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読書と映画

読んだ本、見た映画について感想を書いています。
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【書籍:企業ルポ】 ホンダ神話Ⅱ 合従連衡の狭間で

【評価】★★★★☆

honda_shinwa2.jpg
著者:佐藤正明
出版:文藝春秋


【信玄亡き後の勝頼】

「ホンダ神話 教祖のなき後で」を大幅に加筆・修正したのが本作とのこと。
「教祖のなき後で」は以前読んだことはあるのですが、かなり昔に読んだこともあり、すっかり内容を忘れていたので、本作を読んでも、「以前、読んだことあるなぁ」なんてことはなく、新鮮に読むことができました(単に私の記憶が悪いだけの気が(笑))。

ホンダの創業者・本田宗一郎と藤沢武夫引退後の彼らの2世代、3世代後の後継者たちの苦悩が描かれます。

天才的な技術者と経営者であった二人の創業者の手法を「語り継げても受け継げず」という状況の中、後継者たちが混迷と迷走の中、ホンダをどこにもっていこうとするのか・・・天才の後を継いだ凡人(ではないですが・・)の苦悩を感じます。

言わば、巨匠・武田信玄の後を継いだ勝頼の心境といったところでしょうか。



【日産とルノーの統合】

本書で面白いのは、ホンダだけではなく、副題にある「合従連衡」のとおり、自動車業界の世界規模でのM&Aや統合、アライアンス(連携)といった動きも描かれている点。

中でも興味深かったのが、昨今、話題を振りまいている日産とルノーの統合の裏事情。
今は、日産とルノーが経営権を巡って内部闘争にも似た綱引きが行われていますが、2010年代前半に日産がルノーの子会社になるまでに、日産が苦悩の末、ルノーの軍門に降る決断は、企業の生き残りをかけた決断の熾烈さを感じることができます。

しかし、現在の日産とルノーのごたごたを見ると、組織というものは、形式的には合併・吸収できても、実態まで一体化するのは難しいということを痛感させます。
一旦事が起これば、分離する遠心力が働いてしまうわけで、人々を一つにまとめておくことは非常に難しいと言えます。



【ホンダの創業者一族】

本書では、本田宗一郎氏のご子息の話も触れられています。
ホンダには入らず、ホンダと直接のつながりを持つことがなかった宗一郎氏のご子息ですが、自身が経営する会社の経営破綻やそれに伴う詐欺事件などが、ホンダと関係ないといいつつ、ホンダや宗一郎氏の息子という立場に影響が及んでしまうことになります。
偉大な創業者を父に持ったが故に、血筋の呪縛とでもいうべきものがついてまわる悲劇のようなものもあり、色々簡単ではないなと思います。

一方のトヨタは、創業者の一族が、トヨタの社長になったり、うまくトヨタと関わっていくことで、創業者一族の繁栄につながっているようであり、トヨタとホンダの創業者一族の在り方の違いも興味深いところでした。

ホンダの歴史は、本田宗一郎氏の一族ではなく、宗一郎氏の薫陶を受けた弟子たちの歴史として紡がれているようです。




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【『ホンダ神話Ⅱ』より】
宗一郎と藤沢が作り上げた経営手法の問題点は、「語り継げても受け継げない」ことである。これは成功したどの創業者に共通して言えることだ。

(書き出し)
昭和元禄と呼ばれた時代が爛熟期にさしかかっていた昭和48年。

(結び)
本田「六本木の言う通りだ。あたしたちは草葉の陰で健闘を祈るしかない身だからな」
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【書籍:企業ルポ】 ユニクロ帝国の光と影

【評価】★★★★★

uniqlo_light_dark.jpg
著者:横田増生
出版:文藝春秋



【ユニクロに訴えられた本】

ユニクロの躍進や、ユニクロを率いる柳井正氏の実像に迫るルポ。
2010年頃のユニクロについてレポートした作品ですが、タイトルに「光と影」とあるだけに、衣料品業界の常識を打ち破ったユニクロのビジネスモデルと同時に、ブラック企業とも揶揄される企業マネジメントの実態にも迫っており、非常に面白い本でした。

