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読書と映画

読んだ本、見た映画について感想を書いています。
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【邦画:犯罪】 ダイナー

【評価】★★★☆☆

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2019年/日本
監督:蜷川実花
主演:藤原竜也

WOWOWで放映するのを、妻が見たいというので一緒に視聴。「結構、恐竜映画好きだよね?ジュラシックパークとか。」と言ったら、「それは、『ダイナソー』でしょっ!」と突っ込まれましたが、素で勘違いしておりました・・・

【ストーリー】
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違法なアルバイトに手を染めたばかりに、裏社会のレストランのウェートレスに売り飛ばされてしまった主人公。そのレストランは、裏社会の住人-人殺したちが集まるレストランであった。
売り飛ばされて早々、役に立たないとオーナーに殺されかけるも機知により生き延びる主人公。
そのレストランで危険にさらされながら、表社会では居場所のなかった主人公が、徐々に自分の人生を取り戻し始める。
そんな中、裏社会のボス達が集まる懇親会がそのレストランで開催。
反目し合うボス達は、ついに殺し合いを始め、一人のボスが他のボスを全て殺してしまうが、その事情を全て見てしまった主人公も始末されそうになる。
しかし、元殺し屋であるオーナーが、ボスに立ち向かい、主人公を助けてくれる。
レストランから逃がしてもらった主人公は憧れの地メキシコで、自身のレストランを始める、必ず、オーナーが生きて食事に来てくれるだろうことを祈って。
数年後、その願いは叶い、オーナーがこの店に現れるのだった(完)。
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【カラフル、極彩色】

蜷川実花監督の作品、極彩色のカラフルな映像が特徴的ですが(と言いつつ、蜷川監督作品を観るのは、これが初めてですが)、確かに、目がチカチカします。
カラフルっていう言い方も、何か芸がないなぁと我ながら表現力の乏しさに絶望してしまいますが、良くも悪くも、蜷川作品だな、という個性が溢れていると言えそう。

私が好きな絵で、アンリ・ルソーというフランス画家の作品があるのですが、原色感というのでしょうか、そのような点で、アンリ・ルソーをふと思い起こしました。



【「キル・ビル」の雰囲気】

ストーリーは、舞台となるレストランに、精神や性格がいろんな方向に歪んだ人々-殺し屋が集まってきて、結局、殺し合いを始めるという、冷静に考えると、かなり殺伐とした話ですが、カラフル極彩色な世界では、意外とマッチしている感じもあります。

どことなく、映画「キル・ビル」を感じさせるかなぁ、なんて思いながら観ていました。
「キル・ビル」のタランティーノ監督も、作品からは相当いかれた人っぽいという感じを受けますが、本作もちょっと、そんな臭いがしないでもないかな(笑)。



【ラストは恋愛映画に】

どことなく、いかれた雰囲気があって面白い展開でしたが、後半から、主人公とレストランのオーナーに、心の交流が芽生え始めたりと、少々、良い話にかたより始めます。
うーむ、おしいな、折角のいかれた話が、良い話になってしまった。
さらには、それが加速化して、恋愛映画的な流れになってしまったのは、理想の世界を目指して幕府を倒したのに、倒幕の功労者が贅沢三昧な暮らしを始めてしまった的な、裏切りの気分を味わったといったところでしょうか(おおげさ)。

できれば、いかれた映画はいかれたままで終わって欲しかったなぁ。
欲を言えば、ハッピーエンドじゃない方が良かったなぁと、ラストシーンを観ながら思ってしまったのは、我ながらろくでもないなぁ、と思った次第。
こりゃあ、ホラー映画の見過ぎかもしれません。

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【洋画:ギャング映画】 キング・オブ・ギャングスター

【評価】★★★☆☆

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2018年/イギリス
監督:リッチ・ハーネット
主演:ルーク・マブリー

最近、ちょっとブームで視聴しているギャング映画と言うことでレンタル。実話ベースの作品ですが、タイトルからすると、かなり大物のギャングが主人公なんでしょうか?

