潤二先生、元々は犬派だったそうですが、新しく新居に迎える猫むーと出会い、その可愛さに思わず、食べたくなっちゃいます。
その愛情表現の絵たるや、歯をむき出しに、今にも食い掛からんとする様子で、ホラー漫画そのものです(笑)。
しかし、その後の猫への傾倒ぶりは、ホラー的表現からの落差が大きすぎ、爆笑物。

J-o.jpg
ホラーな形相で猫を食べようとする伊藤潤二先生

随所に伊藤潤二ワールドと猫への寵愛ぶりの落差が出てきて、猫をよく知らない人でも、思わず笑ってしまう内容です(実際、私も猫のことは、とんと知らないので)。

また、新妻A子さんの描写も半端ないっす。
伊藤潤二先生、富江なんかに代表されるように、美少女を描かせたら、透明感のある彫刻のように美しい美女など、抜群に美しく描かれますが、新妻A子さんについては、そのような美女描写にはせず、基本、白目状態の怪しげな雰囲気の女性として描かれています。

本作中のコラムでも、「A子さんを白目で描いて、A子さんから文句は出なかったのですか?」ということについての顛末などが書かれていますが、普通に考えると、こんな描かれ方されると、女性は嫌かもしれないなぁ・・。

A子さん、猫歴が長く、伊藤潤二先生より断然、猫の扱いになれています。
そのため、猫じゃらしを使って、「よん」と「むー」を自在に操ったりしますが、その描写も、なんだか、非常に怪しいサーカスの団員みたいです。
猫と猫じゃらしで遊んでいるだけの風景にも関わらず、なんだか、非常にまがまがしい描写なのが、この本のテーマとの強烈な落差を感じさせ、笑わずにはいられません。

A-ko.jpg
猫じゃらしで遊んでるにしては禍々しい雰囲気を漂わせてます。

なお、私の妻のこの本でのお気に入りは、伊藤潤二先生が、「よん」のくしゃみで濡れた廊下で滑って、転がってしまうというシーンなのですが、このシーンでの伊藤潤二先生の転がり方は、ホラーさながらな、奇怪な姿勢ですっ転がります。

全編にわたって、ホラー的な表現を用いつつ、癒しと笑いに転化する表現力、見事というしかありません。

ボリューム自体は、薄めなので、読んでいるといつの間にか終わってしまうのが残念なところですが、伊藤潤二ワールドのホラー以外での意外な(?)才能を楽しめる一作だと思います。

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[ 2012/11/29 19:08 ] 動物 | TrackBack(0) | Comment(0)
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kappa1973

Author:kappa1973
 
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