本書は、後日、ユニクロから名誉毀損で提訴されたそうで(読んだ限り、名誉毀損という感じは全くなかったですが)、地裁の判決はユニクロの訴えを全面棄却となりました。



【次のステップアップを図るための場】

ユニクロが柳井商店という会社形態を脱しきれずにいて、多くの幹部社員の更迭や、従業員の離職率が異常に高い実態なども描かれていますが、ユニクロの代表者の柳井正氏が、有能な経営者である反面、一緒に働きたい経営者ではない一面は、私の職場のちょっと前の雰囲気に非常によく似ていて、こういう感じって、どこの組織にもあるんだなぁと思いながら読みました。

「叱咤激励というが、叱咤しかなく、激励はない」、「評価、コメントの口癖が『最悪です』」、上意下達の軍隊式・・・職場あるある的にその雰囲気、よく分かりました(笑)。
少し前の上司の口癖が、何かあると、「事故寸前」、「最悪だ」とかで、言われる方としてはたまったもんではないなぁと思ったものです(笑)。

ユニクロは、4年くらいで離職してしまう率が非常に高いようで、柳井正氏自身、「会社に入るも辞めるも本人が決めることで、終身雇用とかを前提とするものではない」といった趣旨のことを言っているそうなので、ユニクロ自体が、人を長く留めておくという発想にはない会社なんでしょう。
その意味では、ユニクロで働くという意味は、一定期間、経験を積むための場で、次のステップアップをするための一つの場所という感じに捉えるべきなのかもしれません。



【徹底的な生産管理が強み】

ユニクロが大躍進した一因は、低価格で品質が良い商品を提供できた、という面にあるかと思います。
ユニクロは、中国の工場に委託生産して商品を作っていますが、生産管理を徹底して、不良品率を徹底的に低く抑え、大量発注によりコストを下げるという方法が成功しています。
不良品率は、他の企業では、5~10%くらいは発生するところを、0.3%以下に抑えることに成功しており、不良品率は、製品単価に跳ね返る(製品の価格に上乗せされてしまう)ことを考えると、商品単価を低くする要素になっているようです。

その他、全ての商品を買い取り方式にすることで、商品製造に機動性を持たせることができる(ユニクロ主導で取引が行える)など、それ以外にも商品製造の面での工夫と、それを徹底的に実行している点が、ユニクロの強みのようです。

他方、ヒット商品が出る、出ないで業績が左右される構造は解消できず、フリースが大ヒットした時の躍進とその後の反動での落ち込みなど、ビジネスの構造上の課題は抱えていて、その面の解消はなかなかできていない点もあるようです。



【ユニクロとZARA】

本書の中で面白いと思った点は、ユニクロの方式は、衣料品業界の一つの解であるものの、安い労働力の搾取など、ブラック企業的な企業経営の面が生まれるという弊害があり、ユニクロとは違った解で、世界のトップに君臨する企業ZARAについても紹介されている点。

ZARAは、ユニクロの持たざる経営(工場などは持たず、委託で全て事業を行っていく方式)とは反対に、自社で製造工場を持つとともに、徹底的な需要予測と、売り切りご免という発想で、在庫が極力発生しない方式で、高い売上げと利益率を達成しています。

ユニクロとZARA、それぞれで経営思想やターゲットとする市場も異なるので、単純にどちらの手法が良いとは言えませんが、徹底的に需要予測をして在庫の残らない商品展開というのは、衣料品業界だけでなく、昨今のAI予測なんかにも通ずる点があり、興味深い手法だなと思いました。

ユニクロ、一見、新しい組織に見えつつ、旧態的組織を徹底効率化したようにも見え、この先、どうなっていくのか興味あるところです。
柳井正氏、現在もユニクロのトップとして君臨していますが、後継者などはどうなっていくのでしょうか。



