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読書と映画

読んだ本、見た映画について感想を書いています。
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【書籍:体験記】 中国てなもんや商社

【評価】★★★★★

china_tenamonya_company.jpg
著者:谷崎光
出版:文藝春秋



【中国とのビジネス】

中国の会社と取引を行う商社に入った主人公の体験記。
1980年から90年代の中国とのビジネス事情がよく分かる内容で、今ではこんなに無茶苦茶はないでしょうが、無茶苦茶な反面、中国の熱気も感じ取れる非常に面白い本でした。

発注とは全然違う商品を作って送ってくるとか、納期遅れは当たり前、あの手この手で取引に細工を仕掛けてくるなんていう、中国人のしたたかさと、それに苦闘しながらビジネスをなんとかまとめ上げていく姿は、国際ビジネスの難しさや面白さが表現されています。



【ヤモリ入りジャム】

中国製品については、数年前にも、食の安全の問題で、異物混入など日本でもニュースになりましたが、本書でもそれに類するトラブルも描かれています。

瓶詰のジャムの中のヤモリが入っていて、中国の工場にクレームを入れたら、「そのヤモリ、全身火傷してますか?していれば、うちの工場の製造過程で入ったと思われますが、そうでなければ、輸送途中で日本国内で混入した可能性があります」なんて、冷静に反論され、「ヤモリ、全身火傷してますけど?」と返すと、謝ることなく、「新しい商品を送りなおします」という回答。

日本なら大問題になって謝罪の嵐というところでしょうが、新しい商品と交換すれば問題ないでしょ?という割り切りの良さは、笑いすら感じるのでした。



【ハサミはしばりました】

その他にも、中国で縫製したジャンパーの背中の部分の裁断用のハサミが入っていて(なぜ、入るというツッコミしか思い浮かばないが)、それについても、「ハサミを入れた従業員は首にしました。あとは、対策として、ハサミをミシンに紐で縛り付けることにしたので、もう大丈夫です」って、日本の感覚からすると、ちょっとズレている感じも、おそらく、日本の常識と中国(世界)の常識は異なるのだなぁと思うところなのでした。

もともと、安い人件費で中国で生産させていて、そういったクレーム、問題が発生してもなお、中国で生産した方が良いという日本の都合もあっての話なので、日本の常識だけをもって、怒ったり嘆いたりしても仕方がないのかもしれません。

本書の著者も、中国のいい加減さや適当さ、狡さに怒ったり嘆いたりしながらも、一方で、中国の熱気やパワーとうまく付き合いながら、ビジネスをまとめ上げるあたり、立派な国際人という感じで(ちょっと言い過ぎか?)、ビジネス書として読んでも非常に面白い本でした。



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【『中国てなもんや商社』より】
中国が好きだった人ほど、この仕事をすると中国がきらいになるね。

(書き出し)
「乾杯!」

(結び)
今日は、まだ始まったばかりだ。
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【書籍:ルポ】 プライベートバンカー -カネ守りと新富裕層

【評価】★★★★☆

private_banker.jpg 
著者:清武英利
出版:講談社



【日本人富裕層ビジネス】

日本人富裕層を対象にした金融サービスを行う銀行員を題材にしたルポタージュ。
銀行員といっても、日本の銀行員ではなく、タックスヘイブン的な要素を持つ、金融大国シンガポールの話。

富裕層に非常に有利な税制になっていることから、シンガポールに移住する富裕層の日本人が多くいるそうで、本作の主人公は、日本の證券会社を辞め、シンガポール銀行の日本人デスクに転職し、富裕層相手に仕事を始めることになります。



【お金はお金のあるところに集まる】

こういう世界があるのだなというのが、最初の印象であり、そして驚きでもあります。
富裕層の本を読むと、私が、思いっきり、一般庶民であることを痛感します(笑)。

富裕層ビジネスを行う主人公や、シンガポール銀行を始め、関りを持つ人は、富裕層の持つお金を守り、増やすことで、自分たちも利益を得るという構図。

ちょっとした小金をもっているくらいだと、増やすどころかだまし取られるのがオチというところがありますが、唸るほどの大金を持っているところには、だまし取るのではなく、更に増やそうという人が集まってくるのだなぁと、金があるところに、どんどん金が集まるのが世の中の仕組みという感じがします。