【ストーリー】
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フーリガンであったカールトン・リーチは、仲間をマフィアに殺されたことをきっかけに、裏社会へと足を踏み入れる。
金を持ち逃げしたチンピラの確保から店の用心棒まで、幅広く着実に裏稼業をこなしていき、裏社会での知名度を高めていくリーチ。
しかし、ビジネス絡みで、別のグループとトラブルになったことをきっかけに、裏社会を牛耳る大物マフィアグループに命を狙われることになるリーチ。
引退を決意し、大物マフィアと単身話を付けにいくものの、結局、そのグループの配下に入り、マフィアとして生き続けていくのだった(完)。
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【同じ人物を描いた他の作品も】

イギリスの名の通った実在のギャングの半生を描いた作品。
なんとなく、以前、ちょっと似たような話を見たことがあるなぁと思ったのですが、「UKギャングスター -イギリスで最も恐れられた男」が、まさに同じ人物を題材にして作られた作品でした。
こちらの作品は以前観たことがあるので、なんとなく記憶に残っていたのでしょう。
意外と記憶力確かだな、なんて自画自賛。



【お仕事映画ですね】

ギャング映画というと、対立組織との抗争とか、警察組織との熾烈な戦いといったことがテーマになることが多いですが、本作は、あまりそういった話は出てこず、金を持ち逃げしたチンピラを探し出してこらしめるとか、お店の用心棒を買って出るとか、裏稼業の仕事を真面目に淡々とこなしていく、お仕事映画といった風情。

うーん、盛り上がんないなぁ。
しかも、お仕事映画っぽくても、ビジネスに関わる人々との調整に苦労するとか、普通のビジネス的な苦労はないから、あまり参考にならないし。まぁ、元々参考にはしないですけどね(笑)。



【本当にキング?】

淡々とお仕事を進めていくリーチですが、他の組織とのトラブルが原因で、裏社会の大物組織から命を狙われる羽目に。
そこで、リーチは何をしたかというと、大物組織に謝りに行きましたとさ。
・・・全然、「キング・オブ・ギャングスター」じゃないぞ(笑)。

そういえば、リーチを描いた別の作品「UKギャングスター -イギリスで最も恐れられた男」を観た時も、「最も恐れられた男」じゃないじゃん、という感想を持ったっけ。
どうも広告に偽りあり。
最後に腰砕けになっちゃう人の話では、どうしても盛り上がんないよなぁ。
もうちょっと、キングにふさわしい人を題材として取り上げた方が良いんじゃないか、そんな印象を持った作品でした。


【洋画:ギャング映画】 フレンチ・コネクション -史上最強の麻薬戦争

【評価】★★★★★

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2014年/フランス・ベルギー
監督:セドリック・ヒメネス
主演:ジャン・デュジャルダン

1980年代、麻薬組織が横行するフランス・マルセイユを舞台とした作品。実話を元にした作品なのだそうですが、麻薬組織というとアメリカやメキシコという印象が強いのですが、1980年代は、フランスにおいてすさまじい勢力を誇っていたそうです。麻薬組織は、昨今のコロナウィルスなみに、至る所で猛威を振るっていたのですね。

【ストーリー】
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判事ミッシェルは、組織犯罪対策の判事として着任し、フランス・マルセイユで猛威を振るうザンパ率いる麻薬組織と対決することとなる。
麻薬組織撲滅のため、意気込むミッシェルは、組織の密売人を次々と起訴し、ザンパを追い詰めていく。
しかし、ザンパ率いる麻薬組織は、警察や検察内部、マルセイユ市長にまで食い込んでおり、味方の裏切りにより、ミッシェルは、その職を追われ左遷されてしまう。
その後、フランスで新しい政権が誕生し、改革をスローガンに掲げる政権により、ミッシェルは復権。組織の鍵を握る人物の逮捕にこぎ着ける。
逮捕者から様々な情報が漏れることを恐れた麻薬組織は、ついにミッシェルを暗殺するのだった。
そして、その暗殺と引き替えに、麻薬組織のトッザンパは逮捕され、フランス・マルセイユの麻薬戦争に一つの区切りがつくのだった(完)。
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【フランスの暗黒時代】

1980年代のフランスの麻薬シンジゲートに関する実話を基にした作品。
麻薬組織の横行、それに伴う警察や行政の腐敗。そして、ギャング同士の抗争と、フランスもこういう暗黒街の顔役がはびこっている時代があったんだなぁと驚きながら鑑賞しました。

麻薬組織のザンパ一味側からと、それを追い詰める検事ミッシェル側の両方からの視点で描かれますが、ザンパ一味の姿は、かのゴットファーザーを彷彿とさせる描かれ方。
実話がベースなだけに迫力ある展開となっていきます。



【映画「アンタッチャブル」】

「俺のことを犯罪者のように言うが、それは違う。言ってみれば、ビジネスマンだよ」なんてことを言うギャングのボス、ザンパは、さながら、アメリカ・シカゴの暗黒街を牛耳ったアル・カポネのようです。