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【『ユニクロ帝国の光と影』より】
とりわけ当社のようなカジュアル(普段着)で平均単価が1500円ほどの商品は、コンビニの弁当や駅スタンドの週刊誌を買う感覚で手軽に買ってもらえればいいと思っています

(書き出し)
私がユニクロとそれを率いる柳井正という人物に明確な関心を抱くようになったのは、同社の持ち株会社であるファーストリテイリングが2009年10月に決算数字を発表したときのことだった。

(結び)
そこにユニクロの栄光の全ても、また蹉跌の全ても凝縮されている。
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【書籍:体験記】 中国てなもんや商社

【評価】★★★★★

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著者:谷崎光
出版:文藝春秋



【中国とのビジネス】

中国の会社と取引を行う商社に入った主人公の体験記。
1980年から90年代の中国とのビジネス事情がよく分かる内容で、今ではこんなに無茶苦茶はないでしょうが、無茶苦茶な反面、中国の熱気も感じ取れる非常に面白い本でした。

発注とは全然違う商品を作って送ってくるとか、納期遅れは当たり前、あの手この手で取引に細工を仕掛けてくるなんていう、中国人のしたたかさと、それに苦闘しながらビジネスをなんとかまとめ上げていく姿は、国際ビジネスの難しさや面白さが表現されています。



【ヤモリ入りジャム】

中国製品については、数年前にも、食の安全の問題で、異物混入など日本でもニュースになりましたが、本書でもそれに類するトラブルも描かれています。

瓶詰のジャムの中のヤモリが入っていて、中国の工場にクレームを入れたら、「そのヤモリ、全身火傷してますか?していれば、うちの工場の製造過程で入ったと思われますが、そうでなければ、輸送途中で日本国内で混入した可能性があります」なんて、冷静に反論され、「ヤモリ、全身火傷してますけど?」と返すと、謝ることなく、「新しい商品を送りなおします」という回答。

日本なら大問題になって謝罪の嵐というところでしょうが、新しい商品と交換すれば問題ないでしょ?という割り切りの良さは、笑いすら感じるのでした。



【ハサミはしばりました】

その他にも、中国で縫製したジャンパーの背中の部分の裁断用のハサミが入っていて(なぜ、入るというツッコミしか思い浮かばないが)、それについても、「ハサミを入れた従業員は首にしました。あとは、対策として、ハサミをミシンに紐で縛り付けることにしたので、もう大丈夫です」って、日本の感覚からすると、ちょっとズレている感じも、おそらく、日本の常識と中国(世界)の常識は異なるのだなぁと思うところなのでした。

もともと、安い人件費で中国で生産させていて、そういったクレーム、問題が発生してもなお、中国で生産した方が良いという日本の都合もあっての話なので、日本の常識だけをもって、怒ったり嘆いたりしても仕方がないのかもしれません。

本書の著者も、中国のいい加減さや適当さ、狡さに怒ったり嘆いたりしながらも、一方で、中国の熱気やパワーとうまく付き合いながら、ビジネスをまとめ上げるあたり、立派な国際人という感じで(ちょっと言い過ぎか?)、ビジネス書として読んでも非常に面白い本でした。



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【『中国てなもんや商社』より】
中国が好きだった人ほど、この仕事をすると中国がきらいになるね。

(書き出し)
「乾杯!」

(結び)
今日は、まだ始まったばかりだ。
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【書籍:ルポ】 プライベートバンカー -カネ守りと新富裕層

【評価】★★★★☆

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著者:清武英利
出版:講談社



【日本人富裕層ビジネス】

日本人富裕層を対象にした金融サービスを行う銀行員を題材にしたルポタージュ。
銀行員といっても、日本の銀行員ではなく、タックスヘイブン的な要素を持つ、金融大国シンガポールの話。

富裕層に非常に有利な税制になっていることから、シンガポールに移住する富裕層の日本人が多くいるそうで、本作の主人公は、日本の證券会社を辞め、シンガポール銀行の日本人デスクに転職し、富裕層相手に仕事を始めることになります。