何年か前に、フランスの経済学者ピケティが書いた経済学の本が日本でブームになって、その本に、資本(お金)運用による利益(運用利子)の方が、労働によって得られる利益よりも非常に大きいと言ったことが書かれていましたが、まさに、それを証明するような話です。



【お金の傭兵】

シンガポールでの富裕層ビジネスというと、なんだか非常にドライな印象を受けますが、シンガポール銀行の日本デスクというのは、ほとんどが日本人スタッフに占められていて、その中は、日本人特有の村社会になっているといった話も出てきます。

村社会の中で、業績を奪い合ったり、ボスが絶対的な権限をもって搾取に近いことが行われたり、独裁的な中小・零細、個人商店的な組織体系になっているということも驚きでした。

場所が変わっても、日本人が集まれば、日本人的な村社会が築かれるということなんですね。

そして、シンガポールに移り住む多くの日本人富裕層も、その村社会に依存して、自分のお金を守ってもらっていることを考えると、お金を巡る世界って、もっとドライなのかと思いきや、案外ウェットな世界なんだなぁと、不思議な印象を受けました。

本作の主人公たちは、富裕層のお金を守るということで「お金の傭兵」という呼ばれ方をしているという話ですが、このウェットな感じは、傭兵というよりは、主人に仕える執事といった印象も受けたのでした。




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【『プライベートバンカー』より】
後になって、成功者しかいない理由は、この国が外国人の敗者やスラムの存在を許さないからだということに、はたと気づいた。

(書き出し)
てらてらと脂で光る焼き台が店の真ん中にあり、そこから流れる焼き鳥と醤油ダレの煙が、コの字形のカウンターに取り付いた十数人の客をぼんやりと包んでいる。

(結び)
「うん、ケセラセラやなあ」
外では、伊吹おろしが高い音で鳴っている。
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【書籍:ノンフィクション】 巨魁

【評価】★★★★★

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著者:清武英利
出版:WAC



【読売ジャイアンツの社長】

以前、この著者の山一證券破綻に関する著書「しんがり -山一證券 最後の12人」が非常に面白かったので、別の著書も読んでみようと思い手にしたのが本書。

てっきり、ノンフィクション系の作家だと思っていたら、読売新聞の記者で、読売ジャイアンツの社長を勤め、経営方針を巡って読売新聞のドン・渡辺恒雄と争い、一時、マスコミをにぎわせた人でした。

読売ジャイアンツを巡る騒動にさほど興味もなかったので、当事者などの名前は、はっきり覚えていませんでしたが、確かに思い起こせば、清武さんって、記者会見を開いて渡辺恒雄氏を批判し、読売ジャイアンツの社長の座を追われた人だったなぁ。

当時、読売新聞が、紙面を大々的に割いて清武氏を叩く記事を連日掲載していたのを見て、内輪もめの話を紙面を大々的に割いて記事にする読売新聞の神経が信じられんなぁと思ったものでしたが、期せずして、叩かれた側の人が書いた本を読むことになったのでした。



【上質なノンフィクション】

騒動の当事者が書いた本を読むと、対立した相手側を徹底的に叩くプロパガンダみたいな内容のものも多く、主張の正しい、正しくないは別として、少々辟易するところも多いので、積極的に手に取りたいとは思わないのですが、本書は期せずして読むこととなったわけですが、そういった面があまりなく(対立した渡辺恒雄氏を、感情的に叩くような記述)、上質なノンフィクションとして楽しめる作品でした。

著者は、野球に素人ながら、読売新聞社の代表である渡辺恒雄氏の命令で、読売ジャイアンツの社長となり、7年以上に渡り、様々な改革に取り組むものの、独裁的な渡辺恒雄氏との関係や球界の体質などに苦しんだり、悩んだ経緯などが描かれています。