また、ザンパを追い詰めることに執念を燃やす検事ミッシェルは、「アンタッチャブル」のエリオット・ネスと言ったところでしょうか。

絶頂にいるザンパに鉄槌を下す検事ミッシェルと、反撃を行うザンパの姿は、まさに、禁酒法時代のアル・カポネとエリオット・ネスの戦いを見るようで、久々に、「アンタッチャブル」以来の興奮の展開を味わえました。



【検事ミッシェル暗殺】

本作の展開は、映画「アンタッチャブル」のように、エリオット・ネス側の勝利で終わるのではなく、ザンパや腐敗した警察上層部を検事ミッシェルが追い詰めるものの、ザンパをトカゲのしっぽ切りにして、検事ミッシェルが暗殺されるという結末。

なんと・・・。ミッシェル暗殺の犯人としザンパは逮捕されるものの、追求は腐敗した警察上層部までにはたどりつかず、ミッシェルの犠牲で、麻薬組織のボス逮捕という、差し違えのような結末。
巨悪は、自陣営内にいたという、なんとも後味の悪い結末で、判事ミッシェルも自分の命を掛けたものの、完全には勝利しきれずというとことでしょうか・・・。
これが、現実の厳しさなのかもしれませんが、巨悪までたどり着いて欲しかった・・。


【邦画:犯罪映画】 日本で一番悪い奴ら

【評価】★★★★☆

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2016年/日本
監督:白石和彌
主演:綾野剛
原作:稲葉圭昭『恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白』

北海道県警で起きた実際の不祥事を題材とした映画。前々から見たいなぁと思っていたのですが、地元のGEOでは、なぜか、ずーっと準新作扱いにされていて、高値プレミアムが付いていた状態で、旧作に落ちるまで待っていたのでした。ようやく、旧作になっていたので、早速レンタル。

【ストーリー】
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高校卒業後、北海道県警に就職した主人公。
真面目一筋で、要領もよくない主人公だったが、先輩警官の「やくざの中に協力者を確保して、その情報を使って検挙実績を上げよ」というアドバイスに従い、やくざとのつながりを深め、拳銃の検挙実績で好成績を上げるようになる。
しかし、検挙実績を上げるため、ロシアから拳銃を購入して検挙実績にするなど、違法捜査や検挙実績を上げることだけを目的とした行動を取るようになり、更に、拳銃を購入する費用を稼ぐため、覚醒剤の密売を仲間のやくざに行わせ、その金で、拳銃を購入し検挙実績とするなど、犯罪行為にどっぷりとはまり込んでいるのだった。
更に、県警内で、200丁の拳銃密輸を摘発するおとり捜査として、40億円相当の覚醒剤の密輸を見逃すという違法捜査に荷担するものの、おとり捜査は失敗し、主人公は左遷されてしまう。
左遷による失意から、自身が取り扱っていた覚醒剤に手を出し、ついには逮捕され、また、違法捜査に荷担していた警官仲間も自殺するが、県警の上層部は、主人公にだけ罪を負わせ、一切の責任を取ることはなかったのだった(完)。
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【いやはや、本末転倒】

警察による不祥事は、かなり報道されていて、今やまたか、という感じすらありますが、本作は、警察の不祥事が発生する構造的原因をえぐり出したかのような内容です。

北海道県警の警官である主人公は、拳銃の摘発実績を上げるため、暴力団と通じることで、暴力団から情報を得て拳銃摘発の実績を上げるようになります。
しかし、いつしか、摘発実績を上げるために、拳銃をロシアから購入しだし、更には、その購入資金を手に入れるため、覚醒剤の密売を行うようになり・・・と、何のための拳銃摘発なんだと突っ込みをいれたくなる状況に陥ります。

哲学者ニーチェの著書「善悪の彼岸」の中で、「怪物と戦う者は、自分自身も怪物にならないよう気をつけねばならない。深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いているのだ」という言葉がありますが、まさにその言葉どおりの展開に・・・。

わざわざニーチェを持ち出さなくても、日本の四文字熟語やことわざにも、「本末転倒」や「ミイラ取りがミイラになる」と言った言葉がありますが、古今東西、こんな境遇に陥る人はめずらしくないのかもしれません。



【ノルマ至上主義】

主人公が、こんな不正に手を染めるようになった理由は、北海道警のノルマと成績至上主義が原因なようです。
なんとしても、拳銃摘発の実績を上げようと、実績さえ上げられれば手段は問わずという風潮となってきます。

