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読書と映画

読んだ本、見た映画について感想を書いています。
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【漫画:歴史】 横山光輝版「三国志」(全60巻)

【評価】★★★★★

sangokushi_yokoyama.jpg
著者:横山光輝
出版:潮出版社




【まさかの全巻寄贈】


仕事の関係者に雑談で、「中学生の頃、『三国志』にはまって、吉川英治の三国志は、何度となく読み返しましたよ」なんて話したら、「横山光輝の漫画版『三国志』を全巻もらったんだけど、読まないからあげるよ」と言われ、後日、本当に全60巻、職場に持ってきてくれたのでした。

まさか、本当に持ってきてくれるとは思わず、ありがたく頂戴。
ただ、家に持って帰るには大変だし、置き場もないので、職場の棚に置いて、昼休み中にせっせと読み、1ヶ月ほどで読破したのでした。

ちなみに、全60巻とはいいつつ、所々、4巻ほど抜けていたので、こちらについては、ブックオフを回って、抜けている部分を買い足し、全巻揃えたのでした。
ブックオフは3か所ほど回って、欠けている部分を集めることができました(どれも1冊108円)。
読むのにも多少の苦労が必要というものです。



【下敷きは、吉川英治版「三国志」】


横山光輝版「三国志」について、その存在は知ってはいたのですが、読んだことはなし。全60巻もあるので、買って読むには、そこそこ散財しないといけないし、漫画喫茶に通って読むにも時間とコストがかかるしと、その分量の多さに、なかなか手が出ないところだったので、今回は、良いチャンスでした。

さて、読み始めてすぐわかりました。漫画版の下敷きになっているのは、吉川英治版「三国志」ですね。
吉川英治版「三国志」は、まだムシロ売りの劉備玄徳が黄河のほとりで行商船を待つシーンから始まり、これは、吉川英治版「三国志」のオリジナルですが、横山光輝版も、出だしから、その場面が踏襲されていました。

いやいや、懐かしい。思わず、めくるページの速度も速くなってしまうというもの。



【人物の描き分けに苦労が】


しかし、吉川英治版「三国志」は文庫で10巻に対し、横山光輝版は60巻と、6倍の分量。小説を漫画で表現すると、分量が膨大になるのですね。

さて、本作を読んでいて大変だなと感じたのは、人物の描き分け。それこそ、百人は優に超える人物が登場しますから、それぞれを描き分けるのにはなかなかの苦労が伺えます。
読み通して感じましたが、横山光輝さんのお気に入りのキャラは、結構、個性はっきりと描かれ、そうでない人は、あんまり個性がはっきりしない描き方だったような(笑)。

描き分けがはっきりしている人物としては、関羽、張飛の2人、そして諸葛孔明あたりでしょうか。
その他にもそれなりに描き分けられていますが、しっかり他と区別されるのは、この3名だった気がします。
実は、読んでいて、意外(というほどでもないですが)な人物が、関羽、張飛並に個性ある顔立ちで描かれていました。

それは、魏の武将、徐晃。
徐晃、魏の勇将の一人ですが、それにしても知名度以上に、かなりしっかり描き分けされていたような(笑)。絶対、横山光輝さん、徐晃ファンだな。



【赤壁の戦いは真ん中あたり】


三国志、非常に長い大河ドラマであるので、様々なエピソードがあり、どのエピソードを詳しく描くか、もしくは簡略化、省くかの判断は重要となります。
三国志最大のエピソードは、やはり赤壁の戦いですが、本書では赤壁の戦いは、25巻、26巻あたりで描かれており、本書の中盤よりもやや早い回で登場。
赤壁の戦いというと、三国志のクライマックスのようなイメージがあっただけに、かなり早い段階で登場してきたのはビックリしましたが、よく考えれば、赤壁の戦いの後に三国鼎立時代がやってくるわけですから、確かに中盤辺りで登場するのもおかしくはないですね。

ちなみに、赤壁の戦いでは、破れて敗走する曹操を、関羽が昔の恩義で見逃すというシーンがあります。更に、曹操の後を追って逃げてくる、曹操の武将、張遼も昔の友情により関羽は見逃します。
本書では、曹操を見逃すシーンは描かれていましたが、張遼を見逃す場面は描かれておらず、ちょっと残念。



【横山先生が好きなエピソードは・・・?】


やはり漫画であるだけに、全部書こうとすると、さらに膨大になってしまうでしょうから、メリハリをつけて描くエピソード、描かないエピソードが出てきます。
本書で省かれたエピソードで、意外だったのは、三国志序盤のクライマックスとも言える、曹操と袁紹の戦い-官渡の戦いがばっさり省略されたところ。
まさか、曹操と袁紹の戦いを思い切って切り捨てるとは意外でした。そのため、曹操の謀将・郭嘉は一切登場せず、また、袁紹配下の謀将たちも登場せず、なかなかに残念でした。

一方、相当の紙面を割いて描かれたエピソードもあります。
諸葛孔明による南蛮征伐。南蛮の王・孟獲を7度捕えては7度解き放ち、心の底から感服させるというエピソードなので、要は、7度の戦いがあるため、きっちり描こうとすれば、確かにそれ相当の紙面は必要にはなります。

南蛮征伐に割かれた紙面は、4巻分。
どのエピソードよりも、圧倒的分量が割かれていたのでした。
横山先生、諸葛孔明の南蛮征伐のエピソード、よほど好きだと見た!

