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読書と映画

読んだ本、見た映画について感想を書いています。
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【洋画:SF】 ヴァンガード

【評価】★★☆☆☆

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2008年/イギリス
監督:マシュー・ホープ
主演:レイ・ブロック・Jr、エマ・チョイ


石油の枯渇により政府が崩壊しそれにより巨大な力を持った企業と、その企業による淘汰で、薬物で獣化した市民とにより混沌とした世界で、世界を救う救世主が登場する・・・と言った、北斗の拳とターミネーターとバイオハザードを混ぜこぜにしたようなストーリーですが、なんだかとっても格好よさそうな話なので、思わずレンタルしました。

【ストーリー】
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2015年、世界は石油の枯渇により無政府状態となり、一つの巨大な企業が力を持ったのだった。企業は、一部のエリートだけが生き残るため、それ以外の市民を薬物の投与による抹殺を計画した。
しかし、その薬物は死ではなく人間の心を失わせて凶暴な性質に変え、人を獣化してしまう作用をもっていた。それらの薬を投与された多くの市民は、獣と化し、地上を徘徊し、生き残った人類を襲うのだった。
主人公は、企業の魔の手を逃れ、原野で一人生活しているが、獣と化した市民-バイオシンとの戦いに明け暮れる毎日に疲れ果てていくのだった。
そんなある日、バイオシンの掃討に当たる企業側の傭兵であったが、脱走兵となった兵士と出会う。
更に、薬物の開発に従事し、良心の呵責に耐えかね企業の元から脱走した科学者とも出会う。
彼らは、企業の追跡を避け、企業と戦うレジスタンスの元に逃げ延びようとするが、レジスタンスはすでに企業によって壊滅させられているという事実を知らされる。
また、逃走劇の過程で、主人公の血液に、薬物を解毒する-バイオシンになった人間を通常の人間に戻す効果があることを発見するが、企業の傭兵たちの追撃が激しさを増し、主人公だけが生き延びる。
そして、主人公は、バイオシンの群れの中に身を投じ、主人公の持つ血の効果で、新たな時代の幕開けへと踏み出すのだった(完)。

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壮大なストーリー設定の割には、かなりちゃっちい展開で終わってしまった感のある作品でした。
世界を支配する巨大企業と一部エリート集団が武装都市に籠り、企業に属さない人類は、淘汰の対象とされるものの、淘汰の方法を誤って多くがゾンビ化し(本作ではバイオシンと呼ばれています)地上を徘徊、また、地上にはゾンビ化から免れた少数の市民も存在し、企業、バイオシン、市民の三つ巴の争いが繰り広げられている-こんな設定となっています。

そして、主人公は、市民的な立場で、襲撃してくるバイオシンと戦いながら、一人荒野をさまよっているわけですが、映画のほとんどが、襲撃してくるバイオシンを、主人公が2丁の斧でガスガスと殴って倒す場面ばっかりで、非常に単調です。

また、ストーリー設定の肝となる巨大企業の存在も、市民やバイオシンを掃討する下っ端の傭兵たちしか出てこず、巨悪の根源とも言える、エリート集団や巨大企業の支配者層は出てきません。
そのため、どうしても、些末な部分で、チマチマと何かやっているよなぁ・・・という印象。

バイオシンを一掃して世界を立て直すとか、巨大企業を倒して新しい世界秩序を作るとか、大きな目的があるわけではなく、バイオシンと企業の傭兵が蔓延する世界で、どうにか生き延びるためのサバイバルをしています-そんだけの話になっているので、どうしても単調にならざる得ない印象です。

中盤から後半にかけ、主人公が実は、人間をバイオシンに変えてしまう薬物を生み出した科学者の息子であることが判明、その科学者が主人公に何かの処置を施したおかげで、主人公はバイオシンに噛まれてもバイオシンに感染してしまうこともなく、それどころか、主人公の血で、バイオシンとなった人間を、普通の人間に戻せることが判明します。

ただ、それが判明したからと言って、何をどうするといった話にはつながらず、とりあえずは、企業側の傭兵部隊の攻撃から逃れようという場当たり的な展開となっている間に、主人公と一緒に行動を共にしていたメンバーは、次々に死亡。
結局、主人公だけが生き残り、見ると、バイオシンの群れの中央に主人公が立っているという場面が描かれると同時に、「こうして、新たな救世主がこの世界に誕生したのだ」的なナレーションが流れて、映画終了。

・・・つまり、主人公の血で、バイオシンとなった人間たちを元に戻して、巨大企業に立ち向かうということを暗示しているわけなのかな・・・。

いずれにしても、ダラダラと話が進んだかと思いきや、最後に唐突に主人公が世界の救世主になりましたというぶっ飛んだ終わり方で、何がなんだかという感じ。

ちなみに、この映画の時代設定は、2015年ということで、まさに今!
本作品の出来は、かなり不出来ではありましたが、現実が、映画のような世界になっていなかったことだけでも感謝といったところです。

なお、本作は、テレビ東京が配給か何かに絡んでいるらしく、テレビ東京の女子アナ2名が、本作品を解説・紹介するという映像(10分くらいかな)がDVDに入っています。

女子アナA:「2015年には、先輩も獣化してるかもしれませんよ!?」
女子アナB:「何言っているの、ケダモノはあなたでしょ!?」
といった女子トークが繰り広げられているのが(こんな会話じゃなかったかもしれませんが・・・)、見ものです。


【その他のレビューブログ】
「DVDのジャケットには日本刀を両手に1本ずつ持った、黒いロングコートの男が崩壊した大都会を背景に佇んでいます。でも、そんな男、出てこねえし。日本刀なんて1本も出てこねえし。大都会も出てこねえし。」というコメントがあるように、DVDジャケット詐欺にたいする怒りの声が蔓延(笑)。
私もDVDジャケットを見て、思わず借りた口でした。

やくもとうずしおをがっつりと
http://d.hatena.ne.jp/uraomotenoraneko/20130511/1368203292

映画B-ブログ
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映画ベース
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[ 2015/06/07 09:30 ] 冒険 | TrackBack(0) | Comment(0)
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★★★★☆:良い作品!
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