県警内ですら、拳銃200丁の密輸を摘発するために、まずは密輸組織が行う麻薬100kgの密輸を目をつぶって通してしまうなんてことをするのですから。
麻薬100kgって、末端価格だと、グラム3万円なら30億円。
それに対し、拳銃200丁は、1丁10万円としても、2000万円ですから、拳銃200丁のために、それよりも明らかにインパクトの大きい麻薬100kgを国内に流通させてしまうのですから、もはや狂っているとしかいいようがない・・・。

ノルマ至上主義のすさまじさと言うしかありません。
そういえば、日本郵政でも、ノルマ至上主義が原因で、保険勧誘・加入で組織的に大規模な不正が発生したなんていう事件が、最近、ニュースを賑わせましたが、過剰なノルマは倫理をぶちこわしてしまうのでしょう。



【公共の安全と市民の平和を・・・】

冒頭、主人公が、なぜ警官になったのかを先輩警官に尋ねられ、警察官の宣誓書か何かに書かれている言葉、「公共の安全を守り、市民の平和と・・・」を思い出しながら答えるシーンは、映画「アンタッチャブル」でも似たような場面があり、東西問わず、警官は、まず、その言葉を暗唱させられるんだなと、印象深く感じました。

本作の主人公は、その後、成績を上げるために、この言葉の意義は忘れてしまい、むしろ、小さな不正は巨悪を摘発するために必要という理屈で、自身の行動を正当化させるための言葉にすらなってしまいます。

結局、主人公が追求したことは、巨悪の摘発でもなんでもなく、善悪関係なく成績を上げることとという、非常に矮小化した自己目的の追求だったわけで、目的や本来の意味を見失ってしまうと、こうも堕落してしまうのだなぁと、恐ろしさを感じる作品でした。



【洋画:ギャング映画】 レジェンド -狂気の美学

【評価】★★★☆☆

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2015年/イギリス
監督:ブライアン・ヘルゲランド
主演:トム・ハーディ

イギリスの実在のギャングを映画いた作品。
どうも、自分には無縁の世界を描いた作品に興味を惹かれてしまうところがあり、レンタル。

【ストーリー】
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1960年代にイギリス、ロンドンに実在した双子のギャング、レジナルド・クレイ、ロナルド・クレイの半生を描いた作品。
理性的で知性のあるロナルドと、凶暴で統合失調症も患っているレジナルドの双子の兄弟は、ロンドン・イーストエンドの地から台頭し、ギャングとしてのし上がっていく。
ロナルドは、一人の女性に恋をし、結婚をする。彼女は、ロナルドがギャングから足を洗うことを望むが、現実は、その願いとは反対に、ますます、ギャングとしての地位を固めていく。
そのような状況が亀裂を生み、彼女はロナルドと離別し、自殺してしまう。
その後、ロナルドとレジナルドは、対立するギャングや、裏切った仲間を自らの手で殺すなど、事件を引き起こし、2人とも警察に逮捕され、その生涯を刑務所の中で終えることになる(完)。
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【双子のギャング】

実在したギャングを描いた作品。
双子のギャングで、兄は理性的、弟は凶暴と正反対の性格を持ちますが、絶妙なコンビで、暗黒街をのし上がっていくというストーリー。

片一方は理性的、片一方は凶暴というのは、典型的なコンビパターンなのでしょう。

例えると、警察で、容疑者の取り調べをする際、一方は脅し役、一方の警官はなだめ役、こんな感じでしょうか(ギャングを警官に例えるのはいかがなものか)。



【ギャング映画っぽさは薄い】

映画は、実在ギャングを描いているものの、ギャング同士の抗争や、裏社会の話というよりは、双子の片割れの兄と恋人との関係を軸に描いています。
そのため、ギャングっぽい凶暴さや裏社会的な印象はなく、まっとうなビジネスをやっている人に見えなくもない。

できれば、裏社会での抗争とか、ギャング界を牛耳っていく過程が描かれていると、ギャング映画としての面白さがあったのになぁ、と残念なところでした。

ただ、弟のやばい雰囲気はよく出ていたように思います。



【最後の転落】

後半は、兄と恋人(妻)との関係破綻、警察に逮捕され転落するという終わりですが、双子の二人が転落する過程も、もうちょっと丁寧に描いていると、色々と感じられる部分もあったのではと思います。

最後に二人が人生を転落する過程も、突然、切れて殺人を行い、逮捕される、という急展開な転落だったので、ちょっと唐突に感じられました。

ギャングとかって、ファミリーというくらいなので、血縁関係が重視されるので、こういう双子でギャングやってます、っていう例もあるのでしょうか。いろいろなギャングがいるんだなぁと、その点は、興味深く見たのでした。



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kappa1973

Author:kappa1973
 
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