組織の運営、経営のあり方について、考えさせられる内容です。



【忖度族の跋扈】

読んでいて共感したり、大変だなぁと感じるのは、トップとの関係性。
著者は、読売ジャイアンツの社長ではありますが、100%親会社に読売新聞社がおり、そこに君臨する渡辺恒雄氏が、著者の上司、トップとなるわけです。

渡辺恒雄氏、独裁者ですから、鶴の一声、きまぐれ、思いつき、まぁ、その一言は大変な重みで、選手の補強からコーチ人事まで、その介入は甚だしいわけです。

渡辺恒雄氏、マスコミ報道などからは、巨人軍のオーナーとして野球に非常に関心が高いので、野球についても、さぞかし詳しいのかと思いきや、巨人軍の選手の名前はおろか、コーチの名前も大して覚えておらず、本書では、「素人以下」と評されていて、そんな人が、気まぐれに選手補強やコーチ人事に介入されたら、それは大変だろうなと思うところでした。

また、渡辺恒雄氏の発言の一言や表情から、その思い、考えを憶測して先回りして対応する-いわゆる「忖度(そんたく)」もはびこり、渡辺恒雄氏の周辺、側近には、「忖度族」が多くいて、それが組織の弊害になっていた、なんていう記述は、昨今の政権の内部事情とそっくりですし、私自身の属する組織を振り返ってみても、なんか思い当たるなぁと思うところがあり、組織は大なり小なり、「忖度」が跋扈するのだなと思いました(日本の組織の特徴なのでしょうか)。



【君子豹変す?】

本書の中の記載で、組織のあり方や課題などで、思い当たる点、多々あるのですが、その中で、「あるある!」と思ったのが、トップに説明したことや、トップ自身が発言したことを、トップが全く忘れ、ちゃぶ台返しのようなことをする、といった話。

ありますね、これ。
組織内では、「渡辺恒雄は痴ほう症ではないか」という疑惑の声すら出ていたという話ですが、こういうエピソードや経験、私もあるので、どこの組織も同じような話があるものだなと思ったところでした。

「君子豹変す」、「臨機応変」・・・方針や意見が変わることは、必ずしも悪いことではないわけですが、どう考えても、方針がガラッと変わると、下としては、「どうもおかしいよな」と思ってしまうわけで、どこの組織も共通にある問題なのかもしれません。

その他、データに基づく人材獲得(野球選手のスカウトの話ですが)など、興味深い話が色々とあり、単に、渡辺恒雄との対立問題を描いた作品ではなく、読売ジャイアンツを題材にした組織運営の話として、非常に面白く読むことができました。




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【『巨魁』より】
順風のときに改革を思い立ち、実際に取り組む人はまずいない。たいていは、逆境に直面してはじめて自分と組織を省みるのだ。

(書き出し)
日本の中心が象徴天皇の住む皇居だとすれば「将門塚」はその中心点よりわずかに南東に外れたところにある。

(結び)
私個人は多くを失うかもしれないが、渡邉の底意を知った以上、堂々と記者会見場に向かおうと思った。
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【書籍:経済ノンフィクション】 やってみなはれ ー芳醇な樽

【評価】★★★☆☆

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著者:邦光史郎
出版:集英社



【やってみなはれ】

サントリーの創業者、鳥井信治郎氏の生涯を描いた作品。
サントリー創業者、鳥井氏の口癖は「やってみなはれ」だったというのは、以前、何かで聞いて、印象深く覚えていたのですが、この「やってみなはれ」という言葉、部下などが、何か新しいことに挑戦しようとする時に、前に踏み出せるよう、背中を押す言葉と言う風に思っていました。

そのため、私の中のサントリー創業者、鳥井氏の印象は、他者を受け入れる度量の大きな、寛容な人物像をずーっと創造し続けていたのですが、本書を読んで、その想像とは180度とまではいかないかもしれませんが、相当違うということを知ってびっくりしたのでした。