【お金はお金のあるところに集まる】

こういう世界があるのだなというのが、最初の印象であり、そして驚きでもあります。
富裕層の本を読むと、私が、思いっきり、一般庶民であることを痛感します(笑)。

富裕層ビジネスを行う主人公や、シンガポール銀行を始め、関りを持つ人は、富裕層の持つお金を守り、増やすことで、自分たちも利益を得るという構図。

ちょっとした小金をもっているくらいだと、増やすどころかだまし取られるのがオチというところがありますが、唸るほどの大金を持っているところには、だまし取るのではなく、更に増やそうという人が集まってくるのだなぁと、金があるところに、どんどん金が集まるのが世の中の仕組みという感じがします。

何年か前に、フランスの経済学者ピケティが書いた経済学の本が日本でブームになって、その本に、資本(お金)運用による利益(運用利子)の方が、労働によって得られる利益よりも非常に大きいと言ったことが書かれていましたが、まさに、それを証明するような話です。



【お金の傭兵】

シンガポールでの富裕層ビジネスというと、なんだか非常にドライな印象を受けますが、シンガポール銀行の日本デスクというのは、ほとんどが日本人スタッフに占められていて、その中は、日本人特有の村社会になっているといった話も出てきます。

村社会の中で、業績を奪い合ったり、ボスが絶対的な権限をもって搾取に近いことが行われたり、独裁的な中小・零細、個人商店的な組織体系になっているということも驚きでした。

場所が変わっても、日本人が集まれば、日本人的な村社会が築かれるということなんですね。

そして、シンガポールに移り住む多くの日本人富裕層も、その村社会に依存して、自分のお金を守ってもらっていることを考えると、お金を巡る世界って、もっとドライなのかと思いきや、案外ウェットな世界なんだなぁと、不思議な印象を受けました。

本作の主人公たちは、富裕層のお金を守るということで「お金の傭兵」という呼ばれ方をしているという話ですが、このウェットな感じは、傭兵というよりは、主人に仕える執事といった印象も受けたのでした。




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【『プライベートバンカー』より】
後になって、成功者しかいない理由は、この国が外国人の敗者やスラムの存在を許さないからだということに、はたと気づいた。

(書き出し)
てらてらと脂で光る焼き台が店の真ん中にあり、そこから流れる焼き鳥と醤油ダレの煙が、コの字形のカウンターに取り付いた十数人の客をぼんやりと包んでいる。

(結び)
「うん、ケセラセラやなあ」
外では、伊吹おろしが高い音で鳴っている。
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【書籍:ノンフィクション】 巨魁

【評価】★★★★★

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著者:清武英利
出版:WAC



【読売ジャイアンツの社長】

以前、この著者の山一證券破綻に関する著書「しんがり -山一證券 最後の12人」が非常に面白かったので、別の著書も読んでみようと思い手にしたのが本書。

てっきり、ノンフィクション系の作家だと思っていたら、読売新聞の記者で、読売ジャイアンツの社長を勤め、経営方針を巡って読売新聞のドン・渡辺恒雄と争い、一時、マスコミをにぎわせた人でした。

読売ジャイアンツを巡る騒動にさほど興味もなかったので、当事者などの名前は、はっきり覚えていませんでしたが、確かに思い起こせば、清武さんって、記者会見を開いて渡辺恒雄氏を批判し、読売ジャイアンツの社長の座を追われた人だったなぁ。

当時、読売新聞が、紙面を大々的に割いて清武氏を叩く記事を連日掲載していたのを見て、内輪もめの話を紙面を大々的に割いて記事にする読売新聞の神経が信じられんなぁと思ったものでしたが、期せずして、叩かれた側の人が書いた本を読むことになったのでした。