こういう風に著者の好みなども、そこはかとなく漂ってくる当たりも、本書を読んでいて面白いところでした。

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[ 2017/06/25 00:00 ] 歴史物 | TrackBack(0) | Comment(0)

【漫画:歴史物】 サカモト

【評価】★★☆☆☆

sakamoto.jpg
著書:山科けいすけ
出版:小学館


C級サラリーマン講座の著者の作品ということで、期待して購入。
妻は、表紙を見ただけで、「これは無理」と言って、端から拒絶です。
いやぁ、こんなに面白いものを読みもせずに拒絶とは、気の毒なこってす。
ということで、私、一人で楽しむこととしましょう。

内容は、幕末の志士、坂本龍馬を主人公に、龍馬を含めその他の幕末の人物をギャグテイストに性格付けをして、4コマギャグ漫画にしたもの。
各キャラクターの性格付けはこんな感じ。

☆坂本龍馬
 好奇心旺盛で、変な物好き。C級サラリーマン講座の二階堂係長に少々似た性格。

☆勝海舟
 非常な知識人だが、その知識はフリーメイソンやユダヤの陰謀やら、オカルト知識ばっかり。

☆西郷隆盛
 金タマと薩摩芋に異常な執着を示す。

☆大久保利通
 西郷より理論的だが、やっぱり薩摩芋に執着する。
 あまり、際だったキャラ設定がされていない。

☆桂小五郎
 変装マニアで、小心者。

☆高杉晋作
 すぐキレる。キレると無茶をし、大抵、放火をしまくる。

☆近藤勇
 凶悪な人相。C級サラリーマン講座の鬼頭課長のような面相。
 土方歳三ラブで、沖田総司に嫉妬。

☆土方歳三
 2枚目キャラだが、男女問わずの好色漢。
 人を切ると性欲が増すという異常性格者。
 沖田総司が好き。

☆沖田総司
 血を吐くのが趣味の、デブ・不死身キャラ。
 肌がもっちりしていて、男から好かれる。
 殺人嗜好の変質的性質を持ち合わせている。

各キャラクターの性格設定は、史実をモチーフに設定されていて、結構考えられています。
そして、C級サラリーマン講座のような展開なのですが、うーん、なんだろう、期待したほどの内容ではなかった・・・。
雰囲気も、C級サラリーマン講座に似た感じなのに、C級サラリーマン講座のような面白さが薄いのは一体どうしたことか・・。
少し、まじめに考察してみようと思います。

本作品とC級サラリーマン講座の大きな違いは、C級サラリーマン講座が一から作られた世界観であるのに対し、本作品は幕末という現実の世界観の上に作られた作品-言ってみれば、幕末のパロディー作品であるという点にあるのだと思います。
パロディー作品の場合、オリジナル作品との距離感-オリジナル作品を上手く踏襲しつつも、異なった世界観を作る-が大切になると思います。

しかし、本作品「サカモト」の場合、キャラクター設定だけ幕末から取ってきてしまい、あとは幕末の史実とは乖離したオリジナリティの強い世界観を作ってしまったため、オリジナル作品の踏襲という部分が薄く、現実離れした世界感になっているという印象です。

単なるキャラクター同士の絡みだけでなく、幕末の史実も入れ込んで、ストーリーが進行する内容であると、もう少し違ったのかなという気もします。
後半、グラバーが出てきたりと、何となく時間が進んでいるような気もしないでもないものの、全体的には、止まった時間の中で、キャラクターが永遠に絡み続けるだけという、サザエさんやちびまる子ちゃん的世界観になってしまっているようです。

時間を進めてしまうと、最終的には、主人公の坂本龍馬の暗殺で漫画は幕を閉じてしまうことになると思いますが、幕末物パロディであれば、それも致し方ないことかと。

うーん、ギャグ漫画を、なぜか真面目に分析してしまいました(苦笑)。
ギャグ漫画は、小難しいことを考えずに、笑って読める、それが一番ですね!

[ 2012/07/02 23:53 ] 歴史物 | TrackBack(0) | Comment(0)
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kappa1973

Author:kappa1973
 
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