【稀代のいらち】

まず、やってみなはれ、の用例。

「出来んはずはない。やってみなはれ!」

四の五の言い訳をしたり、鳥井氏の提案に反対する部下に対して、「いいから、やってみろ!」と命令するニュアンスの強い言葉で使われる場面が多かったようです。
実際、鳥井氏は、大阪弁で言うところの稀代の「いらち」-せっかちで、人の話を半分も聞かずに腰を上げて行動するような、悠長に待ったり、じっとしているのが苦手で、常にいらいらと動き回る人-だったそうで、創業者のタイプで言うと、本田宗一郎に近い感じだったようです。

「やってみなはれ」も、用いる場面、イントネーションで印象も大きく変わるというわけです。



【赤玉ポートワイン】

さて、鳥井氏が酒造メーカーを立ち上げ、生み出したヒット作が、「赤玉ポートワイン」。
「赤玉ポートワイン」は、明治の時代に生み出され、今でも製品として市場に出回っているのですから、すさまじいロングセラー商品です。
かなり昔に飲んだことがありますが。あまりに甘すぎる味に、正直、げぇ~となってしまった覚えがありますが、赤玉ポートワインが売り出された明治の時代では、普通のワインは渋すぎるということで日本人の口には合わず、この「赤玉ポートワイン」のような甘みの強いお酒がよく売れたのだとか。

人の味覚、嗜好は、その時代々々によって大きく変わるのだなぁと、本書を読みながら思ったところでした。



【ウィスキーの成功に向け】

鳥井氏は、赤玉ポートワインをヒットさせ、さらに、その他にも様々な製品をヒットさせていきますが、鳥井氏の夢は、本物の洋酒-ウィスキーを自分の手で作り上げたいというものだったそうです。

ウィスキーは、作ってすぐ売れるものではなく、3年、5年、下手すると10年は寝かせてからでないと製品に仕上げることができないという特性から、莫大な設備投資をしても、その回収までの期間を耐えしのぐ、経済的体力や忍耐が必要となるわけです。

そんな特性を持つお酒を、稀代の「いらち」と言われた鳥井氏が挑戦し、成功させるのですから、面白いものです。
物事に対する人の向き不向きなんて、その程度なのかもしれません。「いらち」だからといって忍耐のいる仕事に不向きなのかと言うとそうではなく、情熱や気持ち次第でいくらでも変わるのでしょう。

ウィスキーづくりは、非常な苦労を経て、さらには、太平洋戦争の戦火すらも潜り抜け、ようやく完成にたどり着くのですから、その苦労は、想像を絶するものがあります。
そう考えると、今では、ウィスキーは日本ではどこでも手に入りますし、ウィスキーと言えばサントリーなんて簡単に考えてしまいますが、先人の苦労の偉大さを感じます。




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 【『やってみなはれ』より】
-とにかく、やってみなはれ。
考え悩むのはそれからでも遅くはない。

(書き出し)
長男を太郎、次男を次郎と呼ぶのがふつうだから、信治郎という名前をみて、長男を想像する人はすくない。

(結び)
だがいつも順風ばかりとは限らない。いかしそれでも微笑を忘れずに、恩師小竹無二雄から教えられた”エトヴァス・ノイエス(何か新しいこと)”の精神を保ちつづけて事業運営に当たりたいと彼は念じている。
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【書籍:経済ルポ】 しんがり ー山一證券 最後の12人

【評価】★★★★★

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著者:清武英利
出版:講談社



【日本三大号泣記者会見】

バブル崩壊後に倒産した国内大手の山一證券の後処理に従事した、12人の社員の顛末を追ったノンフィクション。

山一證券の倒産は、非常に印象に残っています。
何より、インパクトがあったのが、倒産となった時に社長の号泣記者会見。
野々村県議の号泣記者会見に次ぐ、戦後日本における三大号泣記者会見の一つです(そういうことを言うのは、やめなさいって)。



【先延ばしの行く末が・・・】

本書は、山一證券の倒産間近のカウントダウンのタイミングから話は始まります。
山一證券の破たんの原因は、損失補てん(顧客の株取引の損失を補てんする行為)などを行い、それによって発生した損失は、会計には計上せず、飛ばしと呼ばれる方法で、簿外債務としてしまい、積もりに積もった簿外債務が3000億円。
これが、明らかになり、一気に倒産へとつながりました。