【上質なノンフィクション】

騒動の当事者が書いた本を読むと、対立した相手側を徹底的に叩くプロパガンダみたいな内容のものも多く、主張の正しい、正しくないは別として、少々辟易するところも多いので、積極的に手に取りたいとは思わないのですが、本書は期せずして読むこととなったわけですが、そういった面があまりなく(対立した渡辺恒雄氏を、感情的に叩くような記述)、上質なノンフィクションとして楽しめる作品でした。

著者は、野球に素人ながら、読売新聞社の代表である渡辺恒雄氏の命令で、読売ジャイアンツの社長となり、7年以上に渡り、様々な改革に取り組むものの、独裁的な渡辺恒雄氏との関係や球界の体質などに苦しんだり、悩んだ経緯などが描かれています。

組織の運営、経営のあり方について、考えさせられる内容です。



【忖度族の跋扈】

読んでいて共感したり、大変だなぁと感じるのは、トップとの関係性。
著者は、読売ジャイアンツの社長ではありますが、100%親会社に読売新聞社がおり、そこに君臨する渡辺恒雄氏が、著者の上司、トップとなるわけです。

渡辺恒雄氏、独裁者ですから、鶴の一声、きまぐれ、思いつき、まぁ、その一言は大変な重みで、選手の補強からコーチ人事まで、その介入は甚だしいわけです。

渡辺恒雄氏、マスコミ報道などからは、巨人軍のオーナーとして野球に非常に関心が高いので、野球についても、さぞかし詳しいのかと思いきや、巨人軍の選手の名前はおろか、コーチの名前も大して覚えておらず、本書では、「素人以下」と評されていて、そんな人が、気まぐれに選手補強やコーチ人事に介入されたら、それは大変だろうなと思うところでした。

また、渡辺恒雄氏の発言の一言や表情から、その思い、考えを憶測して先回りして対応する-いわゆる「忖度(そんたく)」もはびこり、渡辺恒雄氏の周辺、側近には、「忖度族」が多くいて、それが組織の弊害になっていた、なんていう記述は、昨今の政権の内部事情とそっくりですし、私自身の属する組織を振り返ってみても、なんか思い当たるなぁと思うところがあり、組織は大なり小なり、「忖度」が跋扈するのだなと思いました(日本の組織の特徴なのでしょうか)。



【君子豹変す?】

本書の中の記載で、組織のあり方や課題などで、思い当たる点、多々あるのですが、その中で、「あるある!」と思ったのが、トップに説明したことや、トップ自身が発言したことを、トップが全く忘れ、ちゃぶ台返しのようなことをする、といった話。

ありますね、これ。
組織内では、「渡辺恒雄は痴ほう症ではないか」という疑惑の声すら出ていたという話ですが、こういうエピソードや経験、私もあるので、どこの組織も同じような話があるものだなと思ったところでした。

「君子豹変す」、「臨機応変」・・・方針や意見が変わることは、必ずしも悪いことではないわけですが、どう考えても、方針がガラッと変わると、下としては、「どうもおかしいよな」と思ってしまうわけで、どこの組織も共通にある問題なのかもしれません。

その他、データに基づく人材獲得(野球選手のスカウトの話ですが)など、興味深い話が色々とあり、単に、渡辺恒雄との対立問題を描いた作品ではなく、読売ジャイアンツを題材にした組織運営の話として、非常に面白く読むことができました。




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【『巨魁』より】
順風のときに改革を思い立ち、実際に取り組む人はまずいない。たいていは、逆境に直面してはじめて自分と組織を省みるのだ。

(書き出し)
日本の中心が象徴天皇の住む皇居だとすれば「将門塚」はその中心点よりわずかに南東に外れたところにある。

(結び)
私個人は多くを失うかもしれないが、渡邉の底意を知った以上、堂々と記者会見場に向かおうと思った。
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プロフィール

kappa1973

Author:kappa1973
 
読んだ本と映画について、感想を書いていきたいと思います。
 
評価は5段階で・・・
★☆☆☆☆:焚書坑儒!
★★☆☆☆:時間の無駄
★★★☆☆:損はない
★★★★☆:良い作品!
★★★★★:殿堂入り!?

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