證券会社もやくざな商売の仕方をしていたようです。裏では、ヤクザや総会屋などに利益提供したり、優良取引先に密かに損失補てんをしたりと、庶民からすると、ひどいことをしているなぁという印象。

通常、大企業が倒産する場合、会社更生法なり、再生の道筋を付ける形で倒産処理を行うわけですが、山一證券の場合、巨額な簿外債務を隠していたり、損失補てんなどの違法行為を行っていたことが仇となり、会社更生法の適用も認められず、跡形も残らない倒産・廃業という処理が取られる結果になったのでした。

色々な問題を先延ばし、先送りした結果、大爆発を起こして木っ端みじんになった、そんなところでしょうか。



【場末の人たちの活躍】

倒産後、簿外債務の規模や発生原因、その責任などを明らかにするため、社内で調査委員会が結成され、清算処理が終わるまでの間に調査を実施することになりますが、その役割を担ったのが、本書で描かれた人たち。

これらの人たちは、会社の中で優遇された部門にいたわけではなく、どちらかと言うと端パイ-日の当たらない場所にいた人々ばかり。
社内の所属部署がある建物が、そもそも「場末」なんて呼ばれていたそうですが、その部署とは、證券会社の中で、社内監査などを実施する法務部門だったそうです。

法務部門が「場末」なんて呼ばれて、端に追いやられている時点で、会社としてどうかなぁと思わけで、法務を軽視した結果の破たんは、なるべくしてなったということなのでしょう。



【しんがりを見事に勤め上げる格好良さ】

調査は、簿外債務の処理に関わった可能性がある社員や役員など、相当の人数にヒアリングをすることで、実態を明らかにしていきます。
おそらく、会社が存続していたら、口を開かなかったであろう情報も、役員や社員から、その真相が赤裸々に語られます。

「この情報は、墓場まで持っていくつもりだ」なんていうセリフは、よく聞きますが、それは、会社なり組織が存続していて、迷惑がかかるからこそ、そういうセリフにつながるのであって、会社がなくなり、直接的に迷惑が掛からないとなると、秘密は思ったより、簡単に明らかになるということかもしれません。

そういったことも追い風にはなったのかもしれませんが、会社が潰れた原因を本当に知りたいという、自身の利益につながらず、むしろ、株主から訴訟を起こされるリスクにつながる可能性すらある調査を、熱意によって追い続けた人がいたことが、山一證券の破たんの原因を明らかにすることにつながったわけです。

著者は、これらの人々に、「なぜ、得にもならず、むしろはずれクジともいえる調査に携わったのか」という質問をしており、その中で、「仮に、母親を介護するとなった時に、別に損得は考えずに、子供のうち誰かが面倒をみなければならないと思いますよね。会社が死ぬ時も、だれかが面倒を見て看取る人が必要、そんな気持ちだったのかもしれません」と答えた人がいましたが、この答えは響く回答でした。

しんがりを見事勤め上げる、それは、金ヶ崎の戦いでの木下秀吉(豊臣秀吉)や、長谷堂城の攻防戦の時の前田慶次のように、格好良さや潔さというものを感じさせます。
本書の人々も、山一證券が崩壊し、社員が総崩れする中、見事しんがりの役割を成し遂げたわけで、しんがりの見事さ、格好良さを強く感じさせました。




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【『しんがり』より】
会社の不正に物分かりの良い人間になってたまるか。

(書き出し)
創業百年の節目に山一證券の代表取締役となった野澤正平は、「焼き芋社長」と陰口をたたかれることがあった。

(結び)
みんなまるで、「俺も一緒に戦いたいな」とうらやましがっているようじゃないか。
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プロフィール

kappa1973

Author:kappa1973
 
読んだ本と映画について、感想を書いていきたいと思います。
 
評価は5段階で・・・
★☆☆☆☆:焚書坑儒!
★★☆☆☆:時間の無駄
★★★☆☆:損はない
★★★★☆:良い作品!
★★★★★:殿堂入り!?

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